青い翔平のこと
「ショーヘー!ショーーヘーー!」
「ウオー!青いショーーーへーーー!」
みなさんが騒ぎたくなる気持ちは分かる。
でもさあ、それで得られるものって結局ゆりやんレトリィバァが爪切ったことくらいなんですよ。確かにニュースバリューはあるんだろうけど、それって本当に1億2000万人で熱狂するほどのことなんだろうか。
ボクレベルの真のジャーナリストが追うショーへーは原田翔平さん。バックが青いカーテンで麻雀してんだから、正真正銘の青い翔平です。先月第22期雀竜位決定戦において、真田槐さんと競りながら最後は及ばず涙を飲んだ、日本プロ麻雀協会関西本部の至宝。知らんけど。
■派手なオープニングアクトがなくたって
■チャンローの決勝戦と裏かぶりしてたって
■あわら温泉でパブリックビューイングしてなくたって
■おっぱいが大きくなくたって
■実況が日吉辰哉さんじゃなくたって
見る者を熱狂させる、真の価値がある、そんな麻雀を打つんです。アルパカnoteなんか読んでるみなさんは、麻雀ライト層じゃなくて麻雀ガチ勢だよ。絶対こっちも知ってた方がいいぜ。
そして今日の主題なんですけど、第4期関西雀王決定戦の原田さんを見に行ったところ、そこでまた新しい出会いがあるんです。みなさんもボクのジャーナリズムを見習って、新しい世界を広げる物の見方した方がいいですよ。今風に言うとオヌヌメ。オヌヌメキボンヌシソンヌ。
以下、常体で。
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ボク目線で言うと、原田翔平さんが3人の知らんオッサンと麻雀してた。そして、知らんオッサンたちの麻雀がたまらなく面白かった。勉強になった。noteにまとめたくなったくらいに、だ。
唯一知ってる原田翔平さんがトップ目で迎えた2回戦南3局0本場、まず知らんオッサンAである中本裕也さんが魅せてくれる。
メンホン・小三元の一向聴と見ることもできるし、大三元の二向聴と見ることもできる手牌。中本さんのことをよく知る実況・解説の方々は、中本さんが大物手を好む選手だと教えてくれた。あるいは、ポイント状況的に、優勝を目指すなら大三元に仕上げろよ、という叱咤激励の意味もあったのかもしれない。
実況解説にそんなこと言われてるなんて知らない中本さんは、上手い妥協点を見つけ出す。カン5sチーだ。もし中本さんが普段大振りしてるのだとすれば、このカン5sチーは機敏で素晴らしいプレーだと思う。シャンポン待ちの發・中はともに1枚ずつ切れており、例えばこの2回戦ラス目の山代さんから出た時は見逃して、2回戦2着目の新田さんやトータル首位の原田さんから出た時だけ和了るって考え方もできる。すごい、すごいよ中本さん。アタマヤワラカイネー。
さて、この發・中の行方がまた面白いんだけど、トータル首位の原田さんが1枚。
トータル2位の山代さんがすぐに1枚引いてきた。つまり山にはゼロだ。どうするんだよ、中本さん。
發は原田さんが押さえ、中は山代さん、そして白は新田さんが持ってきた。新田さんが最初に勝負する。打白。
「カン!」
ダイミンカンというプレーは、心の事前準備が必要だ。というのも、ポンやチーとは異なり、しなきゃしないで別に困らない。なんなら白のカンなんて、したら發や中の警戒度が上がりそうで、したくないって人の方が多いかもしれない。
しかし中本さんは、その思考を逆手に取って、ここで伝家の宝刀を抜いてきた。おいおいすごいじゃないか。今までどこにいたんだよ中本さん。もしTwitterやってたら、おはようのリポストしたいぞ。おはリポー。
このダイミンカン、原田さん・山代さん目線で考えてみよう。
■トータル4位・この半荘3着目の中本さんが白のダイミンカンやて?
■白のみの聴牌から新ドラねらいに来たんかワレ?
■今は3900やけど嶺上開花つくと8000になるとかかコラいてまうど?
