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会議や会合での質問

質問することは、話をするよりもエネルギーがいる。

例えば、何かの発表の後、「何かご質問はありますか。」と、聞かれても質問が出ないことは良くある。特に、大勢の聴衆がいるカンファレンスで、挙手をして質問するのには勇気がいる。私自身、よほどのことがない限り、大勢の聴衆の前で質問しない。質問するとしても、質問するまでの間は心臓がバクバクする。

日本人だけの問題ではない

英語の会議での質問となると、ぐんっと質問するハードルが上がる。英語の会議で質問しないでいると、「Don't be shy! (恥ずかしがらないで!)」と、言われ、無理やり質問を捻りだした経験がある。一方、英語を母国語とする欧米人でも、緊張しながら発表者に質問した人を何人も見かけた。

注目を浴びる質問者

なぜ、質問するのに緊張するのか。質問者は、発表者以上に注目を浴びることが多い。発表者も質問者と質問内容に注意を向けるし、聴衆も質問者に注目する。大規模なカンファレンスで発表者が「何かご質問はありますか。」の問いに、スッと手を挙げて質問する人がいるが、その勇気を羨ましく思うことがある。

質問しやすい雰囲気としにくい雰囲気

質問しやすさは、場の雰囲気に左右される。例えば、大きなカンファレンスでも、発表者が聴衆に質問を投げかけたり、対話するように聴衆にアイコンタクトを取っていると、周りの目を気にせずに質問することができる。実際、大きめのカンファレンスで前の座席に座り、発表者と頻繁に目が合ったときには、発表が終わった後に思わず質問した。また、聴衆から質問が出てこないとき、司会者が発表者に質問すると、聴衆から質問をするハードルが下がる。

一方で、自分自身と接点が感じられないプレゼンテーションや会議などでは、質問も湧き出てこない。また、司会者の会議やカンファレンスの仕切り方によっては質問しにくい雰囲気が漂う。ビジターとしてイノベーションに関する勉強会に参加し、海外からの発表者に質問したときのこと。発表者が回答する前に、日本人の司会者から「君の質問は的を外れている。」と、言われたときは凍ってしまった。幸いにも、発表者が笑顔で私の質問に欲しい答えを返してくれたので、凍った体が溶けていった。残念ながら、その勉強会には参加しないことにした。

質問のコツと慣れ

良い質問をするにはコツがあり、慣れが必要。良い質問だな、と感じる質問は、発表者の内容を深堀したり、展開したり、疑問に感じる部分を明瞭にしてくれる。質問に対する回答は、質問した人の糧にもなるし、同じ場にいる聴衆の糧にもなる。ただ、自分では良い質問と思っていても、思い込みで質問していたり、質問の裏側に発表者への批判や自分の意見を誇示したい気持ちが潜んでいる場合がある。そのようなときは、自我をなだめ、どのように聞けば、相手から欲しい情報が得られるかに集中する。

とは言っても、質問するチャンスを逃して後悔したり、上手く質問できなかったり。まだまだ質問慣れの修行は続く。ライフワークになりそう。

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