ご愁傷様のご時世へ、さようなら

遠のいていた映画館に何年振りかに行ったら、とってもたまげた!

人と接しない機械化した映画館のシステムもそうだが、何てったって一番は「映画の予告篇」

何故ってそれは殆どの映画のメッセージは、もう聞き飽きてしまった人類の滅亡やら世界の破滅、はては騙し合いに殺し合いなどで、なんともいい気がしない。この世の中は一体どうしてしまったのだと不思議に思ったが、いつか読んだミヒャエル・エンデの「人間にはポジティブなユートピアが必要だ」という言葉を思い出し合点した。これでは人々がこぞってディズニーランドへ行き、アニメや漫画、人間味のない非現実なドラマや映画に夢中になるのが分かる気がする。

ご愁傷様である。

でもしょげる事ばかりではない。エンデのこの言葉がある。

「芸術がこの世界を健やかにする」

事実は時に鋭く突き刺さり受け止めきれない程であるが、どうやら「芸術」というのはユーモアを味方に、また多方面からその誠を映し出して、どうやら気付かず内に真実と対面させる力がようだ。

でもどういうわけか現代はリアリティーを追い求め、なんでも「まるで本物みたい」を目指している気がする。テレビゲームは工夫してそれっぽく見せているから面白いし、芝居は嘘だから安心して観られるのに、その状況が「本当」であっては想像力も枯渇し、楽しめないし困ると思う。だって生きていると誰だって辛くしんどい時があるから、非現実の世界も同じだとそりゃあ堪らない。

いつもお決まりの展開の映画「男はつらいよ」や漫画「サザエさん」が、長く続いているのは見ていて「安心する」からで、同じく馴染みのお店もいつもの味や人に安堵を求めていると思う。

さて前置きが長〜くなってしまいましたが、自分へのエールのつもりで「ポジティブなユートピア」を何が出てくるかお楽しみ!なごちゃまぜ鍋の如く毎日綴っていこうと思いますので、どうぞ気長に心広き深く、お付き合い頂けたら幸いで御座いまする。