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危険!!フリーランスの地雷原・3

■CAUTION!!!

フリーランスの荒野で起きた超アブネェ、ビジネスの話だ…。

■更新履歴

Episode 7「締め切る日を〆切と呼ぶ」(2016/2/10)
Episode 8「あの骸は、俺だ」(2016/4/13)
Episode 9「忌まわしい記憶 〜決戦〜」(2016/4/13)

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「危険!!フリーランスの地雷原」





Episode 7




〆切川…

渡れりゃ天国、


沈めば地獄。



…更新日を間違えていた俺が

よりによってこのタイミングで迎えちまったこの話題…

今回は、そう、「〆切」だぜ…。


よお、

〆切の〆っていう字は、

シメてる感じが、すげぇな…。

〆(ぎゅっ)



さて…。


「〆切」という言葉は、

有名だな。


素人だって知ってる。

ああ、よく聞かれるさ。

「〆切前って修羅場なの?」とかな。

まあ、場合によるな。

特に想定外のことや、

適当な対応が起きなきゃ、

修羅場なんかほとんどねぇ。

条件によっちゃ〆切の4〜5日前に

片付くなんてこともザラだ。

逆に、この世の終わりみてぇな修羅場もある。


〆切、っつーのは、

誰でも知っている言葉だが、

じゃあ、〆切が〆切なのか、

〆切の日ってぇのがよ、本当に〆切なのか、

それはな、案外みんな知らねぇんだ。


世の中には、だいたい3つの〆切がある。

1つ目、本物の〆切。

2つ目、少しだけ前倒しした〆切。

3つ目、作家不信の編集者がつく嘘。


1つ目は本物だ。

印刷都合による、本物の〆切だ。


2つ目も本物の範囲だ。

2〜3日か1日2日ほど早く原稿をもらっておきたい

っていうのは

分かる。俺も自分が催促する側の時があるからな、

分かるぜ。こりゃあ〆切の範囲だ。

「念のため」っていうのは、大事なことだぜ。

俺はこの2つ目が一番好きだ。

余計な経費がかかるほどでもねぇし、

焦るほど切羽詰まったスケジュールでもねぇし、

何より担当さんに危ない橋を渡らせねぇで済むし

印刷所の人たちにも迷惑がかからねぇ。


問題は3つ目だ。

最初から嘘しか言わねぇ編集者がいる。

俺が常に俺の(ばかげた)事情で

〆切を破ってきた制裁なら分かる。

そういうことなら

俺のことが信用ならねぇだろう。わかる。


だがな、最初から嘘の〆切しか言わねぇ編集者、

どれだけ守り続けても嘘の〆切しか言わねぇ編集者、

あんたはダメだ。

ダメだぜ。


5日も1週間も10日も、

ひでぇやつになると2〜3週間も手前に倒して

嘘の〆切を言う編集者が結構いる。


把握しているのは気づいた時だけだから、

俺が気づいてないだけで、

俺はもっと騙されてるのかも知れねぇな。


先に手錠かけられたら

働きにくいだろ。



よっぽど暇なら〆切なんていつ来たって構やしねぇ。

だがよ、

先約でカレンダーが埋まってるフリーランスは

ザラだろう。


たとえばだ、

こういうカレンダーならよ、べつに1週間でも2週間でも

手前に倒れても構わねぇんだよ。

なにしろ押しも押されもせぬ正真正銘のヒマだからな。


まあ、安心して風邪をひいたり、

プライベートの予定を入れたりできるから、

できれば本当の〆切は教えて欲しいが、

百万歩譲って、風邪をひいても頑張るとか、

どんな予定も諦めるとかで対応すりゃあ、

このカレンダーなら間に合う。


これだけ日程に余裕があれば

アシストしてくれる人を頼まなくても済むし、

頼むとしたって最小限の人数で済む。


だがよ、こんなカレンダーばかりじゃねぇだろう。

実際っつーのはよ、こういうのがザラにあるだろう。


そもそもだ。

そもそもの話をしよう。

俺だって、

俺というか、普通のフリーランスはほぼ全員そうだろう。

きっと誰だって、早く原稿を終わらせてぇんだよ。


本当のことを教えてくれ。


なあ、

〆切は嘘をつくもんだと思ってる編集者、

嘘をついて急かせることで

「俺は作家をコントロールできている」と思ってる外道、

おめぇだよ。

おめぇがそういうことするとよ、

そういうことしねぇ編集さんにも、

おめぇと関係ねぇ原稿にも飛び火すんだよ。


わかるか、おめぇらが本当のこと言わねぇから、

こっちは出さなくてもいいアシスタント代積んで、

こっちはしなくてもいい徹夜して、

アシスタントにも徹夜させて、

全員次の仕事に疲れを残して臨むことになるんだよ。



なあ、おい、このカレンダーの意味わかるか。

多忙な合間を縫って、嘘の〆切に滑り込もうとしてたんだよ、

俺は。俺たちは。


大金積んで人を頼んで、頼まれた人たちも眠い目こすって

本当のこと知ってりゃ眠れた日を全部諦めて、

本当のこと知ってりゃ休めたのに、他の仕事を終えて、

終電がなくなった夜をタクシーかっとばしてよ、

バカみてぇだよ。


俺たちの、

これも

これも、

どれもこれもぜーんぶ、

騙されてるの知らねぇで、俺たちは、

ぜんぶ、嘘のために、やったんだよ。


ぜーーーーーーーーんぶ、おめぇらの嘘のため。




嘘の〆切の後のスケジュール見ろよ、

本物の〆切の手前のスケジュール見ろよ、

本物の〆切の手前はヒマだろ。

本当のこと教えてくれりゃあ、

落ち着いてやる時間があるんだよ。


わかるか、おめぇらが本当のこと教えてくれたら

かからなくて済んだアシスタント代、

年間100万円ぐらいだったぜ。

アシスタント側だって、仕事がありゃ嬉しいって

わけじゃねぇんだ。本当は休みてぇけど、

困ってるなら原稿のために行ってあげたいってんで

無理して来てくれる人っつーのは多いんだよ。


わかるか、おめぇらが本当のこと教えてくれたら

しなくて済んだ徹夜、

年間50回以上だったぜ。

させなくて済んだ徹夜だってたくさんあった。


おい、わかるか。

本当に間に合わねぇのかと思って

こっちはそれに滑り込む予定を組むんだよ。


本気で頑張るんだよ。

間にあわせるために全員騙されて

全力投球するんだよ。

嘘だったなんて知らずにな。

後から来て捻じ込んで、

「急だけどどうしても描いてもらいたいんです」

ってよ、

そりゃあこっちだってどうにかしてやりてぇから

頑張ったけどよ、

じゃあもう業界全体で本物の〆切隠し通せよ、

後で「実は〆切までまだだいぶありました」

って、冗談じゃねぇよ、


あの疲労も

あの眠気も

あの本気も

おめぇの嘘のためだったのかよ!!!


人にそんなことさせるのは、

てめぇが待つより痛くも痒くもねぇかよ!

ああ、そうだろうな!!!!



