ネパール生活記🇳🇵2
朝目が覚めるとまだ、外は暗闇に包まれていた。時刻は5時45分。なんて健康的な生活なのだろうか。やはり人間は朝起きて夜寝るべき生物なのだと実感することができる。
すこぶる体調がいいからだ。
ここでは朝にお茶を飲む習慣がある。私もそれに習い、お茶をいただく。言わずとも美味だ。
日本もぜひ見習うべき、いや、もう一度復活させるべき習慣なのかと思う。1日がこんなにも良くスタートできるのだ。
ネパールの人々は朝から元気だ。皆せっせと仕事をしたり、元気良く遊んでいる。そんな彼らにある種嫉妬をしながらも、私もまだ目覚めていない脳みそを必死に叩き起こす。
今日は近くの有名観光地に連れて行ってくれるみたいだ。私を思ってくれるその心意気だけでここに来て良かったと思える。素敵な国だ。
バスに乗ると、すでに人がいっぱいで人混みをかき分けながら奥に進んでいく。
ネパールは他宗教の文化がある。町を見渡せば、多くの寺が存在している。しかし、それが仏教のものなのか、ヒンズー教のものなのかは宗教に疎い日本人には一目で判断できなかった。
しかし、ここまで一神教の国にいると、嫌でも興味が湧いてくる。仏教はどこか見慣れた姿があるが、ヒンズー教やイスラム教などはその姿から習慣まで謎に包まれている。
どこの国に行っても彼らの生活の基盤には必ず宗教が存在している。日本で育った者にとってはよくわからないだろうが、マイノリティーなのは間違いなく日本なのだろう。
よく聞かれる質問に宗教があるのもそれをよく示している事例の1つなのかもしれない。
たくさんの寺を見ているうちにふと、不思議なことに気がついた。私がご一緒させてもらってる方々は皆仏教徒だ。しかし、ヒンズーの寺に行ってもなぜかお祈りのようなことをする。
「ん?」私の感覚だと、自らが信仰する神以外にお祈りをするなんて冒涜ではないのかと思ってしまう。
しかし、調べてみると、ここカトマンズは不思議な地域であり、チベットとインドを結ぶ中継地点という事で、昔から共存をしてきたとかなんとか。
果たしてこれだけの理由なのかは今だによくわからないが、今後の物差しにはなるのではないかとは思っている。
そんなこんなでフラフラしたり、ネパール人とコミュニケーションをとっていると皆口を揃えて「ムスタン」という言葉を出すことに気がついた。
「ムスタン」に行ったほうがいいと。あまり下調べをしてこなかった私にとってはなんの話かよくわからなかったがどうやらすごくいい場所らしい。
私はWi-Fiをゲットした途端に気になり調べた。
調べてみると「幻の王国」「禁断の地」「約10年前まで鎖国状態」「絶景」
もう私にはこれだけで十分だった。
この言葉の響きが久しぶりに私の心を動かしたのだ。
友人に相談し、なんとか手配してもらい、ネパール人3人と私の4人での出発が決まった。
この時はその先に待っている過酷な道のりがあることをまだ知らない。