Defi × NFT
このnoteは2021年4月22日にあったカジュアル勉強会の発表資料を
一般公開用に微修正したものです。
はじめに
・ 本ページは投資助言ではなく、単に情報の共有を目的としています。
・ また、本ページの情報を元に投資判断をしても
おそらく儲からないのでやめて下さい。
・ 私個人の見解なので不正確な内容があるかもしれません。
お気づきの方はご指摘頂ければ幸いです。
・ 序盤のおさらいに関してはご存知の方も多く、退屈するかもしれませんがご了承下さい。
・参加頂いている方のベースの知識がバラバラなので、
出来るだけ入門的かつ技術的な内容を省いて説明しますが、
不明点があれば適宜質問下さい。
私も趣味でやっているだけなので、答えられなければすいません。
Defiのおさらい
Defiとは、Decentralized finance(分散型金融)の略です。
web上で分散的に 交換/貸付/配当/ギャンブル…等の金融サービスが提供/利用出来ます。
とはいえ、実態はほとんどが完全に分散的ではありません。
Defiの代表例として挙げられる
Uniswap や PancakeSwapは明確に運営元があり分散的ではなく、中央集権的な側面があります。
【例】
Uniswap:
運営している企業(Uniswap)があるので中央集権的な側面がある。
-> 運営企業があるとカウンターパーティーリスクや政府等からの圧力に弱い
PancakeSwap:
利用しているチェーン(BSC)がそもそも運営企業(Binance)がある。
つまりBSC上のDefiと呼ばれているものは完全に分散的ではないと言える。
ですが、こういった定義に関しては個人個人で見解のズレがあるので、
ここでは完全に分散的でなくても
DecentralizedやDefiとうたわれていれば全てDefiとします。
NFTのおさらい
NFTとは
Non-Fungible Token(非代替可能性トークン)の略です。
逆に、FT(Fungible Token)(代替可能性トークン)という概念もあり、
例えばBTCでありUSDTであり、JPYSであったり
暗号通貨、仮想通貨と呼ばれるものはFTに該当します。
代替可能性とは、例えばAliceが持っている10BTCと
Bobが持っている10BTCを交換しても、お互い不満はないです。
(Network Feeは考慮しない場合)
つまり、Aliceが持っているBTCとBobが持っているBTCは代替が可能であると言えます。
NFTに話を戻すと、代替が可能でないTokenになります。
つまり、AliceがSandboxというゲームの土地の権利を1区画
Bobも1区画もっていたとします。
このSandboxの土地は同じ1区画であったとしても座標が違います。
同じ座標の土地の権利は当然1つのみです。
Aliceの持っている土地はCoincheckの運営が管理している土地に隣接していて、人の目に触れる機会が多い
Bobが持っている土地はゲームの隅っこのなんの特色も無い土地
価値の感じ方は人それぞれですが、これだとAliceとBobの土地を交換すると
どちらかが不満を持ち、交換したくないとなることが十分に考えられます。
このように、唯一性のあるもは他のもので代替が不可能です。
こういったトークンをNFTと呼びます。
NFTでは上記の例の他にも、パラメータを持っているゲームアイテムや
経験値が蓄積されてレベルアップするキャラクター
デジタルアートの権利等、色々なものがあります。
レベルアップするマイクリプトヒーローズのキャラクター
75億円で落札されたデジタルアート
最近ではUniswap v3のLPトークンがERC721規格になったので
これもまたNFTとなりました。(従来はERC20のFT)
規格について
一般的に、NFTは発行するチェーンの規格を準拠し、発行されます。
有名なところであると EthereumのERC721やERC1155ではNFTの標準が定義されています。
これと似たような規格で
BSCにはBEP721という標準がありますし、IOSTにはIRC721という標準があります。
(ちなみに、BSCはEthereumのコピーなので全く同じ標準です。)
逆にFTはEthereumだとERC20という標準があります。
(他のチェーンにも同様の標準があります)
今回はEthereumをベースに話すので
ざっくり
ERC20 : FTの標準
ERC721 : NFTの標準