おい、もう一回このカレンダーよく見ろよ。

嘘の〆切の後に、先約が3日続いているだろう。

この先約な、嘘の〆切のために乗り越えた修羅場のためによ、

体力ゼロみたいな状態で挑むことになるんだよ。

わかるか。

次の仕事に申し訳ねぇことになるんだよ。

次が遅れちまうかも知れねぇんだよ。

先に〆切が来たもん勝ちになっちまうんだよ。

ゴールが嘘だと、

すげぇ無理しねぇといけねぇんだよ。


どうにか間にあわせるぜ。どうにか捻じ込むぜ。

編集さんや、印刷所の人にものすげぇ迷惑かけながらでも

最低の水準には辿り着いて捻じ込むけどよ、

嘘の〆切がなかったら、万全のコンディションでやれんだよ。

できればそうしてぇよ。

誰も適当にしたくねぇんだよ。


おめぇみてぇな嘘つきの仕事でも頼まれりゃあ

どうにかしてぇし、

嘘つかねぇ編集さんの仕事だって

ちゃんとやりてぇ。

何も蹴りたかねぇし、

巻き込まれる印刷所の人を落胆させたくねぇんだよ。

だからよ、

本当のこと教えてくれよ。

お願いします。





初めて待ち合わせする相手に、

自分が待たされる「かも」しれねぇのが嫌だから

2時間早く待ち合わせの時間を伝えて、それで

自分は待ち合わせ場所に行かねぇのかってんだよ。

そういうことだろ。


鈍行電車で間に合ったのを

嘘とも知らねぇで、

新幹線のチケット買って駆けつけたら

誰も居ねぇって、なんなんだよ。

新幹線のチケット代稼ぐ仕事を

増やさなきゃなんねーんだよ。

そういうことだろ。


本当は明日の昼の列車で間に合ったのを

嘘とも知らねぇで、

深夜の高速道路を徹夜で駆け抜けた

俺たちの気持ちがわかるかよ。

この疲労引きずって次の仕事に

向かわなきゃなんねーんだよ。


つらいだろ、

眠いのは。

つらいだろ、

疲れるのは。

疲れた日の次の朝、

いつもより5分早く起きるのだって

つらいだろ。

わからねぇかよ。

嘘のためにそれの物凄げぇやつ、

やるんだぞ、俺たちは。



おめぇは、なんなんだよ、

急がせるのがタダだと思ってんのかよ、

何の犠牲もねぇと思ってんのかよ、

そんなにも早くに原稿受け取って楽したいおめぇが、

俺たちが辛くなりたくねぇのが分かんねぇのかよ。

〆切延ばせっつってんじゃねぇんだよ、

嘘が続くと処理しきれなくなっちまうからよ、

本当のこと言ってくれよ。


原稿早くもらうための嘘を

みんなにやめてもらえるだけで

原稿早く終わるんだよ。


嘘で急かされた〆切が続いた後に

真っ当な仕事のスケジュールが来てもな、

もう時間も体力も集中力も金も残ってねぇんだよ。

嘘つかないでくれよ、もっといい原稿もっと早くもっと元気に

できるから、もう誰も嘘つかないでくれよ。


それからな、これ、漫画業界だけじゃねーぞ。

嘘つかれたの知らないで取材詰め込んでるライター、

嘘つかれたの知らないでタクシー代嵩んでるライター、

嘘つかれたの知らないでアシスタント代嵩んでるイラストレーター、

嘘つかれたの知らないで倒れるまで寝ないフリーランス、

すげぇ居るからな。


それから、

嘘つかれたの後で知ったフリーランス、

多いぜ。


よお、〆切の嘘ついてる編集者、

バレてねぇと思ってるかも知れねーけど、

狭い業界だろ。誰が理由のない嘘つきか

こっちはシェアしてるからな。


自分のせいで失った信頼には文句ねぇよ。

そんなことに文句あるフリーランスなんか

そうそういねぇんだよ。

ただよ、

最初から信用されねぇで嘘つかれてクタクタにされたら、

さすがにな、頭にくるぜ。人間だからな。

こっちが悪くねぇ時は心置きなく名前共有してるぜ。


