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vol.038【レポート】中之島プロモーション/クルーズ企画 RADIO CRUISE 中之島 -歴史・建築・アートをめぐる小旅行–
開催日時:2024年11月30日(土) 11:00~12:00 (受付10:30~11:00)
集合場所:八軒家浜船着場(京阪電車 天満橋駅下車すぐ)
ルート:土佐堀川~堂島川を経て中之島を一周
定員:40名
DJ出演:野村雅夫(FM COCOLO DJ / 翻訳家)
水都大阪のシンボルである中之島は、中世から現代に至る歴史文化と名建築群、自然を感じる公園や水辺を訪れることが可能です。クリエイティブアイランド中之島では、これまでに中之島を巡るクルーズをさまざま企画実施してきました。
・中之島建築リバークルーズツアー(2021年2月実施)
https://note.com/nakanoshima/n/nbc958de392b1
・近現代の諸写真+絵画と巡る中之島 リバークルーズツアー(2022年2月実施)
https://note.com/nakanoshima/n/ncd44524269cd
・近世~近現代の中之島の経済と科学(2022年11月実施)
https://note.com/nakanoshima/n/n884ba3981010
そこで今回は、それぞれのクルーズで語られた「歴史・建築・アート」にまつわるエピソードに加え、関連した楽曲・風景を象徴する楽曲をセレクトした「RADIO CRUISE」として再編集。在阪FM局「FM COCOLO」の人気DJの野村雅夫氏をゲストにお迎えし、LIVEパフォーマンスでお楽しみいただけるスペシャル・リバークルーズが実現しました。
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天満橋の八軒家浜から乗船し、大川を北上して大阪城の見えるあたりでUターン。大阪城築城の際に豊臣秀吉が行った、水路を活用したまちづくりが、今の「水都大阪」にもつながる礎になったことなど、歴史的な背景をインプットしながら、クルーズの序盤がスタート。
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江戸時代の水路に沿って蔵屋敷が立ち並び、その年貢米の流通から、明治時代には大阪の米相場が生まれたという水路と経済の流れも紹介。堂島川の左岸にある大阪証券取引所前の五代友厚翁の銅像は、2024年より新紙幣で描かれる渋沢栄一とのエピソードとともに紹介され、日本の近代経済に中之島が大きく関わっていた様子も分かりました。
中之島のシンボルともいえる大阪市中央公会堂をはじめとした近代建築群も、建物内部の構造や設計者、建てられた時代背景などの解説が添えられました。また島内各所の建物内外にあるにあるパブリックアート(ヤノベケンジ氏「SIHP’SCAT(MUSE)」、森村泰昌氏「適塾の集い」など)の紹介もあり、これら建築・アートの情報は特に、乗船時にお渡ししたマップを眺め、場所を改めて確認する方も多くいらっしゃいました。
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中之島香雪美術館やリニューアルした大阪市立科学館など、近年の新しい施設にも過去とつながるストーリーに合わせてセレクトされた音楽も、日本におけるシンセサイザー演奏の先駆者 富田勲の名曲「月の光」(原曲:ドビュッシー)など、「進化と過去のつながり」を象徴する中之島らしさを感じられる演出も。
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クルーズの最中には、御堂筋を超える際の淀屋橋の裏側と船の天井が触れるほどの距離感に驚いたり、西の端では海とのつながりが感じられる川の流れと広い空にのびのびとした気分になるなど、景色の楽しみどころも、野村さんがライブ感たっぷりに盛り上げてくださいました。
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今回のご乗船では、大阪のことをよく知る方はもちろん、このクルーズをきっかけに中之島へ訪れた関西以外のエリアからのお客様もいらっしゃいました。歴史・建築・アートの解説は、船で巡る美術館さながら、より深く大阪の魅力を知っていただけたのではないでしょうか。
今後さらに、海外から大阪を訪れるお客様に中之島の魅力がより立体的に伝わるクルーズプランを、水辺に関わる皆さんとともに進化させていきます。
レポート執筆:河井靖子(クリエイティブアイランド中之島事務局 プロジェクト担当)
委託:令和6年度日本博2.0 事業(委託型)
主催:クリエイティブアイランド中之島実行委員会、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
共催:中之島パビリオンフェスティバル2025