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「誰かの決める正解」のために生きることを辞めたら、やっと自分を生きることが出来ました。

両親からの期待。恋人からの承認。上司へのお伺い。


今振り返ると、人生がなんだか上手くいかなかったとき、私は「誰かの決める正解」を追い求めていることが多かったなと思います。

ビクビク震えながら、相手の顔色を常に窺っていました。自分の行動に、誰かの許可が必要だったのです。


誰かがご丁寧に決めてくれる「正解」に辿り着くように生きることは、とても苦しいこと。

それに気づいてから、そしてそれを辞めることが出来るようになってから、世の中が美しく、広く見えるようになりました。


今日はそんな話をしたいと思います。



人より優れていること。エリートであること。


私は弟と共に、両親から、人より優れていることという「正解」を押し付けられながら育ってきました。


人より勉強ができること。人より良いと言われるもの(学歴、職歴)を手にしていること。


親にとっての子育ての「正解」は、子どもが人よりも優れていること。No.1じゃなくてもいい。それでも、常に組織の中のエリートと呼ばれる層に居ることを求められました。


私は実家に寄り付かないように自分の行動を選択しているので、両親とは年に1回ほどしか顔を合わせません。

が、未だに私が実家に帰るたびに、「○○(弟)は、大学で主席の次の成績だったのよ~」と、まるで自分のことのように自慢をしてきます。(弟が大学を卒業してから、同じ話を5回くらい聞きました。)


弟は理系を選択し、東京の国立大学に入り、お堅い企業に入って、両親の「正解」を見事に叶えました。

弟は、人より”優れて”おり、”エリート”、なのでしょう。弟が就職活動で内定を得た時。父がいった言葉は、「あすかの月収なんて、○○(弟)は入社1年目で超すよ」。

その言葉を聞いたとき、私たち兄弟は、いつまで経っても条件付きの愛しかもらえないのだな~と思いました。悲しいねぇ。


私たち兄弟は両親の求める正解に対して行動をすると、報われました。

お小遣いを上げてもらえたり、何かを買ってもらえたり、喜んでもらえたり。スキナーのネズミのように、与えられた条件を満たすことで、はじめて「報酬」を与えられたのです。


弟のことは、可哀そうに思うのです。同時に私は、正直なところ、両親の正解を弟が叶えてくれたことにホッとしていました。ダメなお姉ちゃんと、ダメな弟という構図が、両親の中に出来なくて良かったとさえ思っています。



日によって変わる正解。正解を見つけるまで、オフィスに残る私。


私は、「正解」がある環境は、嫌いで、好きでした。

正解に辿り着けさえすれば、報酬があったからです。

それは、社会でも同じ構造でした。上司や会社の求める正解に近づけば評価されるという仕組みは、とても分かりやすいシステムです。



しかし、その「正解」を一切教えてくれない上司に当たった時。私は、社会人生で初めての挫折を経験します。




抑うつ状態。

ドクターストップがかかりました。



私は、上司は私のことを鍛えてくれているんだ!と思っていたのです。


「こんな風に考えたのですが、どうでしょうか?」
「これは、このやり方で進めていいでしょうか?」


私の質問に対し、上司の回答はすべて、


「ダメ。やり直し。」
「貸して、私がやる。」
「なんでそんなに時間がかかったの?何この内容。」


私は初めての転職だったこともあり、

そうか、今までは随分優しい環境にいたんだな。私はすごい恵まれたところにいたんだ。好きな業界に入れたんだし、これからは頑張らなきゃ!

