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10万円給付問題から考えるデジタル社会の未来〜無駄を省いて、もっと早く、もっと便利に

昨日、10万円給付問題において、よく出てくるクーポンの位置付けについて書いていきましたが、この問題の課題はもっと先の方にありました。それは【デジタル社会になったら、無駄を省いて、もっと早く、もっと便利に】なるということです。デジタル化したらどう変わっていくのかを見ていきます。

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これは12月15日にFacebookにて投稿されていた福岡市の高島市長の記事です。非常にわかりやすかったので、下記に文章を添付します。

18歳以下への10万円相当の給付に関し、福岡市では、市議会での議決を頂ければ、12月24日クリスマスイヴの日から10万円の一括現金支給を開始します。
中学生以下は、すでに登録されている振込先口座情報を使えるので、すぐに振込がスタートできます。
高校生世代への振込については現在振込口座の返信をお願いしているので、口座の確認次第となります。
実現の裏には、岸田総理の決断はもちろんですが、牧島かれん大臣や小林史明副大臣、森まさこ総理補佐官には大変お力添えいただいたことに深く感謝いたします!
ーー以下は、長くなるので興味がある方だけお読みくださいwーー
報道では給付事務に掛かる事務手数料の大きさに注目が集まっていますが、年内支給が出来た背景にはある知られていない行政の決まりを突破出来たことにあるんです。
小難しい話ですが、実は行政が対象となる市民に現金やクーポンを支給する際であっても、民法上、贈与の契約を結ばなければなりません。
具体的には対象市民には行政から例えば5万円を振り込みますという通知を送り、そこに返信用封筒を添えて、受け取りを拒否する場合は送り返してもらわなければなりません。一定期間内に返信がなければ同意したとみなし、契約成立です。
ただ、行政が給付するお金を拒否する人が実際どれくらいいると思いますか?
例えば去年、同じく児童手当の受給世帯に福岡市が1万円を支給した時を例に取ると、11万世帯に通知を送って、拒否したのは1世帯だけでした。
たった1世帯の受け取り拒否のために全員に返信用封筒を添えて通知を郵送しなければいけないのです。郵送費、印刷代だけで2000万円台のお金が掛かります。
ちなみに今回、仮に年内一括給付が可能と言っても、自治体はもう一度追加の5万円の通知を新たに送って、一定の拒否確認の時間を待たないと振り込みが出来ないことからすると、年内の振込みは相当難しい状況でした。
そこで先週、官邸での行政改革推進会議に出席した際に、政府に1回目の通知と拒否確認をもって2回目も同意したものと見なす取り扱いが出来る様に状況を説明して、提案書を提出していました。
関係省庁からは慎重論も根強い中、牧島大臣や小林副大臣、森まさこ総理補佐官や総理秘書官には自治体の状況を大いに理解してお力添えをいただいた結果、非常に短時間で結論を出していただきました。これで各自治体は2度目の拒否確認を行わずに済み、年内に10万円を一括で支給できることになったのです。
今日のこの自治体向けの通知によって、銀行への2回の振込み手数料や振込み業務の委託費も1回で済むので、福岡市だけでもこれで6500万円の事務経費を使わなくて済みます。全国の自治体で考えると相当大きいコスト削減です。
私はここからが大事だと思っています。
今回、現金一括支給ができることになったことで終わりにしてはいけません。
より本質的な議論として、今後も事務経費を圧縮するためには民法やマイナンバー法など関連法を改正する必要があります。
公的給付を受け取るためだけの口座を一つだけでも国民が必ず登録することで、毎回、振込口座を記入して郵送してもらうという手間を削減したり、本人と金融機関に口座を確認しながら振り込むことで生じる多額の事務経費を削減したり、毎回返信用封筒を送付して拒否確認をしないとお金を振り込むことも出来ないような時間とコストが掛かる現状を変えないと、今後も給付の度にコストが掛かり続けます。
達成しても市民国民には見えにくい地味な議論ではありますし、今回の給付が終わればマスコミの報道も一切無くなり注目度は劇的に低くなるとは思いますが、これまでの高コスト体質を脱却すべく、ぜひ国会議員の皆さまには頑張っていただきたいと切に切に願います。

つまり問題は、

・行政の立場上、配布する対象者と贈与契約を結ばないといけない

・受け取らないという市民がいるかもしれないから郵送にて意思確認

・印刷代、及び書類確認、口座手続きの事務経費が発生

・通知・返信・確認・対応とスピード感が大きく損なわれる

簡単に記載するとこのような形です。日本ではマイナンバー制度の活用がまだまだ進んでいません。利用者からすると、そのメリットや恩恵が分かりにくい、個人情報を提出するという漠然とした不安などがあるかもしれませんが、このような非常時には、マイナンバー制度に紐付けしたデジタル対応ができていたらどんなに早く・簡潔に進むだろうと思います。

例えば世界に目を向けてみると、電子政府として有名なエストニアでは、新型コロナウイルス感染症による国民への給付金が、1週間以内に配布が始まったとされています。エストニアは15歳になると、デジタルIDが発行され、国民の99%に普及しています。このデジタルIDのおかげで、様々な行政サービスや、民間サービスを受けることができます。分かりやすい記事を下記にて紹介します。

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こちらの記事にも書きましたが、これから人口が減少していく中で当然行政職員も減少してきます。しかし、仕事内容は多岐にわたるため、人間がやる仕事とデジタルが行う仕事を、今のうちから仕分けしておかなければいけません。

その為には、行政側の取り組みに対する説明や情報発信も、もちろん大切ですが、市民一人ひとりが協力していく姿、考え方も重要になってきます。個人情報保護という考え方も、もちろん大切ですが、どうやったら便利で効率よく、安心・安全な市民生活を送ることができるかは、行政だけでなく市民の協力があってこそだと思います。

これからのまちづくりは、削減・見直しだけではなく、新しい価値を創造し、新しい時代に対応していく行政組織づくりが非常に重要になってくるはずです。

今回の問題をきっかけに、現金給付でよかったという形で終わらずに、どうやったらもっと効率よく、無駄を省いていくことができるかを考えていかなければいけません。

そして、今回何よりすごいと思ったのは、高島福岡市長の発信のわかりやすさです。こうした情報を、行政側から発信し、街全体で考えるきっかけをつくる姿というのは、本当に素晴らしいです。

前もご紹介しましたが、下記の本をぜひ一度読んで見てください。きっと、次世代のリーダーになるためのヒントがたくさん盛り込まれていると思います。

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