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わたしは、釜石が好きだ。

2018年8月19日から3年。
釜石鵜住居復興スタジアムが開場して3年となります🐯

あの日、スタジアムにお越しいただいた6,530人の方々、そして、日本中、世界中からご支援いただいた方々と共に大海原に漕ぎ出した #うのスタ #釜石鵜住居復興スタジアム

なかぴーは毎年この日に、この #キックオフ宣言 を読み直すことにしています🐯

未来への船出

わたしは、釜石が好きだ。
海と山に囲まれた、自然豊かなまちだから。

わたしは、釜石が好きだ。
空気も人の心も、温かくて綺麗なまちだから。

わたしは、ラグビーが好きだ。
中学2年生のとき、
2015年のラグビーワールドカップ
イングランド大会を現地で観戦して、
スタジアムの雰囲気とその迫力に圧倒されたから。

わたしは、ラグビーが好きだ。
試合後、ファン同士が敵味方関係なく握手をし合い、
一緒になってゴミ拾いをしている姿に感銘を受けたから。

7年前の3月11日。

小学3年生だったわたしは、算数の授業を受けていた。
防寒着を着て、校舎の5階へ逃げた。
土砂崩れが起きて、もっと高くへ逃げた。
うしろを振り返れば、
鵜住居を飲み込む津波が見えたかもしれない。
けれど、わたしは「とにかく逃げなきゃ」と焦っていた。

たまたま通りがかったトラックに乗って、
まちの体育館へ避難した。
1列に並んで2人ずつ分けたおせんべい。コップ一杯の水。
そのときの自分の気持ちはうまく思い出せない。
数日経っておにぎりを1つ食べたときに、
生きていることのよろこびを
じんわりと感じたことは憶えている。

2019年。
大好きな釜石のまちで、
大好きなラグビーの国際大会が行われる。
そして、このスタジアムは、完成した。
そして、釜石は、世界とつながる。

いま、わたしがしなければならないことは、
あのとき、釜石のために支援をしてくれた
日本中の、そして世界中の方々にあらためて
感謝の想いを伝えることだと思う。

このスタジアムがあったのは、
わたしの小学校があった場所。
入学するはずだった中学校があった場所。
そして、離れ離れになってしまった
友だちとまた会える大切な場所。

今日は、そんな想いのつまったスタジアムが生まれた日。
日本中の釜石を愛する人たちと、
世界中のラグビーを愛する人たちと、
この日を迎えられたことを祝い、そして感謝したい。

Thank you everyone in the world for your support.
We have recovered and will move onwards from the earthquake.
We are looking forward to seeing you in Kamaishi next year.

このスタジアムはたくさんの感謝を乗せて、
今日、未来へ向けて出航する。

2018年8月19日
釜石高校2年 洞口留伊

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うのスタ研究家の🐯なかぴーしらべによると、
「当日の岩手日報さんに全面広告として掲載された文章」
と、
「実際に読み上げられた文章」
ではほんの少しだけ違う部分があるのですがお。

ここに記したのはなかぴーが聞き取った「原文まま版」🐯
洞口さんから「当日の朝まで何度も原稿に手を入れたんです」と聞いたことがありますがお。

実はもうひとつあるのですがお🐯

『釜石鵜住居復興スタジアム』(2019年/釜石鵜住居復興スタジアム ブック製作チーム/小学館)

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こちらにも洞口留伊さんの『未来への船出。』が記されているのですがお。

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未来への船出。

わたしは、釜石が好きだ。海と山に囲まれた人の温かいまちだから。わたしは、ラグビーが好きだ。ラグビーワールドカップ2015イングランド大会で初めてラグビーを観戦したとき、その迫力と会場のファンの雰囲気に感銘を受けたから。
2019年、大好きな釜石のまちで、大好きなラグビーの世界大会が行われる。そして、釜石は世界とつながる。いま、私がしなければならないことは、あのとき釜石のために支援をしてくれた世界中の人たちにあらためて感謝の思いを伝えることだと思う。そして、私がイングランドで感じたように、まちを盛り上げることが大切だと思う。
このスタジアムが作られたのは、私の小学校があった場所。入学するはずだった中学校があった場所。そして、震災で離れ離れになってしまった友だちと、また会える大切な場所。日本中の釜石を愛する人たち、そして、世界中のラグビーを愛する人たちと、このスタジアムが生まれたことを祝い、そして感謝したい。

洞口 留伊(釜石高校3年)


Departing for the future

I love Kamaishi, because it is a city of warm people surrounded by the ocean and mountains. I love rugby, when I saw a rugby game for the first time in England at the Rugby World Cup 2015, I felt so moved by the excitement and the fans' energy in the stadium.
       In 2019, in this city that I love, a major world championship in rugby will take place. And Kamaishi will connect with the world. I believe what I need to do right now is to once again communicate my gratitude to the people around the world who support Kamaishi back then. I also believe it is essential that we build excitement in our city, just the way I experienced in England.
       The stadium was build on a place where my elementary school used to be, where the junior high school that I was supposed to enter used to be. It is also an important place where I will be reunited with friends from whom I was separated because of the disaster. Along with everyone in Japan who loves Kamaishi and everyone around the world who loves rugby, I wish to celebrate and be grateful for the opening of this stadium.

Rui Horaguchi (third-year student, Kamaishi High School)

ほんとうにすばらしい宣言です。
ぼくらみなが思っていること、伝えたいこと。感謝の気持ち。そして、きょう、この日を心から喜んでいること。それはみなさまのおかげであること。そのことを世界に向けて、ご支援いただいた方々に向けて発信してくださいました。

日本中の釜石を愛するみなさま。
世界中のラグビーを愛するみなさま。
ありがとうございます🐯

ぼくらのスタジアム、そして、みんなのスタジアムは3歳になりました。