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好きを言葉にする【建築】

言葉にするのが苦手な僕が表現力を鍛えるコーナーであり、読んでくれた人を僕の好きなもの沼へ片足の小指を浸けてくれることを願うコーナーです

建築が好きです

最近、建築好きな人に出会った

建築施工管理の仕事をしているにも関わらず、建築に対して愛を持っている人は少ないと思う

少ないどころか今まで出会う事は片手で数えるほどしかない

設計職に就いているならばそのような人は多くいるのだろうが、現場を動かしている人たちはあまり建築というものに対して興味が少ないようだ

もちろん、仕事としてプライドを持ってやっている人たちなのでそんな人たちに囲まれて仕事をするのはとても楽しい



話は戻って、『建築が好き』という話

学生時代の友達以来の建築好きにびびってしまったのでバーっと喋ってしまった
人との会話で建物の設計者の名前を出すことが久々だった

僕は決まって「好きな建築は?」と聞かれると、『美術館』と答える
美術館だけで無く、博物館、ちょっと違うかもだけど水族館等も含まれる
美術館の建築ってたまらんのですよ

その人もまさかの美術館良いよねっていうような人
荘厳な空間に対する尊敬とそこに至る発想が好きなよう
わかる。



ところで、なぜ僕は建築が好きなのか




アイコニックであること
長野県立美術館を例に


多くの美術館の建築はアイコニックであり、その地域の伝統や美術館の収蔵品、オーナーの意向、設計者の意向等が顕著に現れる点やすい

よってコンセプトが通った建築になりやすい点が挙げられる

長野県立美術館

長野県立美術館は城山公園という公園の一部に建っており、正面には善光寺という大きなお寺がある
長野県はアルプス山脈を含んだ山々が特徴的な県である
その山々の盆地に街が形成され、山の恵みを受益することで経済圏が確立されている

この建築の素晴らしい点は伝統ある公園やお寺の前に建つものであるにも関わらず、現代建築のスタイリッシュさと大らかに受け入れる機能を有していることにある

伝統的であるが故に保守的でもあり、革新を持つものは選択されないということが起こってしまう

伝統は大事であるがもっと大事なのはそこに住む人や活用する人に受け入れてもらえるかどうかがある

長野県立美術館は城山公園のスケール感を上手に落とし込んだ建築を作り上げている
公園内の高低差を活かした建物の構成で、特に渡り廊下の作りは圧巻である



写真とともに思ったことを綴る
写真はフィルムで撮っており、より光と影の関係性を写す

建物正面
右手が正面入口、真ん中の渡り廊下を挟んで左側画角外に東山魁夷館
正面玄関側から見た東山魁夷館
敷地の段差に沿って作られたスケール感がフィットしていて素晴らしい
美術館内から見た城山公園と山々
公園内も身体スケールに合わせたパーゴラやアートがあり、空間がキラキラしている
美術館内の展示
廊下や階段に置いてある
建築屋としてはパネル目地とタイル目地が合っていないのは気になる(普通はそこまで労力をかけられない)
階段、奥に善光寺
この光を通す様子がたまらない
サッシの太さ、手すりの太さ、質感等全てのバランスが整った空間
階段内側
特殊な長尺シートとのこと
カラフルで可愛く、空間に程よい遊びとキラメキを与えてくれる
外部より善光寺正面
外部にテラス席があり、お酒も楽しめるようだ
外部通路
光と影の関係が良い
内部エントランス部分
美しく空間的にも3次元に階段や廊下が入り組んでいて楽しい
渡り廊下への接続箇所
この直線で構成された空間に丸い石は安心感を与えてくれる
かわいい
東山魁夷館水盤
水盤を反射する水
天井は化粧ケイカルみたいな素材館
館内の吹き抜け
この建築は天窓からの光を取り込むのが上手で、時に間接光として柔らかく空気を照らす
正面玄関の看板
フォントが良い
外構と建物の納め方
スチールと石パネルと砂利石
生えている雑草さえもアクセントになるくらいの完成度
裏口
カフェがあり、軒下で楽しむこともできる
軒は結構厚みがあるにも関わらず支えている斜材は細くスタイリッシュにまとまっている
渡り廊下を上から
美しい造園
緑とガラスと水と外装パネル
メリハリがあって気持ちが良い
霧のインスタレーション
渡り廊下からも鑑賞することができる
たくさんの人が集まっていて良かった
みんなカメラを向ける
渡り廊下と外側との関係性が生まれていた
霧のインスタレーションによってその関係性が刻一刻と変化していた
彫刻作品
ただただ美しい



造形やコンセプトに優れた作品は地域のアイコンとなる

そしてアイコニックな建築は地域に開かれ、愛されていくのである
人を受け入れるだけの力があるのだ
事実近くの公園では親子連れがたくさん遊んでいた

長野県立美術館自体の建築も、細部まで納まり良く施工してありとても愛を感じた


僕は愛がある建築が大好きだ

Q.なぜ僕は建築が好きなのか
A.そこに愛があるから

ちょっと壮大過ぎないか?


何はともあれ、長野県立美術館に是非とも足を運んで欲しい

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