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カスタマーサクセスとCREの役割

こんにちは。freeeでCREというチームに所属しているエンジニアのヤスタカです。freee Success Advent Calendar 2022 18日目の記事は、サポートチームからではなく、サポートチームと密接に関わりがあるCREという組織、チームについてカスタマーサクセスとどう関わっているのかについて書かせていただこうと思います。


CREという職種について

CREという職種をGoogleが提唱し始めてから国内のSaas企業でもCREという職種を置く企業はどんどん増えてきています。CREの役割を一言で表すとエンジニアリングで顧客の課題解決に取り組むこと、だと思っています。

そういった意味ではサポートチームとも密接に関わりがありますし、機能開発をしているエンジニアチームとサポートチームの間に立って、両者がより自分たちの仕事に集中できる体制を作り上げていく縁の下の力持ち的なこともCREチームの重要な役割だと思っています。

国内では、はてなさんやメルカリさんなどが早くからCREを置き情報発信なども積極的にされていますし、CREチーム作りました、という記事やCREの活動内容を紹介する記事もよく目にするようになりました。
少し前になりますがはてなさん×アンドパッドさん×freeeの3社でCRE座談会をさせていただいたこともあります。

freeeは2017年に私がジョインした当時、テクサポという名称でしたが(いわゆるテクニカルサポート。主にユーザーさんからの問い合わせに対して技術調査を行って回答するチーム)、より自分たちの役割やミッションを表現できるようCREという名称に変更しました。メンバーも当時はマネージャー1名とメンバー2名という体制から、現在では8名のメンバーと10名のパートナーさんが所属する大きなチームへと成長しました。

一方でCREの認知度という面ではまだまだこれからという部分も感じています。最近freeeでもCREの絶賛採用活動中で、採用面談などをさせていただく機会も多いのですが、候補者の方からはスカウトをもらってはじめてCREという職種を知り、いろいろ調べてみました、記事読みましたというお言葉をいただくことも多いです。

なので今回はfreeeのCREで働くエンジニアが普段どんな対応、開発をしているかを知っていただき、CRE自体の認知向上とCREとしてどうやってサポート課題に取り組んでいるかをご紹介できればと思います。

freeeのCREチームはどんなことやっているか

freeeのCREチームについては以前freee Developers Hubで紹介したこともあるので、概要は上記記事を読んでいただければと思うのですが、今回はもう少し具体的にCREチームでどんなことやっているかという点を掘り下げていければと思います。

freeeで提供しているプロダクトの数は現在15以上にも昇り、その全てに対してCREが入っていけているかというと現状は選択と集中という判断で、特にfreeeの中でもお問い合わせの多いfreee会計、freee人事労務の2つのプロダクト、そしてPublic APIとAPIを使ったfreee公式アプリを担当しています。Public APIについては、APIを使った外部連携サービスを作成したいという企業や個人のエンジニアの方から技術的質問をいただくことが多いという性質上CREが入って日々対応をしています。

対応内容はさまざまで、複雑な仕様により、コードレベルで調査をしないと正確な仕様がわからない部分の調査だったり、不具合の調査や修正といったサポートチームでは解決の難しくなった問い合わせ対応、またその問い合わせのチケットを適切に各プロダクトの各機能を担当するチームにディスパッチできるようなフローの整備や専用フォームをCREチームで作成し、日々メンテしています。

そういったリアクティブな問い合わせの対応とは別に、よりユーザーさんがfreeeのプロダクトで躓くことをなくしたり、躓いたときに適切なサポートが受けられるようなプロダクト開発も行っています。その中でもユーザーさんがヘルプページなどを使ってご自身でプロダクトに対する疑問を解決していける取り組みをセルフサクセスと呼んでいます。

イメージとしては、下図のフロント部分がこの後記載するセルフサクセスの取り組み、バックエンド部分が問い合わせ調査などの取り組みになります。

CREの役割と対応部分

今までやってきたセルフサクセスへの取り組み

では、躓いたときに適切なサポートが受けられるようなプロダクト開発ってなに?という疑問もあると思うので、より具体的に例えばどんなことでCREがプロダクトに手を入れることがあるのか、いくつか紹介していきたいと思います。

問い合わせ導線の整備

ユーザーさんが操作に詰まってしまった場合、ご自身でヘルプページなどを参照して解決されたいか、それともfreeeのサポートにつないでサポートを受けたいのか、ユーザーさんの遭遇された事象やお困り具合によっても様々だと思います。その際適切なサポートコンテンツの案内とエージェントによるサポートへつなぐ導線についてCREチームがメインで担当しています。
 具体的にいうと、チャットボットを使った案内から各種ガイドコンテンツの検索機能、お問い合わせフォームの実装などです。

例えば簡単なお問い合わせフォームであれば各プロダクトチーム内でサクッと作れるでしょう。ただそういったサクッと作ったお問い合わせフォームにはタイトルと本文のテキストエリアしかなく、ユーザーさんが問い合わせする上で情報が求められるのかわからないため、問い合わせの内容が不明確になってしまう事が多く、要件の確定までのサポートとのやりとりや時間が多くかかってしまうことがありました。

なので、CREチームで各種プロダクトの問い合わせ導線を集約し、ユーザーさんがどのプロダクトのどの機能でのお問い合わせをされたいのか、どういった状況で困っているのかを一回のやりとりで確定できるようなフォームの開発を行いました。ユーザーさんが現在契約しているプロダクトの種類、プラン、問い合わせされている方の権限(管理者ユーザーなのか一般ユーザーなのか)、問い合わせの中で選択した機能や項目の内容によってコンテンツを出し分けることによって、ユーザーさん自身も今何に困っているかをサポートに正確に伝えられるようになり、サポートする上でもすぐにどういったサポートが必要なのか判断できるようになりました。

ヘルプページの刷新

これはすでにどういった課題があり、どのようにヘルプページをリニューアルしたかの記事が過去にあるので、内容はそちらの記事に譲りますが、この対応をCREチームとしてメインで開発しました。

取引入力ナビのリリース

freee会計ではプロダクトの機能に関するサポートはできるのですが、一般的な会計処理のご質問にはお答えすることができません。例えばこの取引はどの勘定科目で計上すればよいのか?や、この会計処理方法は正しいのか?などの会計一般の知識に関するものは税理士さんの税務相談の範囲に該当してしまう内容になるものもあり、freeeのサポートではお答えできないからです。

ただ、フリーランスをやられている個人の方や、経理専属の方がいらっしゃらない中小法人の方々にとって、そこが一番わからない部分でありサポートして欲しいところなのに…というところでもあるかと思います。

そういった方々に対して、あくまで一般的な会計処理を案内するという目的で取引入力ナビをいうものを開発し、各種ケースにおける会計処理の方法と、それをfreee会計を通してどう入力するのか、参考となるヘルプページと共に検索可能なこのサービスをリリースすることで、今まではお断りしていた会計処理の質問に、取引入力ナビで検索してみてください、という案内を行えるようになりました。

これからもCREとしてカスタマーサクセスを目指していきたい

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。CREという職種が徐々に一般的にになっていく中で、各社のCREがどういった課題やミッションを持って取り組んでいるかは、ほんとうに様々だと思います。そんな中でfreeeにおけるCREが日々どんなことをやっているのか、どんなサポート課題を共有しサポートチームと一緒にユーザーさんのサクセスのために動いているのかをこの記事で少しでも知っていただける機会となれば嬉しいです。

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