昔、そらをみにいった話
「遡ること22年前、2002年11月14日は、『ブレスオブファイアV ドラゴンクォーター』が発売された日です」
始業前にYahoo!ニュースのタイムラインを流し見していたら、そんな記事が目に留まりまして、懐かしい気持ちになった仲谷さんです。
……や、今回は「22年前、ってもはやレトロゲーの部類じゃん!」などという、時の流れの速さに戸惑った話じゃなくてね?
この作品、仲谷的には名作の部類に入るんですけども、世間的にはあまり芳しくない評価をされておりまして……いわゆる隠れた名作というか不遇の名作というか。
ナンバリングタイトルながら、これまでのシリーズと一線を画す陰鬱な世界観がシリーズファンからボロクソに叩かれ、「これがシリーズを終わらせた」とまで言われております。
加えてゲームシステムが独特で、今で言う死にゲーを彷彿とさせる高難易度だったことも一因でした。
具体的に言うと、
セーブは回数制
オートセーブ? 何それ?
セーブは専用の場所で、毎回アイテムを要求されます。中断することは可能ですが、一度ロードすると消失するので保険にはなりません。
やり直すことが前提の難易度
SOL(シナリオオーバーレイ)システムってのがありまして。要はどのタイミングでもできる強くてニューゲーム。周回数に応じて解放されるイベントや進入できるエリアなんかもあります。で、ゲーム自体がやり直しを前提にしている関係か、敵がやったらと強い。ボスは言わずもがな、フィールドの雑魚敵ですら気を抜くと全滅させられます。
常に表示されるタイムリミット
物語の序盤、とあるイベントがきっかけで主人公はチート的な能力を手に入れます。
この能力、戦闘中にいつでも解放できまして、どんな敵もあっさり倒せるレベルまで主人公が強化されます。
ただ強すぎる能力にはもちろん代償が伴うわけでして……。
ゲーム画面右上に、カウンターが表示されるんですが、言ってしまえばこれが主人公の寿命です。
0.00から始まり、プレイ中は何もしなくても少しずつ増加していき、100になるとゲームオーバー。そして能力を使うと急激にメーターが上昇するもんだから迂闊に使えない。下げる手段? そんなもんありません……やり直せばリセットはされますがね?
一度倒した敵は復活しない
経験値システムはあるもののの、全ての敵が一度倒したら再出現しないのでレベリングができません。一応前述のやり直しシステムを使用すると最初にパーティー経験値ってのがもらえるので、このシステムを活用するのがレベリングみたいなもんではありますが。
といった感じ。
この硬派な作りを前にして当時のライトゲーマーたちは早々にクリアを諦めていきました……。
が、それでも心が折れない、むしろこういう高難度ゲーにプレイ意欲を唆られるゲーマーというのはいつの時代にもいるわけで。
かく言う仲谷さんも高難易度という触れ込みにつられて購入に踏み切ったマゾゲーマーの端くれです。
やってみるとわかるんですが、一見すると確かに難易度は高いんですが、決して理不尽ではないんですよ。
一見、前述したチート能力を使わんと倒せそうにない強力なボスも、やり方次第で使わずに攻略できる。
この攻略法を探すのもまた楽しく、何より倒せた時の快感がね……これは最近のソウルライクゲームに通ずるものがあります。
何よりシナリオがばーーーーーちくそに良い。
ざっくりあらすじを説明しますと、
物語の舞台は、瘴気に溢れた地上を捨て、人類が地下に生存圏を求めてから長い年月が過ぎた地下都市。
都市の下層で治安維持部隊に所属している主人公がとある任務で訪れた最下層区で一人の女の子ーーニーナを保護するところから、物語は動き出す。
ニーナを安全な場所へと連れて行く道中で、とある事情により、空気の悪い地下世界にいては彼女の余命は幾許もない、という事実が判明。
主人公は彼女が少しでも生き存える可能性に賭け、かつて人類が閉した地上を目指すことを決意する。
それは、己が所属していた治安維持部隊のみならず、地下世界の全てを敵に回すことになると分かった上で。
一人の女の子のために全てを敵に回すって言うこの……ね! ボーイミーツガールの王道ストーリー!!
そして道中、死に瀕した主人公は、ドラゴンと契約を交わすことで無敵の力を手に入れます(これが前述のチート能力)。ただし本来ならば主人公はこの力を受け入れられる器ではなく、使うほどにどんどんと命が削られていく。
それでもニーナを地上に連れて行くため、立ちはだかる強敵を倒すために主人公は力を行使していく……っていうのがまたね! こういう展開、今も昔も仲谷さん大好物!!
かつての上司や友人と対峙し、少しずつ迫る死の恐怖に内心怯えながら、それでもニーナには優しく振る舞う主人公……そんな主人公に全幅の信頼を寄せるニーナがまた可愛いんだこれが!!
空を目指した主人公たちが最後に見る光景……そしてエンディングで流れる主題歌、鬼束ちひろさんの『castle imitation』がもう泣かせるのよ!!!
閑話休題。
現在アーカイブはなかったはずなんで、プレイするならPS2のパッケージを買う必要があるのが難点。ソフト自体は投げ売り価格なので、本体さえあれば是非プレイして、主人公たちが最後に見た景色を、一緒に味わって頂きたいところです。
……と、こんな感じにゲームのおもひで語りなぞしたところで本日はこの辺で。
ではでは。