と、毎日自分に言い聞かせていました。



「具体的に、どこが良くなかったでしょうか?」
「○○さんなら、どこを直しますか。」


悔しい思いをぐっとこらえて、勇気を出して聞いても



「自分で考えて?」


と一蹴。それでも、私は

「上司は私のことを育てようとしてくれている!」
「上司は、私の成長を信じて採用してくれたんだから!」

と信じていました。毎日、必死に上司の「正解」を探しました。




でも、そもそも正解なんてなかったのです。

上司の正解は、日によって変わり、話しかけるタイミングによって変わり、話しかける人によって変わりました。


私が、上司のお気に入りの男性社員と仲良くなってしまったことで、私への態度は氷点下に。


何をしても「そうじゃないんだよね」と言われ、
何をしても「なんか違うんだよね」と言われ続けた日々。


隣の席の上司がオンラインショップで可愛い服を探している間、私は泣きながら何度も何度も原稿を直し、写真を選定していました。


私は、上司の正解が出るまで、原宿のお洒落なオフィスに残り続ける毎日を過ごしました。

原宿という立地、そして、オフィスの観葉植物や小洒落たキッチンは、皮肉にも私が”憧れた会社員生活”の象徴でした。



パソコンの文字が読めない


ある月曜日。


私は、パソコンの文字が読めなくなりました。


いや、文字が書いてあることは分かるのです。だけど、何が書かれているのか?が分からなくなってしまったのです。

取引先からのメール。社員からのLINE。すべてに、何が書いてあるのかが分からなくなりました。



急に吐き気がして、トイレに行くも、
吐きたいのに、何も出てこない。

洗面台の鏡に映る顔が、黄土色だったことをよく覚えています。




その日、私は休憩スペースで手を震わせながら心療内科の予約をしました。





誰かの「正解」に辿り着くように生きることは、とても苦しい。


私たちは、誰かの正解を必死に叶えてあげるために生きてきました。


私は抑うつから復帰したあとも、懲りずに誰かの正解に辿り着くために自分をすり減らす生活を続けてしまいました。お伺いを立て、正解に近づくためのプロセス探しをする。そんな働き方ばかりだったように感じます。


もちろん、その厳しい環境で得たもの・学んだものもあります。


けど、そんな環境に身を置き続けていたら、ある時ふと、誰かの正解ばかりを追い求める人生を捨てたくなりました。


自分を生きていない気がしたのです。




なんでこんなに頑張っているのに報われないの?

なんでいつも誰かの承認が必要なの?

私はいつ、この作業から解放されるの?



私は会社員という働き方、そして、「正解」に辿り着くように生きることを手放しました。



資格もない。
お金もない。
野心もない。



でも、すべてを手放したとき、自分の行動は自分で選べるし、自分の生き方や在り方は自分で選べることに気づいたのです。



仕事だって、家庭だって、恋愛だって

誰かの「正解」に辿り着くように生きることは、とても苦しいです。


誰かの「正解」は、そもそも答えがなかったり、日によって正解が変わることもあるんです。そんな不確定なものを追い続けるなんて、不器用な私たちには難しいです。


じゃあ、正解は自分で作ればいいんじゃないかって。

不器用は不器用なりの生き方を選べばよいのですよ。


そう思えた時、私は肩の荷が下りて、「もう誰かの正解を叶える生き方に戻ることはしない」と、自分に約束することができました。



フリーランスになれ!と言いたい訳じゃない。選択肢を知っていてほしいだけ。


私は、あなたに「フリーランスになろう!」「起業しよう!」と誘いたい訳ではありません。でも、誰かに雇われるという働き方だけが、社会人ではないということを知ってほしくて発信活動を続けています。


だって、選択肢がないことって、とっても辛いことだから。


私は、抑うつになって会社を辞めた時、フリーランスのフの字すら思いつかなくて。でも、その後にフリーランスとして働く人たちに出会ったから、フリーランスっていう選択肢が私の人生の中に追加されたんです。


だから、私はその選択肢をあなたにも知ってもらいたくて発信してるです。






フリーランスも、立派な社会人なんですよ。


フリーランスだって、社会貢献できるし、
フリーランスだって、学べるし、成長できるし、
フリーランスだって、孤独じゃない働き方があります。



フリーランスって、私たちが幸せに社会を生きていくために、優しい先駆者たちが用意してくれた、尊い選択肢なんだと思うんです。




会社員を辞めると決心したとき、私は社会と自分に絶望していました。


でも、最後のセーフティネットであるこの世界は、ちゃんと私を救ってくれた。「誰かにとっての正解」じゃなくて、「私にとっての正解」を追い求めていい世界がそこにありました。



一人で飛び込むのが怖かったら、私を頼ってください。

いや、私じゃなくたっていいです。

けど、しっかり手を握ってくれる人を見つけて、一緒に飛び込んでみてほしいのです。


手を握ってくれる人を間違っては欲しくないから、私はあなたのために書き続けるし、話し続けるけどね。



選択肢を知るだけでも、「人生にはそうゆう道もあったっけな」と思い出すことが出来て、楽になります。

私を見つけてくれたあなたの人生に、幸せになるための選択肢が増えることを願っています。




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《中野あすかとは》
月曜日が辛くない生き方を一緒に作る28歳のコーチ。
仕事が大好きすぎて頑張ってきたけど組織活動が苦手で社会不適合が大加速。大絶望の末に「対話」に出会い、裸足のままフリーランスになる。
「勇気づけの対話」を常に考えています。
文章を書くこと、本を読むこと、音楽を聴くことが好き。岡村靖幸ファン。
成功よりも幸せを優先できるようになった人🐧

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