実況の夏月美勇さんはやや不満そうだったけど、ソモソモこの發を止めてるようなら、原田さんはここまでの11回戦で+254.9ptものポイントを積み重ねることができないんだよな。解説の田村翔梧さんは間髪入れずに「山代の親が流れるならまあいいってことですかね。」ってフォローしてて人間力がさすがだった。この解説は、ダイミンカンの発声より難しいよ、田村さん。
そうやって、原田さんの手から發が放たれたのだった。山代さんは助かったよなぁ、コレ。もし原田さんが發打たなかった場合、山代さんが中打ってたのかどうかも見てみたい。
「ロン、12000。」
名局に終止符が打たれた。やさしいズの先生コントより面白い。
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次は1局戻って、南2局1本場を見ていく。もし時系列に並べてたらオッサンAの座を射止めてたはずの、でも今はオッサンBである新田友一さんだ。
新田さんは、白を仕掛けてホンイツの聴牌を入れる。待ちは2s8sのシャンポンで、決していいとは言えない。ここに…
ツモ3sと来て、さあ何切る?そうだよねえ、2sだよねえ。
えー、コホン。せやな、2sやな。2sしかありゃしまへんわな。
ところが、新田さんはこの3sをツモ切り。健康麻雀教室の生徒さんだったらそれでいいかもしれないけど、プロが関西雀王決定戦で14s待ち分からんかったんかシバキ回すぞ?って思うじゃない。でも違うんだよな。
新田さんの真のねらいは、この変化。よく見ると場に1sが3枚見えてて、14s待ちに魅力がないことが分かる。新田さんは、ソーズの下はこのままにしておいて、ソーズの上でいい待ちを探したかったのだ。
おいおい、新田さん。強いじゃないか。ピンクのネクタイはKADOKAWAサクラナイツ入りを意識してますか?ニッシブ?ニッポリ?
最後はキッチリ6sツモ。なでしこJAPANのキーパーよりえらい。
ナイチンゲールダンスの漫才よりも素晴らしい和了りだったので、思わず牌図を作ってしまった。スクショだと白のポンが見えないんだよなぁ。
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1コ目・2コ目とクロウト好みの選択が続いたところで、最後の3コ目は派手な立直をご覧いただく。
まずはオッサンAの中本裕也さん。南3局の時に実況解説が言ってたように、大物手を仕上げる人みたいだ。さっきは大三元で、今度は四暗刻。
さっきの大三元を小三元で妥協したみたいに、今回もツモ6pで四暗刻と決別することになった。でもね、みなさんにぜひ伝えておきたいのは、前巡下家の原田さんから打たれた1mをスルーしてるところ。俺じゃなきゃ見逃しちゃうねぇ!!!
ポンテントップではなく、ギリギリまで役満の夢を追った中本さん。厳かに立直を宣言す。まじでサムライ。
さて、その立直を受けて、最後のオッサンCが動き出す。この2回戦ラス目であるものの、トータル2位につけてて第4期関西雀王を虎視眈々とねらってる山代直毅さんだ。
実はこの山代さん、5巡目6巡目の1sはあえて対子落とししてる。これって倍満引きにいくビーストな手組みなんだよな。俺じゃなきゃ見逃しちゃうねぇ!!!(2回目)
この記事のどこかで1回書いたけど、本当にMリーグよりも面白い。関西雀王決定戦は来期からABEMAでやってほしい。
そんなワケで、ビースト山代さんは、バルクアップリーチを敢行。そして、芸術点が高く三色になる方の5pを一発でツモ和了り。
話がブレるから広げないけど、この倍ツモの陰にはオッサンB・新田さんのミラクルストップ(1m放銃回避)もあるなどして…。
立直・一発・ツモ・タンヤオ・平和・三色・ドラ1でキッチリ4000/8000。
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動画も残ってると思うので、よかったら見てください。
最後になりましたが、第4期関西雀王に輝いた原田翔平さんおめでとうございます。
山代直毅さん・中本裕也さん・新田友一さん、熱戦をありがとうございました。お疲れ様でした。