サウナレビュー SHIAGARU SAUNA(福岡)
福岡は天神にある都市型サウナ。すぐ近くに博多ラーメンshinshinがあり、夜でも行列だった。コンセプトは人間工学を重視した“ととのう”の先の“しあがる”を目指すサウナということだ。
評価:★★★★☆
サウナ
深部体温サウナ
屋久島地杉を利用した大型バレル風サウナ。流体力学を意識しているということで、熱の対流がとても良い。まぁバレルサウナは元々対流が素晴らしいのでそれを参考にした、というだけともいえるが。
オートロウリュにオートアウフグースまであり、サウナとしての設備は十分。いかにも都市型の良スペックサウナ。セッティングも心地良く、それなりの収容人数なのが意外にポイントが高い。
都市型サウナはどうしても芋洗い状態になっておっさん密度が上がりがちなので、その点ではとても気分よくサウナが味わえるだろう。
末端体温サウナ
このサウナは非常に面白い。フィンランドでは良くあるタイプとして見たことがあるサウナストーブの周りにフットレストが付いているのだ。
輪になってみんなが足をフットレストに乗せることで温まりにくい爪先までしっかり温まることができるというコンセプトになっている。
その効果のほどは水風呂後のととのいタイムに思い知ることになる。
水風呂
3種と銘打っているが、一つの水風呂の背もたれ部分や傾斜部分が異なるように3列分用意されているに過ぎない。
こちらもアーチの形状などが人間工学に基づいているという名目だ。温度はしっかり低めでこれまた良スペックといえよう。
休憩スペース
ととのいルームと名付けられた暗闇空間は足元がよく見えないほどの暗室となっていてゼログラビティチェアが並べられている。
こちらは完全に静寂の空間が創り上げられており、コンセプトが明確。外気浴が難しいのが都市型サウナの難点だが、そこを振り切って個室のようなスペースで空間を区切って暗室にしてしまうのはなかなか考えられている。
非常にコンパクトな施設なのでサウナ水風呂ととのいルームの動線はいずれも悪くない。ちょっと長細すぎるため、他の入浴客とのすれ違いなどは若干気を使うか。
総評
最近増えている都市型サウナはそのスペースゆえか個室タイプで料金が高めのところも多いが、こちらは入退室をQRにしてしまうなど、人件費削減の効果かコスパも良く、サクッとサウナに入るには最適である。
サウナで“しあがった”後はshinshinでサ飯をキメるにも抜群の立地であり、サウナ後の動線まで完璧である。
ちなみに“しあがる”とは何か?という疑問については、サウナ後を見据えた概念とのこと。サウナ後の飲食が美味しく感じたり、サウナに入った日は睡眠が深くなって疲れが取れたり、サウナに入ると脳がスッキリして仕事の成果を出せるようになったり、という副次的な効果のことを指すらしい。その辺りもよくサウナーのことを抑えているな、という感じだ。
“ととのい”はいわばサウナ初心者だけが得られる入り口の快感であり、身体が慣れてくると従来のようにはととのわなくなってくる。
無理にととのいを求めて無茶をしたり、あるいはもうととのわないならサウナに行く意味がない、とサウナに行くのを止めてしまうのか、いずれにせよ、全てのサウナーが継続的なサウナ体験への壁にぶち当たる時が来る。
では“ととのい”無しに我々は何を求めてサウナに入れば良いのだろうか?
その一つの答えのが“しあがる”だと示しているのがこのサウナのコンセプトだ。サウナ浴が健康や美容にも良いことは良く知られているが、とても良いワードチョイスだと思う。