2023年 84冊目『沖縄人はどこから来たか』
考古学の専門家と人類学の専門家が対談した内容をもとに、対談後の調査結果を加えた本です。
沖縄の事を学ぼうと手に取ったのですが、日本人の成立についても学べました。
日本人の二重構造論
⇒旧石器時代に東南アジアの原アジア人が琉球列島を北上して港川人となり、そして日本の縄文人の祖先となった。
縄文人は均質な集団で、北海道から琉球列島に分布していたが、その後、稲作を携えて北九州に渡来した弥生人が、縄文人と混血しつつ日本列島に広がった。しかし、北海道と琉球列島には、弥生文化は波及せずに、縄文人が小進化をとげてアイヌと沖縄人となった。
沖縄について
10世紀ないし11世紀ころから始まるグスク(城)文化の形成期(原グスク時代)に、日本文化の影響のもとに、奄美から八重山にいたる地域が歴史上はじめて1つの文化圏、琉球文化圏になります。
※それまでは、奄美・沖縄の貝塚文化圏、宮古・八重山の先島先史文化圏に分かれていた
そして、このグスク文化形成期に、農業、鉄器生産、窯業生産、交易などが活発化します。
13世紀に、按司と呼ばれる小領主が出現し、大型の城塞的グスクを築く、グスク時代に入り、琉球王国成立の道を歩みます。
この時代に、本土から職人が渡来し、人口の爆発的な増大が起きました。
この時代に、本土の中・近世人と変わらない、琉球=沖縄人が成立してきたのではないかという事です。
▼前回のブックレビューです。