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眠らない猫と夜の魚

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不登校の小学生、草薙波流は夜の街を歩く。 実際に歩くのではない。眠っている間に波流の意識だけが体を抜けて、夜の街を歩くのだ。それを街で怪談を収集する大学生の黒崎朱音は「夜歩き」と…
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記事一覧

【眠らない猫と夜の魚】 エピローグ

「夜を泳ぐ」 夜明け前。 真夜中と朝のちょうど中間くらい。 空の碧が一番濃くなる時間に、街…

中村朔
4か月前
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【眠らない猫と夜の魚】 第22話

「猫と魚」④  背後に御神体である三珠山を据えた三珠神社は、夜半を過ぎて怖いくらいに静ま…

中村朔
4か月前
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【眠らない猫と夜の魚】 第21話

「猫と魚」③  小さな頃から、夜が好きだった。  長い夜の中で、怖い話とかUFOの話とか、夜…

中村朔
4か月前
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【眠らない猫と夜の魚】 第20話

「猫と魚」② 「またお前か」  赤い目の波流は、興味なさそうに言った。  境内を埋める猫た…

中村朔
4か月前
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【眠らない猫と夜の魚】 第19話

「猫と魚」① 「いてっ」  助手席のドアガラスに額をぶつけて目が覚めた。もう三度目だ。ガラ…

中村朔
4か月前
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【眠らない猫と夜の魚】 第18話

「神隠し」③  波流が試合をすることについては吾妻さんも難色を示していたが、波流のやる気…

中村朔
4か月前
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【眠らない猫と夜の魚】 第17話

「神隠し」② 「小夜、ほい」 「ん、ありがと」  水鳥の声に我に返って珈琲のペットボトルを受け取る。表面に浮いた水滴に近づきつつある夏を感じた。 「私も珈琲飲みたいなー。けどまだ飲んじゃだめなんだって」  ベッドに上体を起こした素子さんが唇を尖らせる。 「退院したらアボカド来てよ。店長から送られてきた秘蔵のブラック・アイボリー淹れたげるから」  水鳥が素子さんに向けて親指を立てた。 「えっ、それ美味しいやつ?」 「前に飲ませてもらったけど、独特の甘みがあってスペシャルな味がし

【眠らない猫と夜の魚】 第16話

「神隠し」① ■怪異蒐集No. - -(未公開) ■タイトル:神隠し ■話者:Aさん、小学生 ■記…

中村朔
5か月前
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【眠らない猫と夜の魚】 第15話

「地蔵殺し」④ 「……どーすんの、これ」  というわけで私の家に、願いが叶う石(×100)は…

中村朔
5か月前
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【眠らない猫と夜の魚】 第14話

「地蔵殺し」③ 「は? 猫地蔵を砕いた石?」  小夜がソファの背もたれに張り付いて足元のエ…

中村朔
5か月前
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【眠らない猫と夜の魚】 第13話

「地蔵殺し」②  アボカドのクローズ作業を手伝ってから、小夜は宣言通りに帰っていった。 …

中村朔
5か月前
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【眠らない猫と夜の魚】 第12話

「地蔵殺し」① 「……どーすんの、これ」  私と朱音の間に置かれたサラダ皿の中に、小指の…

中村朔
5か月前
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【眠らない猫と夜の魚】第11話

「落下と移動」③  翌日、亜樹といっしょに、投身自殺があったと思われる三島ビルにやってき…

中村朔
5か月前
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【眠らない猫と夜の魚】第10話

「落下と移動」②  爺ちゃんはウキウキしながら釣り竿を磨いていた。 「釣りに行くの? また亜樹と?」 「ああ」 「亜樹は私の彼氏なんだけど」 「心配するな、夕まずめ狙いだから夜には帰す」 「別にいいけど……で、今日は何やればいい?」 「先月分の帳簿の入力を頼む」  目が弱くなってきた爺ちゃんは、データの入力を孫娘の私に頼む。それで空いた時間は、たいてい釣りに出かける。相方はもっぱら亜樹だ。亜樹、最近は私とデートするより爺ちゃんと釣りに出かけることのほうが多いんじゃないだろ