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季節の移ろいがこんなにも美しいものだったなんて、忙しくて気づかなかった。

フリーランスになってから、色んなものから解放されたし、色んなものを手に入れました。


煩わしい人間関係、お酒に逃がしていたストレス、通勤時間、満員電車、上司・ボスへのお伺い、残業、決まった時間と場所で働くということ、月曜日の憂鬱さ。

スッパリ、解放されたもの。


ゆったりと流れる時間、自分に向き合う力、感情をぎゅっと抱きしめる勇気、目の前の人を大切にできる豊かな心、他人に定義されない自分らしさ。

月々定額で振り込まれる給料を捨てて、得たもの。




最近、また得たものがあるんです。

それは、季節の移ろいを美しむ余裕



そうゆう歳じゃない?と言われたらそれで終わってしまうのだけれど、
きっとそうじゃないと思っています。




せわしなく働いていた時、私にとって「季節」は4分割だった。


街の木々の緑の色が、日々を追って変わっていくということ。

太陽の高さが、だんだん低くなっていくこと。

夏の終わりの空気が美味しいこと。

歩く人の服の袖が、どんどん腕に向かって伸びていくこと。



9月にシャインマスカットや葡萄がスーパーの店頭に並ぶこと。

鍋の素のコーナーが広くなっていくこと。

秋の食材が1日単位で増えていくこと。



全て、

フリーランスになって、対話者となって、
1日1日を大切に丁寧に、
生きていることを実感しながら過ごすことを始めたから気づいたことなんです。





会社員として、せわしなく働いていた時は、私にとって季節は「春!夏!秋!冬!」の4分割でした。



「花見しよう!」と誘われたら春だったし、「あちー!」と思えば夏だった。

街がハロウィンの装いをし始めた頃にやっと秋に気づいて、ダウンコートを出して初めて冬に気づく。


1年前までの「私の季節観」ってそんな感じ。




今は、毎日身の回りの色んなものを見渡せるから、大都会に住んでたって季節は4分割じゃないってしっかり受け取れる。


きっと季節は分割できないんですね。

ちょっとまだらなグラデーションのようなもので、1日経って急に深まることもあれば、よく見なければ昨日とまるで同じような日もあります。それでも1日が進んでいて。




忙しかったあの日々は、毎日がコンビニ弁当やインスタントな食べ物ばかりで、たまにスーパーに寄ったって、青果売り場なんてほとんど見向きもしませんでした。


だから、シャインマスカットや葡萄なんて、どこに売ってるのかも分からないトンデモ高級品だと思っていたし、そもそもいつが旬なのかなんて知りませんでした。そもそも、興味がなかったし。



街の木々の変化なんて「どうせ東京だから」といって注目することなんてありませんでした。


せいぜい、桜か”緑な感じ”か紅葉の3種類くらいでしか認識もしてなくて。天気だってそう。気候だってそうです。なんとなく、知らず知らずのうちに変わっていたんですよね。




季節の移ろいはこんなに尊くて、こんなに美しいことなんだ。


でもね、
きちんと自分の「生」に向き合うと、


旬の食べ物を美味しくいただくことの幸せ
暮らす街の些細な変化
緑の色や空の高さが少しずつ変わっていくこと


季節の移ろいが、日々の移ろいが、
こんなに尊くてこんなに美しいことだって、
おなかの底であたたかい涙が流れるように感じることが出来るんです。




今でも覚えています。

会社を辞めた去年の年末。


小さな小さなクリスマスツリーを買って、お正月飾りを生まれて初めて家に飾って、お正月の料理を丁寧に作って食べたこと。


「ああ、すごく生きてるって感じがする」


思わず出てしまった声。


パートナーと、「これからはこうゆう季節の些細なイベントを丁寧に楽しもうね。」と約束をしたのでした。




私の家庭は、お父さんは仕事で忙しくて、お母さんは出不精で倹約家で、ゆっくりと「季節の変化」を楽しむことのない家庭でした。


だからきっと、焦るように回収しているのかもしれませんね。




いつかは、もっともっと自然豊かな場所に住んでみたいです。

今からでも遅くないよね、きっと。




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《中野あすかとは》
「月曜日が辛くない生き方」を一緒につくる、28歳のキャリアコンサルタント・コーチ。
仕事が大好きすぎて頑張ってきたけど組織活動が苦手で社会不適合が大加速。大絶望の末に「対話」に出会い、裸足のままフリーランスになる。
「勇気づけの対話」を常に考えています。
文章を書くこと、本を読むこと、音楽を聴くことが好き。岡村靖幸ファン。
成功よりも幸せを優先できるようになった人🐧

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