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サウナレビュー 御湯神指しベストパワーランド(長崎)

いのちのサウナと呼ばれる日本に一つしかない本格的ドーム式石室サウナ來磊(らいらい)。最高温度は160℃にも達するという名実ともに日本唯一のサウナといえる。

室内はかなり大型のドームで男女共用。タオルを巻いたうえに麻袋を頭から被ってうつ伏せで入るのだが、松の木がすぐそばで燃えていて、直火焼きの気分を味わえる。

和温療法の一つでいわゆる湯治がメインの目的ともいえよう。いわゆるよもぎ蒸し(漢方蒸し)も追加料金を払えばセットで体験できる。泊りがけで服数日に渡って利用する人もいるらしい。

評価:★★★☆☆(あくまでもサウナとしての評価)

サウナ

とにかくパワフル。松の木を燃やしているのでヤニが凄く、身体に煤が付く。立っていると目が痛くなるので室内に入ったら身を低くして、一気に火の近くまで駆け寄って寝転がる必要がある。

間近で炎が燃えているのを麻袋越しに見ながら熱されるので、1/fゆらぎによる癒し効果もあるかもしれない・・・。

ただ、一般的なサウナの基準で考えると、入る時間が決まっていて融通が利かない、炎が当たる側の身体はほぼ直火焼き状態なのでかなり熱くなるが反対側との温度差が大きい、サウナ中は煙も凄く、正直なところ快適とは言い難い。

日本唯一という意味では体験する価値はあると思うが、一般的なサウナ施設の基準で語れるものではないという印象。

水風呂

湯舟と一部繋がっていてかなりぬるめとなっている。この施設はあくまでも身体を芯から温めることが目的の温浴施設なので、水風呂についても身体を冷やし過ぎないようにインターバルとしてのクールダウン程度となっているのだろう。

広さは十分なのと、サウナがかなりアツアツなのでしっかり気持ち良く感じられる。ただ、その後のととのいに繋がるほどの温度差はない。
逆に言うと水風呂に苦手意識がある人でも難なく入れる温度だと思う。

ととのいスペース

更衣室スペースにかなり広いすのこスペースが用意されており、大判バスタオルを自由に使って寝転がることができる。内気浴ではあるが、非常に快適である。

こちらも、次回のサウナタイムに向けた文字どおりの休憩に過ぎないので、ガッツリととのうことを目的とした感じではない。
身体を十分に休められたら次のサウナセットに向かってどんどん深部体温を上げていくのが良いだろう。

総評

体験として唯一無二であることは疑いようがないだろう。サウナと名付けられているが、いわゆるフィンランド発祥のサウナとは一線を画す独自の蒸し風呂といった感じがする。

特にストーブという概念がないので、薪ストーブというわけでもなくて、たんにドーム内でただ薪を燃やして焚き火をしているだけであり、めちゃくちゃ原始的な構造である。

若干のスピリチュアル感も感じるが、それが説得力を持つ程度には年季が入った施設で、昔ながらの伝承と思えば違和感を覚えるほどではない。身体を温めることで健康や美容に良いというのは現代ではエビデンスも用意できるレベルの常識の範疇なので。

サウナが熱いおかげか、水風呂がぬるいおかげか、サウナ後のぽかぽか感はいつもより長く継続する気がする。そういう意味でも施設としてのコンセプトは明確で、湯治目的で訪れるのはかなりアリだと思う。

日本唯一の肩書は揺るがないので、サウナーならば近所に訪れた際には足を伸ばして、ネタとして訪問してみるのも良いかもしれない。日本独自路線のサウナの原点ともいえる雰囲気を味わうことができ、歴史に思いを馳せることもできる。

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