「59歳の育児日記。長男、初めての水族館」
初めてのZOOから、今度は初めての水族館。
先週の4連休、1歳9カ月の長男を連れてカワスイ(川崎水族館)に行ってきた。
「えん発酵温熱木浴横浜店」に行った帰りに次女、七海(なつみ)も合流。桜木町でランチして、4人でカワスイに向かった。
颯馬は、魚に興味を示さない。
興味を持ったのは、階段、天井の空調、それに椅子。
椅子や階段を上ったり下ったりの無限ループ、そして天井の空調を指さして、「おぉー!」って叫び、繋いだ手を振り払って興奮して駆けずり回る。
アマゾンのコーナーだけは、ちょっとだけ水槽をのぞき込んで、何か宇宙語をしゃべっていた。まるで魚たちと会話してるかのように。
その様子を見ている七海を見て思い出した。初めて未空と七海とTDLに行って、ミッキーと写真を撮るため長蛇の列に並んで、ようやく順番が来たと思ったら、七海は大泣き。「ミッキーさんの顔、おっきぃー」って。俺たち家族を案内してくれた友人、加賀屋さんも困り顔。そんなこともあったなぁ。
それまで大はしゃぎだった颯馬も、水族館を出ると電池切れ。ベビーカーで身体を前後に揺らして居眠りを始めた。
船を漕ぎ始めた颯馬に、美香と七海が大笑いしながら、「可愛いーーー」と動画を撮った。
また、家族の忘れられないシーンができた。
もしかすると、歳をとるのは楽しいことなのかもしれない。
歳をとればとるほど、思い出は増えるのだから。
そしていつかその持ち主があとかたもなく
消えてしまっても、思い出は空気の中を漂い、
雨に溶け、土に染みこんで、生き続けるとしたら...
いろんなところを漂いながら、また別のだれかの心に、
ちょっとしのびこんでみるかもしれない。
時々、初めての場所なのに、なぜか来たことがあると
感じたりするのは、遠い昔のだれかの思い出のいたずらなのだ。
「夏の庭」湯本香樹実