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DMM3Dプリントを利用したProjectNorthStarの作製

ARヘッドセットを作ってみたかったので簡易版ProjectNorthStarを作製しました。この簡易版はexiiiさんが現在調達可能な部品での作製方法を公開しているものです。

上記リンクで部品の調達先なども全てリンクされています。
その通りにやれば問題なく完成させられると思いますので、このノートでは基本的な作製方法は省いています。
ただ、自前の3Dプリンターを持っていないのと、製作部品の発注先が複数になると少し面倒だったりしました
なので、製作部品は全てDMM3Dプリントで作製しました。
その内容と、その他気になった点などをまとめたので参考になれば幸いです。

目次

・3Dプリント部品発注(材質、費用、期間)
・プリント結果
・リフレクターの研磨
・組み立て
・まとめ

3Dプリント部品発注

3Dデータをダウンロード。(exiiiさんのページ部品表のリンク先からダウンロード可能です)DMM3Dプリントで3Dデータをアップロードしてマイ3Dプリントから注文に進む。

材質選択
注文に進むと下のような画面になり、一番安い金額が分かります(材料に応じて値段が変わるので)。

種類の欄で材料を選択します。今回はなるべく安く作るという方針で以下の表のような材質を選択しました。(材質選択、特にMJFについては下にプリント結果で気になった点も記載するので参考にしてください)

ちなみに、この表に記載したのは3Dプリント部品だけです。これ以外の必要部材はAmazonとホームセンターで購入しました。ケーブル類など自分の環境にあったものを選べばいいので人によると思いますが、Leapmotionを含め2~3万円ほどかかるんじゃないかと思います。

3Dプリント部品は注文してから9日目で受け取ることができました。

プリント結果

見た目はこんな感じです。
各パーツ軽く合わせると若干のズレがある部分もありましたが、やすったりするほどの大きなズレはありませんでした。強度も十分そうです。

Reflector Holderをよく見ると下の画像赤丸の部分リフレクター取り付け部分に剥離が発生していました。

Twitter上では同じ問題を観測出来ていないので誰も気にしていない、もしくは材質をMJFにしているのが原因かもしれません。ただ組み立て、使用上大きく困ることはなかったのでそのまま使用しています。

リフレクターの研磨

おそらく簡易版ProjectNorthStarの作製で一番の鬼門のリフレクターの加工です。exiiiさんの部品表ではアクリルを切削して研磨するようになっていますが、今回はクリアアクリルの3Dプリント品を研磨しました。

DMM3Dプリントから届いて研磨前のリフレクターは以下のような状態です。

3Dプリントではどうしても積層痕(画像の年輪みたいな痕)ができるので、写真で比較する限り切削加工の方が綺麗ですね。

まずは耐水ペーパー400で積層痕がなくなるまで磨きます。
磨き方はどんな風でもいいと思いますが、自分は下の画像のように小さめの円を描きながら移動していくような感じでやりました。

一見積層痕が見えなくなってきても、光に反射させると積層痕が残っているのが確認しやすいです。特に隅の方は積層痕が残りやすく重点的に研磨しました。
積層痕がなくなった状態は真っ白になります。

積層痕が消えたら耐水ペーパーを1000→1500の順に細かくして研磨します。
前の研磨でついた傷をより細かい傷に更新していく感じです。

耐水ペーパー1500のあと研磨剤をキッチンペーパーにつけて研磨すると透明感が出始めます。

研磨剤で消せないかなと思うような傷が隅の方に残るので、耐水ペーパー1500に戻って大きな傷を消してから研磨剤に戻るというのを繰り返します。
大きな傷がなくなったら研磨剤で磨くと小さな傷は残るものの使用可能な程度に透明になりました。

1枚のリフレクターの研磨にかかった時間は
耐水ペーパー400 : 3時間強
耐水ペーパー1000 : 1時間
耐水ペーパー1500 : 1時間
研磨剤 : 2~3時間
合計7~8時間
といったような感じだったと思います。

耐水ペーパーでの研磨をもう少し粗い番手のものから始めると時短になると思います。

研磨の方法についてまとめてる方がいらっしゃったのでタイミング的に自分は実践出来ませんでしたが、自分より綺麗に出来ていそうなので今後やられる方はこの方法でやると良いのかもしれません。

追記
切削品の研磨時間が分かりました。

切削品のほうが圧倒的に研磨時間は短そうです。
値段は数千円の違いだと思います。おとなしく切削品が良いのかもしれませんね。

組み立て

基本的な組み立て方はexiiiさんのページの通りなので、パッと見でよく分からなかった部分などのみ書きます。

・リフレクターへのミラーフィルムの貼り付け
「ミラーフィルムを貼る」と書いてあるのですが、一見ただのシートに見えるので「えっ?どうやって貼るの?接着剤いるのか?」と思いましたが、ミラーフィルムはシールでした。
ミラーフィルムの貼り付け面のフィルムは手で剥がせなかったのでテープ2枚で挟んで剥がしました。


・Reflector HolderへのLMC Holderの取り付け方向は左右で異なります。

まとめ

DMM3Dプリントを利用して簡易版ProjectNorthStarの作製をしました。
全パーツ合わせて7万円を超える出費、17~18時間程度の作業と考えると安いとは言えないですね。

自分はUnityなど触ったりし始めているもののソフト側の知識があまりなく具体的な目標が立てられなかったので、技術習得が捗りませんでした。
なので今回自分にとっては心理的ハードルが低いハード側の作製をやってみました。
作製していると「こんな風に拡張してみたい」「こんな使い方してみたい」っていう具体的な目標が見えてきたので今後のソフト面も含めた技術習得が捗りそうです。

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