ということを頭に入れておいて下さい。
Defi × NFTについて
Defi × NFTには色々な試みがありますが
今回はDefi × NFT入り口になるかもしれないNFT-20というのを紹介します。
https://nft20.io/
NFT-20とは
簡単に説明をするとNFTプロジェクトをスマコンでERC20トークンにするプロジェクトです。
注意すべきはNFTをERC20トークンにするのではなく、NFTプロジェクトをERC20トークンにします。
例
例えばCryptoKittesという猫NFTが約1400万円で売れたりする猫育成ゲームがあります。
1400万円で売れた猫NFT
これら猫NFTを取り扱うKITTYというプールを作成します。
■ ケース1
KITTYプールに所持している猫NFT#001を渡します。
すると$KITTYというERC-20Tokenが100貰えます。
猫NFT#001を返して欲しくなったら100$KITTYをプールに戻せば
猫NFT#001が返ってきます。
■ ケース2
KITTYプールに所持している猫NFT#001を渡します。
すると$KITTYというERC-20Tokenが100貰えます。
$KITTYの価値が1ドルだと仮定して、
Uniswapに100USDTと一緒に流動性提供し、LPトークンを受け取ります。
KITTY - USDTの流動性に需要がある場合、手数料を受け取ることが出来ます。
■ ケース3
KITTYプールには既に沢山の猫NFTが入っていたとします。
そのうち、猫NFT#005が欲しかったとします。
この場合、この猫NFTを手に入れる方法は3通りあり、ユーザーの都合の良いパターンを選択できます。
(1)
自分が持っている猫NFTのうち、不要なものをKITTYプールに渡し、100$KITTYを得る。
その100$KITTYをKITTYプールにて猫NFT#005と引き換える。
(2)
Opensea等で安い猫NFTを探してきて購入する。
購入した猫NFTをKITTYプールに渡し、100$KITTYを得る。
その100$KITTYをKITTYプールにて猫NFT#005と引き換える。
(3)
Uniswapから100$KITTYを買い、KITTYプールにて猫NFT#005と引き換える。
■ ケース4
色々やっている内にCryptoKittiesに飽きて、持っている猫NFTを全て売却したいと考えます。
しかし、NFTはその特性上、流動性が無いので、売ろうにも買取手が見つからない事が多々あります。
そこで所持している20匹の猫NFTをKITTYプールに渡し、2000$KITTYを得ます。
既に潤沢にTVLがあるKITTY - USDTプールがUniswap上にあるとします。
レートは1KITTY : 1USDTです。
2000$KITTYをUniswapで2000USDTに変え、無事に不要な猫NFTをFiatStableに換金できました。
何が嬉しいのか
まずはケース4によってこれまでNFTホルダーが苦しんできた
売りたい時に即座に売れないという問題が解決し、流動性が上がり、NFTの価値向上に寄与します。
また、ケース2のようにLPトークンを受け取れるということは
NFTでYFが可能になります。
他にも、レンディングなど、これまでFTで実現してきたDefiがNFTでも可能になります。
DEXに上場することによって市場原理が働き、そのプロジェクトのNFTの適正価格が分かるようになります。
とはいえ、問題はまだまだある
この仕組みの大きな問題点としては、プール内に価値の低い猫NFTが集まりやすく
極端に価値の高い猫NFTは実質この仕組みを利用できません。
例えば猫NFT#005はこれまでOpenSeaで100ドルで取引されていたとします。
しかし猫NFT#000は非常に珍しい模様な上、プロジェクトの初期に誕生し話題となった猫なので
10,000ドルで取引されていたとしましょう。
この猫NFTどちらをKITTYプールに預けたとしても
プールに価値を判断する仕組みが無いので、100$KITTYしか貰えません。
この問題の対策の一つとしては、NFTのパラメータでプールを分けるというのがあります。
例えばCryptoKittiesでは世代という概念があって、新しい猫が産まれると
親の猫から1世代進みます。
親の猫がGen3だったらその猫から生まれた子供はGen4という具合です。
基本的に世代が古い猫の方が希少価値が高く、高値で取引されます。
