7/36「研究と音楽を旅する」
《SAIHATE LINES 2019-Prelude- 》
研究×音楽という新しい形のフェスに参加したんだけど、
開催地が北海道大学の遠友学舎という所で、
北大院生や教授の方がいたので、学生の頃を自然と思い出した。
「歌が人を楽しい気持ち、切ない気持ちにさせる仕組み」
それが僕の卒業論文のテーマ。いわゆる音楽心理学ってやつ。
心理学はデータありきの学問なので、有意なデータが無いと何も言えない。
先行研究でわかっているのは「楽しい曲はテンポが速くて、切ない曲はテンポが遅い傾向にある」とかそういうの。なんとなくわかる気もするし、
そんな言いきっていいの?とも思う。
ただ、曲を作っている中で、音楽で嬉しくなったり、悲しくなったりする
メカニズムには興味があった。
僕は「聴いていて楽しくなった歌、 切なくなった歌」を300曲くらい
アンケート集計して、
・テンポ
・歌い手の性別
・メロディの最高音、最低音
・歌詞(感情語の有無、感情を想起させるような描写の有無)
といった測定項目を数値化して、統計ソフトに打ち込んでいった。
膨大な時間をかけてわかったことは、音楽体験から想起される
感情のメカニズムに絶対的なものはない。
そもそも分かっちゃったら作る意味ないじゃん☺︎
という、最初から思っていたことを再確認する結果になった。
どうして楽しくなるかは分からない、でも心がドライブしてく感じがする。 どうして切なくなるかは分からない、でも涙が出たり、胸からグッと喉にせり上がってくるものがある。
それは数値化出来ないし、見えもしない、でも確かにある。
演奏技術は素晴らしいのに何も感じない音楽もあれば、
演奏も音もめちゃくちゃなのに高校生の学校祭ライブでゾクゾクするくらい
高ぶることもある。
きっと、一生わかんないんだろうな。まぁそれが良いのか。
人生最後の1曲を書き上げた時に真髄の表面をひと撫でする
くらいはしてみたいもんです。
あと190日、
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