製粉所職員「小麦は食べません」
50代男性がシェディング曝露を主訴としてうちに来られたんだけど、小麦の何たるかについて教えていただく格好になりました。
「某製粉会社に勤めています。先生の忌避する小麦粉を作る会社です(笑)具体的には、海外あるいは国内から小麦を仕入れて小麦粉にし、パン、麺、お菓子を作る会社に原材料として供給する。そんな仕事を、もうかれこれ20年ほどやっています。
会社ではほとんど全員がコロナワクチンを打ちました。2021年のいつ頃だったか、接種者からにおいを感じるようになりました。小麦の粉砕ラインで働いているので、職員は頭部全体を覆うキャップをかぶりマスクをしていますが、それでも、接種者からのにおいを感じるし、近くにいると皮膚がひりひりして、ひどいと発疹が出ます。
もちろん当初はシェディングなんて言葉も知らないので、そういう人のそばにずっといたせいでふらふらとめまいがして、一度倒れたことさえありました。
謎の体調不良ということで病院を転々としました。いろんな検査を受けましたが、どこに行っても原因不明と言われるだけ。自分であちこち調べて、それがシェディングなのだとようやく分かりました。
においは個人差が大きいです。そばにいても特に何も感じない人もいれば、においはないけど肌がひりひりとヤケドみたいな感覚になる人もいる。そんな人のそばにいるとふらついて、機械操作ができなくなります。
強烈に発散してる人とずっと話していると、顔がヤケドみたいになってきて、ひりひりする。その日、家で寝ようとしても、シェディングを浴びた顔がひりひり痛くて寝れない。おまけに、ひどい下痢をします。
仕事に差し支えるので、会社に正直に言いました。すると、上司に理解があって、「病院を探して対処したほうがいい。特定の人から影響を受けるのなら、その人の勤務時間帯とずらすような対応もできる」と言ってもらいました。
上司がシェディングのことを分かってくれたのは、僕の前にすでに複数名、僕と同じような症状の人がいたからです。症状は各人それぞれ違っていました。多分、体の弱いところに症状が出るような気がします。たとえば、腰とか足とか手術をしたことがある人は、真っ先にそこが痛んだりします。
最初にシェディング被害を訴えた人に対して、会社は何の対策も配慮もしなかったので、その人は辞めてしまいました。長年勤務する真面目な人でしたが。
そういうふうにシェディングに苦しむ人が何人かいたので、会社もようやく事態の重さを認識した。僕が上司に言いに行ったときに妙に理解があったのは、そういう文脈があるからです。
僕は敏感で、たとえば、手打ちうどんとか寿司、おにぎり。ああいうのでも、接種者が作ったものだとすぐに分かります。食べると吐き気がするので。吐くと楽になりますが、吐かないで無理して食べると、そのあとで熱が出ます。
ある種の適応というべきか、そういう状況にはけっこう慣れてきて、吐き気がしてきて「あ、接種者の作ったものを食べたな」と気付いたら、すぐにコーヒーに牛乳を混ぜて飲みます。すると吐きやすくなって、吐いた後の負担も減ります。そんなふうに、シェディングへの対処法が板についてきました(笑)
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先生、ご存知か分かりませんが、小麦は、製粉会社で燻蒸します。臭化メチルを充満させて、小麦についた虫を殺します。あれを吸うとふらつきますが、シェディングの感覚はそれとよく似ています。同じ職場でシェディングが分かる人も言っていました。「シェディングって臭化メチルと同じじゃないか。完全に毒だよね」と。
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小麦粉を作る会社に働いている自分が言うのも何ですが、先生、小麦が体にいいはずありませんよ。
仕入れた小麦には、殺虫剤、除草剤、虫、妙な異物とか、不純物が大量に含まれています。私が働き出した20年前よりも、最近の状況はもっとひどい。収穫前に除草剤を撒いて、枯れさせてから収穫するので、残留除草剤の量がすごい。おまけに、海外から輸入する船の中でも殺虫剤を撒くので、もう無茶苦茶。さらに、製粉所に仕入れてからも臭化メチルで燻蒸して保存しています。これだけの毒物をしみこませた小麦を食べて、病気にならないとしたら不思議です。
愛社精神というほどでもないですが、自分のちょっとしたプライドのために言うとすると、それでも、うちの会社はまだマシなほうです。燻蒸するときの臭化メチルの量と時間は、他社よりもかなり少ないほうです。
薬剤屋の営業マンが感心してましたよ。「おたくは薬をあまり使いませんね。珍しい会社です」と。でもそれは国産小麦の場合です。うちは輸入ものも扱っていて、外国産はひどい。袋に虫をいれると死ぬぐらいですから。アメリカ産、カナダ産の小麦を加工して、大手に卸していて、それがケーキとか麺になって店頭に並ぶわけです。さすがにちょっと、食べれないですね。内側を知っているので。
国内産の小麦は放置していると虫がわきます。しかし外国産は虫がわきません。これは農薬使用量の違いによります。企業は虫の混入リスクを極度に恐れています。なぜか?
実際のところ、仮に虫が混入していて、消費者がその虫を食べたとしても、無害です。ただし、SNSの発達した今の時代、パンの中から虫が出てきたとなっては炎上必至です。企業としては大ダメージです。
良心的な企業が「うちの商品は虫がついたりカビが生えますが、防虫処理をしてない証拠です」みたいに胸を張ったとしても、消費者の支持は得られない。消費者は、どうしようもなく傲慢です。「安心安全で、かつ、虫もカビもこない」そんな商品はあり得ないんです。
農薬とか燻蒸の問題を認識してる人もいますよ。製粉所に勤務していて、小麦粉がどういうものか分かっている人は、パンを口にしない。毒物だと分かっているからです。しかし、毒物を作る仕事なんてしたくない。誰だって自分の仕事に誇りを持ちたい。「少しでも燻蒸の時間を短くしたり農薬の使用量を減らしませんか」そういう提案をしたとしても、企業側のリスクがでかすぎるんです。万一虫が混入したりカビが生えればアウトですから。無知な消費者の健康を犠牲にせざるを得ないわけです。
ヤマザキパンの社長が自社商品を食べないっていう記事をどこかで読みましたが、そりゃそうでしょうね。
ひとつ、実践的なアドバイスとして、先生、ふすまってあるでしょ。全粒粉とか胚芽を含んだもの。あれは絶対に食べちゃいけない。農薬のかたまりです。
小麦がなぜ体に悪いのか、グルテンが悪いとか何だかんだと言いますけど、そういうのもあるかもしれませんけど、農薬と化学肥料と除草剤と殺虫剤と燻蒸。これだけでもう、毒のかたまりで、食材と呼べる資格なんてないと思います」