二代派閥は、冊子にも現れる。

コロコロかボンボンか。小学生だった僕らのそれは連邦かジオンか、共和党か民主党か、テンテンか小沢なつきか、まるで踏み絵のように児童を振り分けるバイブルであった。

僕は8対2でコロコロ派だった。ダッシュ!四駆郎、かっとばせ!キヨハラくん、ビックリマン、おぼっちゃまくん、数々のレジェンド。対するボンボンからは、超戦士ガンダム野郎、聖戦士ロビンJr.…たぎる男児のバトル…。

僕らは絢爛たる作品たちの虜になり、トリコロールのように身体の中身が塗り替わったものだ。もちろん島袋光年先生のトリコはまだ影も形もない。当時の僕にとっての漫画体験は、小説を通して想像力が養われるのと同じくらい、魂を重力に引かれて飛ぶことができない僕を大気圏外に吹き飛ばしてくれた、ビヨンド・ザ・タイムのような経験に他ならなかった。

さて、そんな遠い日の記憶、夏の日の1989を口ずさみたくなる時間が戻ってきた。どういうことか?実は、先ほどのコロコロのラインナップに首を捻った方もいるだろう、おや?あの作品に触れていないな、と。そう「つるセコ」のキラーワードで一世を風靡した、セピア色の記憶も光り輝く作品…

「つるピカハゲ丸」とのむらしんぼ先生である!

安心して欲しい、それは伏線、いわばフック船長。いま僕の手にある、幸いなことに左手も健在な手にある「コロコロ創刊伝説」への航海へのいざないなのだ。のむらしんぼ先生が齢60にして自分にしか描けない、自分が描かなきゃいけないと感じてペンを取った本作。先日、数々の素晴らしい昨日を遺して鬼籍に入られた水島新司先生のことを思うと胸が熱くなるのは何故だろう。水島先生の連載誌とは違うが、きっとその答えは、この創刊伝説の旅で見つかる筈だ。

コロコロ創刊伝説。

ドキュメンタリーのはじまりだ。

これはきっと!もうけたぜ〜

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