会社設立と本店所在地
会社設立時の本店所在地の決め方と注意点
この記事では、事業立ち上げに合わせて新しく会社を設立する際の、本店所在地を決める際の主に法的な注意点を紹介します。
■本店所在地とは
「本店所在地」は、個人でいう「戸籍」に相当します。
個人の「住所」に相当するのが、「事業所」「営業所」等でしょうか。
本店所在地には2種類あります。
・法人登記に記載する本店又は主たる事務所の所在地
・定款に記載する本店の所在地
「法人登記」で使用する所在地では、番地まで記載する必要があります。
他方、「定款」に記載する所在地では、市区町村まででも問題ありません。例:東京都港区
定款の場合、市区町村までにしておくことで、同一市区町村内で引っ越した際に、定款変更しなくていいメリットがあります。
以下、両方をまとめて本店所在地と呼びます。
■本店所在地によって何が変わるか
①会社の活動拠点となる
本店所在地は、会社が実際に事業として使用している場所である必要があります。
②管轄する行政区(法務局、税務署、各種届け出先自治体)が決まる
会社に関する手続きは全て本店所在地を管轄する法務局で行います。
登記簿謄本や印鑑証明の取得等はオンラインでもできるようになりましたが、役員選任、増資、事業目的の変更等、登記を変更する際に、法務局とのやりとりが生じる場合もありますので、基本的にアクセスしやすいところを設定するといいでしょう。
③社名(商号)が使用できない場合がある
同一の本店所在地(法務局に登記する所在地)では、同一の商号(社名)が使用できません。
■本店所在地を決める際の注意点
会社所有の不動産がある場合は別ですが、基本的には賃貸借になると思います。
会社の本店所在地は事業を行う場所ですので、賃貸借契約の目的に「事業用」が含まれていることを確認ください。
最近は「登記可」をうりにしているコワーキングスペースやレンタルスペースもありますので、それらを活用することも可能です。
ただし、本店所在地には「株主名簿」や「株主総会議事録」を備えおく必要がありますので、個室や鍵付きキャビネットなどが必須です。