『未解決事件は終わらせないといけないから』感想



 年末は言わずもがな、三が日もなんやかんやと雑事に追われて休みらしい休みは過ごせなかった仲谷さんです。
 四日にしてようやっと休みらしい休みを過ごす余裕が生まれたので、ここは天高く積み上げられた積みゲの山を崩そうかと重い腰をあげましてね。
 最近家事も仕事も脳死で動いてたこともあり、どうせなら頭を使うゲームがしたいなとラインナップを流し見したところ、ちょうど良さそうなタイトルが。

 紹介ページ見る感じプレイ時間は2〜3時間と、中々にお手頃なボリューム感。
 昔はクリアまでのプレイ時間なんて長けりゃ長いだけ良いんだからと思ってましたが最近は少し考えが変わってきておりまして。
 悠々自適な一人暮らしをしていた頃とは違ってプレイ時間が中々確保できないもんだから、時間がかかりそうなタイトルには中々食指が動かんのです……やり込み要素とか昔は大好きだったんすけどねぇ。やー年はとりたくないもんです。でもセールとなると買っちゃうだって安いんだもの。これから先、またゲームをやる余裕が生まれるかもしれないしいやそんなことあり得るのk

 はい閑話休題。

あらすじ

「この事件、初めて接したときにすごく驚いた覚えがあります。誰もがそれぞれの理由で嘘をついてました」
『未解決事件は終わらせないといけないから』は、記憶のパズルのピースを探して組み替え、未解決事件の謎を解く推理ゲームです。
退職した元警察官・清崎蒼をサポートして、陳述と手がかりを集め、事件の真相を確かめましょう。
2012年2月5日、公園で遊んでいた少女・犀華が行方不明になったという通報があった。
警察は聞き込みと捜索を繰り返すが、事件は解決せずに未解決事件の書類ファイルに眠る。
清崎蒼警部の退職から12年後、ある日訪ねてきた若い警官。
彼女は清崎が解決できなかった「犀華ちゃん行方不明事件」を終わらせるよう協力を要請してきた。
清崎はバラバラになった記憶のかけらを思い出して再構成するが、明らかとなったのは犀華の周りの全員が嘘つきだったということだけ。

製品紹介ページより

クリアした感想(ネタバレほぼなし)

 今までプレイしてきたどのジャンルともひと味違う、斬新なゲーム体験でした。
 プレイ時間としては事前情報通り、ざっくり三時間程度。
 個人的にはまとまった時間でクリアまで一気にプレイするのがオススメです。ちまちま少しずつ進めるタイプではないですね。
 とりあえず読書好き、特にミステリー小説とか好きな人には間違いなくオススメできます。

 あらすじとタイトルに書かれた通り、ゲームの目的は『未解決事件を解決すること』。
 
 当時誘拐事件の捜査をしていた元警察官の女性、清崎蒼。
 彼女は、自分の元を訪ねてきた女性警察官(プレイヤー)に促されるまま、事件の発端と結末について思い出し始めます。

 しかし、十二年前の事件、しかも清崎さんはご高齢ということもあって、彼女の記憶の断片は”いつ””誰の“供述だったのかがあやふやとなっています。
 その内容から、誰の供述なのか推理/時系列を整理しつつ、また、その中に含まれる”キーワード“から、芋蔓式に新たな記憶の断片を呼び起こしていきます。

 清崎さんのの記憶によると、事件の被害者である“犀華ちゃんの母”からの「娘がいなくなった」という通報から始まった事件は、父親である宮城哲郎氏の、「これ以上娘を探さないで下さい」という懇願により、迷宮入りという形で幕を閉じます。
 が、それに付随して蘇ってきた”記憶の断片“の中では、自らの犯行だと自首した男が、「あの子はとっくに死んでいた」と供述していたり……?

 全ての記憶が蘇った時、見えてくる事件の真相とは──

 この時点で少しでも興味を持ってくれた方は、これ以上の情報は何も入れず、冒頭のリンクからゲームを買ってプレイして下さいマジで。
 映画一本観るくらいの時間でクリアできますし、お値段も映画一本分よりか安いくらい。
 どうかこの仲谷めに騙されたと思って、一度限りのこのプレイ体験を味わって欲しい……!

 以下ネタバレ込みの感想↓

ネタバレありの感想


 最初はとにかく戸惑いましたわ……。
 プレイヤーに提示されるのは時系列や発言者がバラバラに散らばった記憶の断片。
 どんどんと増えていくそれらを読み込み、”娘“やら”妻“といった続柄や代名詞、付随する情景のイラストから、誰の発言だったかを推理し、再構築していきます。
 少しずつ事件の輪郭が見えてくる中で、同時に芽生えてくる違和感。
 二人兄妹のはずなのに、兄の存在を知らないかのような“犀華の母”。
 自首してきた男の「あの子は亡くなっている」との発言。
 それぞれの登場人物が語る、事件発生当時の状況の食い違い。

 ──ひょっとして”犀華ちゃん“は二人いるのでは……?

 市役所職員の書類によって、漠然とした疑念が確信に変わった瞬間の衝撃と言ったらもうね……。
 あらすじに書かれている通り、事件に関係した人たちは皆、大なり小なり嘘を吐いています。
 その最たる嘘が、この未解決事件そのものだったっていうのがね。
 そうなるに至るまでの過程がまた何とも複雑……。
 ”死亡“ではなく”行方不明“扱いであれば、いつか娘が戻ってくるかもしれないという希望が残るから……全ては原島犀華の母、理沙子さんのことを思い遣った末の公正さん(元夫)の嘘、ってのがね。
 役所から届いた入学準備の書類を見た時の理沙子さんの泣き笑いのイラストがまた心にクるんすわ……これはちょっと公正さんを責められん……。

 ただ、宮城犀華さんor清崎蒼さんはそのままであることを良しとしなかった。
 真実を伝えなければ、原島理沙子さんはいつまで経っても前に進めない。だからこの”未解決事件は終わらせないといけない“っていうこのタイトル回収もまた鮮やか……!!!

 この作者さんの他作品も近々やってみようと思います……あぁまた積みゲーが増える……!

 今回はこの辺で。


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