『IPPON!』脱稿まで打ち合わせあと何本!?(7)|原作付きマンガ一緒につくろう計画
【重要なお知らせ】
内容に差し替えがありました。(2020/03/16)
2019年中に公開された本企画の中に、漏らしてしまったページと解説テキストが存在することに気がつきました。既に公開してしまった部分よりも手前にあたる部分なので、やむを得ず、本記事を含む、2020年1月〜3月にかけて更新された本企画(5)|(6)|(7・本記事)の内容を差し替える形で、漏らしてしまった部分を収録しました。従来(5)〜(7)として公開していた部分は(8)〜(10)に置き換えて収録されています。ご不便お掛けいたしますが、ご容赦ください。(再編成にあたって購読料での損が読者の皆様に生じることはありません。)
今回の範囲の原作
手から離れる砲丸。スナップを利かせる手首。
吠えるアーヴィー。
ドッと沸くスタンド。
会場アナウンス「砲丸ピットにご注目ください。ただいまの投てきは、北関東大学医学部、花本選手。好記録が期待されます。結果は……」
*第0話の原作全体をおさらいしたい方は『(1)第0本(プロローグ)原作テキスト』で再読できます。
◆原作担当:朽木 誠一郎
◆ネーム/解説:中村珍
※この企画は、2018年までに原作者・朽木誠一郎さんが執筆した原作テキストを頂いて、作画担当・中村が、2019〜2020年にかけて、制作と並行しながら解説しています。
通しネーム(掲載済みの分)
今回追加されたネーム
ここからネーム解説
手から離れる砲丸。スナップを利かせる手首。
吠えるアーヴィー。
前回解説した最後のページで、(もしボールが既に手から離れている状況なら)グラウンドとアーヴィーくんとボールだけの世界になるように、みたいなことをお話ししたわけですが、もちろんここでハッキリと原作に、
手から離れる砲丸。
…と。
手から砲丸が離れるのは(右手に持つ砲丸を思い切り突き出す。の次の)この段階でやっと明示されていることに気付いていないわけではないのです…。…ないのですが…、あそこでボールを放した瞬間を描いてしまう演出も捨て難かったので、ご提案としてああいうネームになっています。
さて、今回分。このページは確実に手から離れている砲丸から1コマ目が始まります。
1コマ目は前のページでボールを手から放っていても放つ前でも、どちらでも成立するアングルと瞬間にしてあります。
ボールをいつ放ったかによって、ボールと手の距離(ボールと手を描く際のそれぞれのサイズ感)は変更になるかもしれませんが。
吠えるアーヴィーくん。
こういう場面は顔をどこまで描くか悩むのですが、吠えるというのは幸い口元だけでも表現できる動作です。
更に、このシーンの段階では、アーヴィーくんにとってこれがどんな大会なのか…という大事なことも分かりません。
大事じゃない大会なんてないと思いますが、だとしてもデビューなのか引退を控えた最後の大会なのかで表情も違うはず。(この3ページ先に続くページに「半年前」とあったので、多分、大学生活初期の大会だとは思いますが…。)
その大会にその人物が何を懸けているのか、どんな目標で挑んでいるのかで描くべき表情も目つきも違います。目を見開くのか、瞑るのか、涙目なのか、血眼なのか。
冒頭シーンの段階ではそれが明かされていないですし、アーヴィーくんがどんな人なのかも分かっていないので、この投擲直後のアーヴィーくんがどんな顔をしていたのかは改めて描くべきタイミングが訪れるのではないかなと思っています。
ここではただ、吠えた、という描写に留めました。
ドッと沸くスタンド。
大学の陸上大会の観客規模を知らないのですが、想定より(今描いてあるネームより)多ければ、このままの構図で大丈夫だと思います。
一方、このネームよりも少ない客席が大学陸上界の一般であれば、このネームに描かれているよりカメラを近づけて、人口密度上げる方法で沸いてる感じを出すことになります。
カメラを引けば引くほど人口密度ではなく人数に頼る沸き方になりますし、東京ドーム満席みたいな凄まじい人数が必要になってしまうので(作画が大変という意味だけではなく、その競技の規模に合わない観客数になってしまうことがあるので)スポーツ漫画を初めて描く方はご注意ください。
その競技に適切な観客数がどの程度かを調べてから作画に取り掛からず、モブより先に背景から描き始めてしまうと人口密度(=そのコマで演出できる熱狂や閑散)がコントロールできなくなります。
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