つまり、Gen0の猫が最も平均価格が高いです。
なので、KITTYプールではなく、Gen0KITTYプールを作ることにより、少しは回避できます。
あまり詳しくは無いのですが、そのようなことを既に実験しているプロジェクトもあります。
https://www.wrappered.com/
まとめ
NFT-20は現時点では問題もあり、メリットもそこまで大きくないです。
しかし、Crypto Worldの進化速度は目まぐるしく、日々、状況が変っていっています。
UniswapがDefiブームの足掛けになったように
将来、NFT-20がDefi × NFTブームの足掛けになるかもしれません。
(そもそもそんなブームは来ないかもしれません。)
おまけ 最近私がWatchしているものをいくつか
ここからはおまけです。
時間の許す限り紹介していきます。
空前の犬ブーム
$DOGEというたいした用途の無いコインが年初より最高値で80倍になっていることを筆頭に
犬に関連するコイン($AKITA $SHIBA $MAME…)が暴騰しています。
私もブーム前に遊び心で$SHIBAを買っていて
気づいた頃には60倍になってて即全売却しました。
これらは可愛いだけでほとんど価値が無いので注意して下さい。
coinlistのTokenセール
Flow所得で一躍有名になったFlow等のSaleをしているcoinlistのTokenセールです。
質の良い草コイン(パワーワード)のセールを定期的にやっています。
購入制限(1000$など)があるのでお金持ちの方々はあまり興味がないかもしれませんが
Flowを例にすると、約10万円分購入して現在含み益で4000万円ほどになっているそうです。
中々期待値は高いと思っています。
最近だとCasper(セールから170倍位?)やMina(100倍)のTokenセールもやっています。
昨日(今朝)もCloverというプロジェクトのセール夜中の2:00〜と5:00〜があり、私も参加しましたが買えませんでした。
注意点としては
・参加しても購入順がランダムなので確実に購入出来るわけではない(人気草コインは抽選の結果10%くらいの人しか購入出来ない)
・購入したTokenはだいたいすぐ売れない(40日〜2年くらいのロック期間がある)
・当然であるが、100%購入価格より高く売れるわけではない
Solana
先程のcoinlistのTokenセールで販売されたスマコンチェーントークンです。
Ethereumの処理性能が12〜15トランザクション/秒なのですが
Solanaは59940トランザクション/秒をテストで叩き出しています。
Visaが56000取引/秒で世界中の取引を捌いているそうなので、
世界中で使われるようになってもそれなりにストレス無い速度でありそうです。
また、このテストではトランザクションの手数料が0.00004ドルだったので
手数料もイーサリアムと比較するとジンバブエドルくらい安いです。
メインネットでもすごく安いです
Solana上でのDefiの構築も進んでいて、Raydiumで試しにFarmingをして頂くと
高速であることがご理解いただけると思います。
このRaydiumは最近出来たプロジェクトなのですが、私はPancakeSwapと似たような性質のプロジェクトで
今後、$RAYは伸びるのではないかと思っています。(ポジトーク)
Polkadot
インターオペラビリティの実現を目指しているPolkadotです。
インターオペラビリティとはざっくり説明すると
色々なプラットフォームチェーンが出来たけど、
それぞれを繋げようとする動きで
要はプラットフォームチェーンのプラットフォームの立ち位置を狙っています。
競合にはADAやCosmosがありますが、私はPolkadot派です。
Algorithmic stable coin
裏付け資産が無く、アルゴリズムでStable Coinを作ろうとする詐欺みたいな試みです。
Coingeckoの2020レポートでも言及されている
色々なアルゴリズムありますが、私はBasis Protocolというのが好きです。
BSCのSOUPSというプロジェクトでは沢山稼ぎました。
(現在はこのプロジェクトは瀕死)
ポンジスキームみたいな側面もありますが、
私はトークン供給のバランス研究し続けることで、最終的に
ステークホルダーへの還元(インカムゲイン)を
スマコンで自動化出来る仕組みになると思っていて
進化を期待しています。