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Revopoint MIRACO|3Dスキャン前の設定
Revopoint社の販売代理店をすることになったことがきっかけで、7月はかなりの時間を3Dスキャナ「MIRACO」の練習に費やしました。今回はその学びをまとめて記事にしましたので、Revopoint MIRACOの購入を検討している方や、買ったばかりの方の参考になればと思います。
今回の3Dスキャンでは↓のような感じに、ある程度かっこよい3Dデータが撮影できれば良い、という所をゴール設定にしています。3Dプリンタでモノを作るといった目的の場合は、別の留意点があるかも知れません。
3Dスキャナが取得する点群データは「位置」と「色」から成り立っていますが、MIRACOをこれらを取得する際には、その方法にいくつかのバリエーションがあります。
MIRACOでの撮影を練習して分かったのは、実際に3Dスキャンを始める前の事前準備が非常に重要という点です。対象物、周囲の環境、スキャナの設定が適合していないと、すごく頑張っても、なかなか思った結果が得られないです。
ぜひ参考になれば幸いです。
1. トラッキング方法
トラッキングとは「位置」を把握する事を指していますが、MIRACOの場合は、対象物そのものの形状を目印とする「特徴モード」と、対象物とは別途で複数の白い丸点を準備して目印とする「マーカーモード」の2つのトラッキングモードがあります。
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![](https://assets.st-note.com/img/1721898312804-xJtI4NtNXG.png?width=1200)
マーカーには対象物に貼り付けるシール型と、対象物のおかれた床やターンテーブルに敷くシート型の2種類があります。
それぞれ長所・短所があるので、対象物に適した設定を選択する必要があります。一度のスキャンで2つのモードを行き来することは出来ない点にも注意が必要です。
1.1. 特徴モード
長所:準備不要で手軽。黒い対象物をスキャンできるモードが選択可能。
短所:直線部分など形状が単調な部分で位置を見失う事が多い。
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![](https://assets.st-note.com/img/1721898370314-9wyeSCIXHF.png?width=1200)
1.2. マーカーモード(シール型)
長所:位置の把握が安定する。
短所:マーカー貼付の手間がかかる。美観重視の場合には向かない。
![](https://assets.st-note.com/img/1721898384501-mHlFBblKkz.png?width=1200)
1.3. マーカーモード(シート型)
長所:位置の把握が安定する。マーカー準備も簡単。
短所:床側からスキャンできない。高さのある対象物ではマーカーがスキャナに映り込まず位置が把握できない場合がある。
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2. 遠景or近景
対象物の大きさや期待する精度によって、遠景と近景のモードを切り替える事が出来ます。遠景モードと近景モードは3Dスキャンの途中で切り替える事もできますが、遠景⇒近景の切り替えは非常に難易度が高く感じました。途中で切り替えをしたい場合は近景⇒遠景の順番になるよう、事前に手順を整理しておくと良いかも知れません。
対象物によっては、遠景モードでは特徴トラッキングが出来るのに、近景モードで寄った画面になると形状の特徴が少なすぎてエラーになる、といった事も発生します。トラッキング方法と遠景or近景の組み合わせを決めるのが事前準備における最大のポイントではないかと考えております。
3. 連続スキャンor写真測量
連続スキャンの方が素早く作業を進める事が出来ますが、トラッキングエラー(位置を見失って像が乱れる)が頻繁に発生してしまうケースでは写真測量の方が作業が安定します。写真測量の最大のメリットは「戻る」ボタンが上手く機能するため、少し前からやり直しができる点だと思っています。
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4. 平面消去機能
不要な平面が映り込んだとしても、編集でトリミングすれば良いので、デフォルトOFFのままで良いと思います。
5. カメラの露出やフラッシュ
![](https://assets.st-note.com/img/1721976350737-OqefzlieSb.png?width=1200)
5.1. Depthカメラ(距離測定)
画面左上に見えるのがDepthカメラの画像です。対象物との距離をDepthカメラで把握して遠近感を掴んでいます。説明書では露出を手動で調整する事が推奨されていますが、初心者の私は設定に不備があるままスキャンしてしまう事が多くて、考える事を減らすために「Auto」も多用しています。
5.2. RGBカメラ(色)
画面左下に見えるのがRGBカメラの画像です。こちらは露出の調整がデフォルトで「Auto」になっていて、今のところ手動で変更したことがありません。フラッシュはどんどん利用してます。
![](https://assets.st-note.com/img/1721976937085-bk1MngfxjP.png?width=1200)
少し長文になってしまいましたが、Revopoint MIRACOの事前準備で最大のポイントはトラッキング方法と遠景or近景の組み合わせを決めることです。慣れた方は、その他の設定にも色々とこだわりポイントが出てくることと思います。本記事は初めての3Dスキャンに向けてのものとして、お読み頂ければと思います
また、最近はiPhoneでも3Dスキャンができますし、機会があれば色々と試して比較してみたいと思います。