フルート・ピッコロにG-Aトリルを書いてしまった時は?
今日も元気にトリルしていますか? こんにちは、作曲家の中迫です。
フルートやピッコロにG-Aトリルを書いてはいけないというのが様々な教本に書かれていることは皆さんご存じの事と思います。
しかし、この音が欲しいときや、うっかり書いてしまうこともありますよね? うっかり書いてしまうのは避けたいことですが、有名な曲にもG-Aトリルは出てきます。つまり、吹けるシチュエーションが存在するわけです。
ドヴォルジャーク「新世界より」、バーンスタイン「キャンディード序曲」、Rシュトラウス「ツァラトストラはかく語りき」などで出てきた記憶があるほか、私の曲でも結構出てきます。
そういうときの対処法を、いくつか紹介したいと思います。
具体的には以下の通りです。
1. トリルをやめる、オクターブ下げる、ピッコロに持ち替える
2. 運指はあります
3. G-Aトリルが吹けるフルートが存在する
1. トリルをやめる、オクターブ下げる、ピッコロに持ち替える
奏者から無理と言われた場合、まずは妥協をすることを考えましょう。吹奏楽などでEsクラが重複している場合はトリルを取ってしまうなどの選択肢が考えられます。
静かな楽想ではオクターブ下げてしまうこともよくやります。また、フルートのG-Aをピッコロで吹けば、特にレコーディングでは問題にならないことも多いです。
ピッコロにG-Aトリルが出てきた場合はこの方法は使えないことが多いので、次に行きます。
2. 運指はあります
ピッチに難はありますが、G-Aトリルの運指はあります。よく使われるのは、Gの運指でGisキーとDトリルキーを押す運指だと思われます。このほか10ほどG-Aトリル運指はありますので、調べてみて下さい。自分の楽器でピッチの良い運指を見つければG-Aトリルは吹ける、と言うことになります。
友人のフルート奏者に聞いたところ、レコーディングなどではG-Aトリルは結構出てくるそうで、気合いで乗り切るそうです。
先ほども述べたとおり私の曲でも結構出てきますが、仲の良いフルート奏者は全員吹いてくれます。嫌な顔をしながら。
3. G-Aトリルが吹けるフルートは存在する
そもそも何故G-Aトリルが出ないかというと、Eメカという機構が従来のG-Aトリルの運指を阻害するからです。つまり、EメカのないフルートならG-Aトリルは簡単にできます。
Eメカがないと3オクターブ目のEが当たりにくくなりますが、サンキョーフルートのニューEメカなら、Eが当たりやすく、G-AトリルもAが若干低くなりますが出来ます。
Eメカが付いているフルートの場合は、G-Aトルキー、またはCisトリルキーがあれば、G-Aトリルが簡単にできます。Cisトリルキー付きのフルートを持っている友人がいますが、嫌な顔をせずにG-Aトリルを吹いてくれます。
最後に、若干マニアックですが、GisオープンのフルートもG-Aトリルは出来ますが、奏者人口が余りにも少ないので考慮しなくても良いでしょう。(私には友人の知人に一人だけGisオープン奏者がいます)
ということで、今日はフルートのG-Aトリルについてでした。