今宵のシンデレラ城は伏魔殿!ニューヒロイン朝比奈ゆり南3局の息詰まる攻防
やあどうも、アルパカです。
前回、2024年7月5日(金)分の公式観戦記は読んでいただけましたかな?
めちゃめちゃ攻めたタイトルで、みなさんのタップを誘いつつ、本文の冒頭いきなり言い訳からスタートするっていう構成にしてみました。読んでもらってナンボの世界なんでね。たまにはこういうのもアリかな、と…。
あと、この時シンデレラファイトのオープニングムービーを初めてフルで見まして、あまりのクオリティーの高さに感動したこともあって、サムネをこの画像にしました。最後は約10万点もの差が開き、明暗分かれた2人を両方紹介できて、観戦記者としては満足です。
というワケで、今日はGroupC♯1のこぼれ話というか、公式に収まり切らなかった部分を書き切りたいと思います。
以下、常体・敬称略で。
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今日のアルパカnoteは、シンデレラたちのギャップを味わってもらいたいので、本当に紹介したい南3局1本場の前に、まずは東2局0本場の成海有紗の選択から。
状況としては、対面3着目の廣岡璃奈から先制リーチを受けてる場面。カン7mを引き入れて、36s・白の変則三面張テンパイになったものの、その場合出ていくのが通ってないドラの6mなんだけどどうしよう、というものだ。
麻雀をしたことある方なら分かってもらえると思うけど、リーチや仕掛けに対してドラを切るってのは本当に勇気のいることで。
ボクはつい先々月の雀王戦D3リーグでドラを打ち、それがリーチ・一発・表ドラ3・裏3の16000を放銃となって、ショックのあまり帰りの新幹線で指定座席を3回間違えた。3回だぜ。
切符を手に申し訳なさそうに話し掛けてくださった3人の方(+車掌さん)のことは、2ヶ月経った今でも、まるで昨日のことのように覚えてる。新幹線のみなさん、あの時は本当にごめんなさい。
で、話は成海の選択に戻って、彼女はこの手をリーチとした。本人に聞いたワケじゃないけど、理由は3つある。
■(12000や18000も見込める)7700以上をテンパイしたから。
■36s・白待ちに手応えがあるから。
■まだ東2局で、仮に放銃になったとしても、この後取り返せばいいから。
この追いかけリーチが実らなかったからこそ、公式の観戦記ではカットしたんだけど、成海有紗の【強い決意】を感じることができて、とても印象に残ったシーンだった。
ちなみに、なんで実らなかったかというと、先行リーチの廣岡璃奈が3000・6000をツモったからで、そっちはスクショも含めて公式に掲載した。ただ、この件はこの件で1つだけ書いときたいことがあって、
みなさん、↑のAと↓のBの違いが分かるだろうか。
■Aはツモ牌が斜めになってるのに対し、Bのツモ牌は真っ直ぐで、
■Aの裏ドラ表示牌が表ドラ表示牌と平行に並んでいるのに対し、Bの裏ドラ表示牌は垂直に並んでる。
が正解だ。
当たり前だけど、公式にはBを採用してる。見栄えは大事だからね。
スクショへの熱意と言えば、このシーズン3で初めて観戦記を書いてるっていう、最高位戦の神尾美智子プロのスクショは上手だったなあ。
いや、ボクも一応登場シーンは押さえてる。押さえてるんだけど…
①↑のAを使う
②↓のBを使う
③両方とも使う
④両方とも使わない
の四択になった場合、どうしても④を選んでしまうんだよナ。とても守備的な選択だ。地獄待ちもケアしちゃう。
ここはアルパカnoteであり、なおかつこのスクショはボクの中の最高傑作だから出してもいいだろうという判断で。
ちなみに、この他は半目とかだから、絶対オープンにできない。ダマだ。ここはダマだぞ、アルパカ。
さて、アルパカのダマを感じてもらったところで、次は朝比奈ゆりのダマをご覧いただく。先述の成海の話と一緒で、南3局1本場での判断とのギャップを感じてもらうための前フリとして。
南1局0本場、2着目親番の朝比奈に、役なし・ドラなしのカン7s待ちテンパイが入る。
①リーチ
②ダマ
③テンパイ外し
選択肢は複数あった。
そんな中、朝比奈の選択は②ダマだった。で、そのままツモ。700オールとなる。
実はこのダマが非常に優秀なダマで、
裏ではラス目の高島芽衣が虎視淡々とねらってた。もし朝比奈がリーチとしていれば、一発消しのポンチーが入ったあと、高島の炎の押し返しでドラマが生まれた可能性も否定できない。
