「みんなの想いをカタチにする絵師!林匡宏(まさひろ)」
本当に大切なものは
みんな自分の中にある
福島正伸
「林さん、わかってるなー!ありがたい!」って、中村あっちゃん。
林くんこと林 匡宏さんはあっちゃんが開校する「暮らしの藝術大学」呼びかけ人の1人。偶然にも、彼のvoicyラジオを車の中で、あっちゃんと聴いていたのだ。
ちょうど聴いていた6回目の最終回に、林くんが、「暮らしの藝術大学」に触れて話していた。あっちゃんの喜ぶ顔を直接見られただけでも、広島に行って良かったと思えた。
「お父さんは、いったい何をやってる人なの?」
娘さんにそう聞かれるほど、林くんの仕事は多岐に渡る。俺が思うに林くんって、「見えないものを見える化し本質を追求する探究者」。
自分を「絵師」と名乗っているが、自治体とは「このエリアをこんなふうにしていきたい」という町づくりを構想し、都市部では都市計画や都市開発をデザインし、企業では経営者の将来像を描いている。収録後、Facebookを見ると、一枚のヘッダー画像で、その仕事が理解できた。それが、この画像。
「来年はどうするの?」って、描いた絵はどんどん更新されていく。絵を描くことが目的ではなく、気持ちを集めて「やってみよう!」と思ってもらう手段だ。対話をしながら仕事を進めて行くうちに林くんも共に学んでいく。3年前まで都市計画をデザインするコーディネーター(サラリーマン)。今、「絵師」としてフリーランスになって半官半民の仕事をしながらゲストハウスやシェアハウスも運営している。
幼少時代よりお絵描きは好きだったが、決して上手いほうじゃなかったし、絵で食っていくつもりはなかったという。小中はバスケ部、ラグビー部に所属するスポーツ少年。高校はラグビー一つに絞る。大学になって環境デザインを学んだ。知人の紹介から建築事務所で都市開発のデザイン設計する仕事に就く。就職先を選んだ理由が「北海道は涼しいから!笑」。そこで10年勤めた。5年経過した辺りから、会社の中の世界と外の世界のギャップを感じ始めた。そのギャップとは、30年後の都市開発を考え未来を設計している人が、30年後は生きていないという現実。そこで彼は、サラリーマンを続けながら大学院で学び直す。大学院は「博士論文を書く」という名目で地域へと入っていく。この時、奥さんのお腹には子どもがいたというから驚きだ。夫婦でも信頼関係ができていたのだろう。「大学院へ行っていなかったら、会社を辞めていない」という林くん。大学院での学び直しは人生の大きな節目になった。
札幌市で働いてきた彼が博士論文を書くために最初に入った地域が隣の江別市。会社勤めでは会うことはない若者からお年寄りまでと直接触れ合えたことは大きかったという。昭和初期に建てられた古民家の縁側やピザ窯のある中庭で地域の人たちと語り合う。会社に戻ると、「明日の資料をあと20分で仕上げろ!」札幌と江別では時間の流れが違う。勤務時間中、「トイレに行く!」といって江別市へ行くほど、地域の未来を地域の人とじっくり考える夢中時間がそこにあった。「アタマを切替えることが大事!」と林くん。会社の外の人と話すことは、彼自身が内側から外側へ心を拡張していったのだと思う。議論が行き詰まった時、人と話すのが一番のクスリだ。対話とは、発見すること。話を煮詰めていく過程で脳が活性化されて問題解決に繋がったはずだ。林くんは仕事が「できる人」。できる人は時間の使い方が上手い。そして、自由な想像力、創造力がある。
副業禁止の10年間のサラリーマン生活の中で後半3年間は、フリーランスへの準備期間。博士論文を書くという大義名分のもと、地域の人と未来の町づくりを話し合った。みんなの意見をポストイットに貼りだしていた時、「林くん、絵描けたよね!」という無茶ぶりが「絵師」という肩書を持つことに繋がる。そんな活動をしていく中で、多くの人を巻き込んで林くんは、行政と地域をつなげる人になっていく。同時に古民家再生のボランティア団体からNPO法人をつくり、「ゲストハウスがあったら、いいね!」でゲストハウスやシェアハウスを運営していく。この大河の流れのように自然に仲間が集まって新たなプロジェクトが進んでいくのが聴いていて気持ち良かった。しかも仲間も全員ダブルワークをしている。そういう良い時代になったものだ。
3人目がお腹にいる時にサラリーマンを辞めて、江別市では市役所の職員として、また東京渋谷区では都市計画のアドバイザーを兼務している。「人と人との繋がりが求められているのは北海道も東京も一緒!」だという。そんな彼が、中村あっちゃんが開校する「暮らしの藝術大学」に関わるきっかけとは?
全6回のvoicyラジオ対談、フォローして聴いてほしい。
▼札幌の高校生と公園を創りかえる取組
▼渋谷の地元民と緑道を創りかえる取組
想いをカタチにする絵師、林くんの周りには、子供から大人まで仲間や家族の笑顔が溢れている。
戦の経験は。
ない!
経験もないのに結構な自信じゃないか。
ハハハ。経験もないのに、自信もなかったら
何もできない。違うか。
上総広常(佐藤浩市)と源義経(菅田将暉)のセリフ
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第10回「根拠なき自信」より