見出し画像

サウナレビュー ウェルビー栄(名古屋)

サウナシュラン2023で目出度くトップに返り咲き殿堂入りとなったウェルビー栄。ウェルビーの名が表すとおり、まさにサウナ体験によるウェルビーイングを目指せる最高の施設といえよう。

何度も訪問しているが、ウェルビー栄はその度に大きな進化を遂げている。だが何よりこの施設が他のサウナ施設と違うのは、フィンランド式サウナを設置しているのみではなく、フィンランドでのサウナ体験を日本で感じられることを目指している点だろう。

施設の入り口を抜ければもうそこはフィンランド、、を思わせる空間作りとなっている。昔はいかにもサウナ付きカプセルホテルといった趣だったのだが、そんな気配はもはや感じられない。

余談だが、サウナにはまる以前に何度も宿泊していたことがあるにも関わらず、サウナには全く入らず就寝していたことを思い出すと、サウナーになって以降は悔しさを噛みしめるばかりである。

ちなみに同様にサウナの良さを知る前に、北の聖地であるニコーリフレにも宿泊したことがあるが、これもまた勿体なさを反芻するばかりである。だが、言い換えると非サウナーのうちから自然と聖地に足が赴いていたことを考えると、サウナーの目覚めが訪れることは既に定められた運命だったのかもしれない。

評価:★★★★★


サウナ

高温サウナ

パッと見は昔ながらのサウナで、テレビも置いてあるタイプだ。だが、もちろんそれだけでは終わらない。サ室内は寝転がれるタイプのスペースが幾つも用意されていて、テレビを見ながら心地良く全身を温めることができるようになっているのだ。

サウナ内のスペースが広々としているのも、当初からサウナを中心とした空間設計をしていたからだろう。現在においてもなかなかこういったゆとりを感じられるサ室は都市部ではお目にかかれない。

熱波サービスは周囲を囲む客に向けて360°縦横無尽となるため、こちらもなかなかダイナミックで迫力がある。今もあるかはわからないが、以前はヨガのインストラクターの女性がサ室内で楽しめるヨガを教えてくれるイベントなどもあった。

言わずもがなだとは思うが、昭和感のあるサウナでありながらもセッティングについてはしっかりと整っているので申し分ない。

森サウナ

数年前のリニューアルの際に・・といっても5年以上前かと思うが、名古屋市の市街地に突如現れたラップランド。正確には浴室内にフィンランドを全身で味わえるラップランドエリアが設置されているのだ。

その中に設置されたサウナが森サウナである。木の香りを十分に感じられるセルフロウリュ可能なサウナである。今となっては当たり前だが、当時はセルフロウリュというだけでも相当なレア感があった。

室内は非常に暗めになっており、こちらもウィスキングが行えるような枕付き寝そべりスペースがあるなど、現代サウナに求められるものが当時から全乗せである。サウナブームといっても結局のところはこういった偉大な先人が作り上げた最高の要素を採り入れた施設が増えただけに過ぎない。

フィンランドからサウナ“文化”そのものを輸入したウェルビーの圧倒的な先見性に酔いしれることができるのは、本当に幸せ(=ウェル・ビーイング)を感じられるのではないだろうか。

セッティングは若干控えめだが、セルフロウリュの幅を持たせてくれると考えると、こちらも何も言うことはない。

水風呂

高温サウナ前水風呂

いわゆるノーマルな水風呂で完璧な動線で高温サウナの目の前にある。ノーマルと言ってもしっかりと10℃そこそこまでキンッキンに冷えているので、ビギナーサウナーはしっかりと蒸された後でないと厳しいだろう。

ラップランド内水風呂

こちらは本当にあたまがおかしい(誉め言葉)水風呂で、これだけは未だにウェルビー栄以外で体験することができない唯一無二最高の水風呂である。扉を開けると室内は冬のフィンランドを再現した気温が-25℃の異空間となっている。

そのなかに木々に囲まれた湖の如く水風呂が鎮座しているのだが、なんと水温は0℃近い。さすがに1分も浸かっているのは不可能だが、逆に短時間でめちゃくちゃ気持ち良く冷やせるので、ととのいとの相性が抜群に良いのだ。

こればかりは体験してもらわないとわからないと思うが、このためだけに名古屋にサ旅で訪れる価値があることは断言しよう。

フィンランドではなく、日本でまさかこのようなサウナ体験ができるとは、恐ろしい施設である。

アイスサウナ(冷凍ルーム)

こちらはサウナラボなどではお馴染みとなったアイスサウナであるが、もちろんウェルビー栄にも用意されている。超ビギナーのサウナーで水風呂はまだ厳しいという人でもこのアイスサウナであれば気持ち良く身体を冷やすことができるだろう。

一方で、水風呂のようにガツンとくる冷たさはないので、ベテランサウナーにとっては物足りない部分があるかもしれない。

だがここまでのサウナ施設で、この間口の広さを用意しているのが素晴らしい。サウナ体験をまだ知らない人にも、この良さを広めていきたいというマインドが伝わってくるようだ。

ととのいスペース

ととのいスペースもラップランド内にしっかりと用意されている。ウィスクに囲まれた自然を感じられる空間に、木製のリクライニングチェアが設置されており、完全にフィンランドの自然を疑似体験しながらととのいを感じられる。

ここまでコンパクトなスペースのなかで欲張りすぎるほど、ラップランド空間は存在感を示している。まるで異空間のようなので、非常に面白い。

総評

古くに日本に伝わった高温カラカラドライサウナは、どちらかというと「我慢比べ」のような位置付けだったのではないだろうか。我慢して汗をかき、そのことで例えば苦しいマラソンを駆け抜けたような達成感を味わう、、といったところがサウナ体験だった気がする。

だが、本場フィンランドのサウナ体験はそんなものとはかけ離れており、それこそWell-beingを感じられる心地良い体験である、ということを日本に広めてくれた先駆者であり、伝道師であり続けているのがウェルビーのオーナーであろう。

昨今のサウナブームはこのウェルビー無くして存在し得なかっただろうと断言できる。本当に偉大な存在であり、歴史を感じられる施設である。

遠方の方も是非一度は訪れて欲しいサウナである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?