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ここまで2129字の壮大な前置きがあってからの、いよいよ本編だ。南3局1本場を見ていこう。
まずは、ラス目親番高島がドラの北をポン。場に緊張が走る。
視聴者目線では、高島が自風の東を頼りにした、いわゆる「バック仕掛け」だということが分かるだろう。
朝比奈は、南1局0本場で見せたような慎重な打ち回しで、役牌の白や發を絞り気味に進行。ソーズに寄せてるのも、決して偶然なんかじゃなく、その方が役牌をギリギリまで手に留めておけるからなんだと思う。賢いなぁ。
白や發が当たるかどうか、ポンされるかされないかじゃないんだよ。考え方とか手組みの方針が秀逸なんだよ。
高島サイドから考えて痛恨だったのは、下の4pチーと、この後の9m空切りで
■ホンイツ
■トイトイ
の2本の線が消えたこと。ラス目のドラ3仕掛けが、絶対役牌バック(暗刻もあるけど)に絞れたことは、やっぱり大きい。大きすぎる。
この後の、高島包囲網が圧巻だった。
まずは朝比奈の手牌。小学生が学校で世話してるアサガオみたいに、ジョジョに奇妙に育っていく。道中、白や發が切れるようになったことも、高島的には痛かったし、朝比奈には利した。
ちょっと見にくいけど、下のスクショは、成海が東をつかんだ瞬間だ。前フリの感じでいくと、ドラ勝負の要領でエイヤッ!と打ち出してもおかしくない。ポンまでなら許す!って考え方もあったかもしれない。
しかし成海は、
一瞬ツモ切るかと、視聴者をハラハラさせてからの、
(やっぱ切るのやーめよ。)
この演出はニクい。ドリフのオチで、上からタライが落ちてくるような。散々モノマネした後で、後ろからご本人が登場するような。そんなTVショー的演出をなぜキミが。
ボクの同期(プロ4年目)なのに、いつの間にこんな技を…。
もしや、このシンデレラファイトがMトーナメントの裏番組だって意識があるのかもしれない。おいおいおいおい、レベル高いな。スリーポイントが決まり出した三井寿よりもキレッキレじゃないか。
一方で、ラス牌の東は廣岡の手に収納された。こっちはエンターテイメントしない。行く理由がないからね。
一方、朝比奈ゆりのメンホンも順調そのもの。場風の南を暗刻にして、メンツ手とトイツ手を天秤にかける。
ここまで、たくさんのスクショを使って朝比奈の手牌を追ってきたけど、12巡目ついにテンパイが入った。やった。すごい。鳥取県にスタバができたくらいすごい。知らんけど。
(これで高島さんの12000かわしたらデカいねー。)
なんて呑気に眺めてたボクは、耳を疑った。二度見ならぬ、二度耳した。
朝比奈『リーチ。』
ボク『リーチ?………あーそうか!』
親番のとき、役なしテンパイをダマに構えて700オールにした慎重派が、なぜいきなり12000仕掛けに対抗してリーチなのか。ここに朝比奈ゆりの強さの秘密があったのだ。そうなのだ。
端的に言うと、今まではおしとやかに進行してたけど、ハネツモ・バイツモできたら、こりゃトップ目指してめくり合うわ、と。そういうことだった。
ここで3000・6000は3100・6100をツモれば、15400詰まって、トップ目の廣岡まで3300点差になるから、南4局を伏せさせることなく五分以上の戦いができるし、もし裏裏が乗ったり直撃が取れたりすれば、一気に逆転してトップ目でオーラスを迎えることができる。
しかも、仮に高島に12000放銃したところで、その時ラス目になる成海とは14400点差だから、今度こそこんな大勝負せずとも、安全運転で乗り切れる公算が高い。
打ち慣れてんなぁ。
予選で園りさを見つけた時とは、またジャンルの異なる感動で胸がいっぱいになった。
高島のツモ切りが朝比奈の当たり牌の近くをすり抜ける。朝比奈のパンチを高島がスウェーバックでよけてるみたいでもある。
この局の結末は流局。だからこそ公式ではカットしたし、アルパカnoteで詳しく掘り下げたかったんだよなあ。
おつき合い、ありがとうございました。
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成海有紗さん・朝比奈ゆりプロ、♯1・♯3と長時間に渡る放送対局、お疲れ様でした。Best16もぜひ頑張ってください。