よっ、有名人!

おめぇだよ。







Episode 8


…いろんな道を…歩いてきたもんだぜ…。





よお。


よくここまで来たな…。

あの丘が納品の丘…だ…。






そして…、





あの丘を越えれば

俺たちが目指す



フリーランス教の総本山とも言える

高く、高く険しい山…。


あの山に棲み続けることができる者はごく僅か…。

並のフリーランスは巓(いただき)に上り詰めたら

業界(しぜん)の摂理で、再び荒野に引き戻される

容赦なき霊峰さ…。


どうしても再び地雷だらけの荒野を踏破し、

あの厳しい荒野に戻るのが嫌なら、

霊峰の裏の崖に飛び降りるがいいさ。


ハハ…まあ、

なァに、ハハん。


わざわざ飛び降りなくても

突き落とされることも、

風に煽られて落ちちまうこともあるがな。

崖の下は無職の谷と呼ばれる真っ暗な谷。

荒野に戻ることさえ難しい深い谷だ。


落ちたきり眠りにつくかい?

まあ、

それも楽かも知れねぇな。

もう自分(テメェ)の命運を

自分(テメェ)で握らなくて済むんだからよ…。

寝ちまいな、辛いなら。


もう一度、太陽を浴びたいなら

爪を立てて谷から這い上がるか、

救助隊でも待つんだな。

運が良けりゃ頭上を救助隊が通りかかることもある。

だが、まあ、運だな。


どうするも自由だが、

何しろ谷底っていうのはよ、真っ暗で

見つけてもらいにくいんだ。

どうしても助かりてぇなら、

途中まででも這い上がっておきな。


あの山から見た景色が忘れられねぇなら

落ちてもまた戻れるさ。


いいぜ、悪くねぇぜ、

冗談かと思うような地雷を

ドッカンドッカン

ドッカンドッカン

ドッカンドッカン

ドッカンドッカン

ドッカンドッカン

ドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカン

ドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカン

ドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカンドッカン

踏まれてもよ、

爆風で何度吹っ飛ばされてもよ、

森で迷ってもよ、

沼に落ちてもよ、

それでも自分の足で何度も何度も

あの山の巓に辿り着くのは

いいぜ。

俺の稼いだ金だ。

俺の登った山だ。

俺の歩いた道だ。

ロクなことがなくても好きだぜ。

おもしれえからな。



でも、油断するなよ。

おもしれえことは

地雷だらけの荒野に転がってやがんだ。



そうだ、



俺が昨年、入金山に登った時の

思い出話をしてやろう。


依頼は、俺が新人中の新人時代から

世話になってきた情報誌の出版社からだった。

その出版社では何人も担当者が

取っ替え引っ替えあったが、

みんないい人だったぜ。

俺のキャリアの割に、

会社の規模の割に、

良くしてくれたと思う。


スタート時に6000円だった俺の

イラスト料は丸9年かけて

8000円くらいまで上がった。


ある時その会社の、新雑誌の編集部から

イラストの仕事が舞い込んできたんだ。

担当は編集長で、新雑誌とは言っても、

俺がずっと仕事を受けていた編集部の

出身だった。だから俺はてっきり、

俺の原稿料も知っていると信じちまった。

甘かった。


確かに俺は

「ずっとお世話になってきたので」

という理由で原稿料の希望は一切言わなかった。

それはこれまでの担当者が築いてくれた

厚い信頼があったからだ。

まさか減給なんてあると思わなかった。


それも、

「〆切ギリギリでイラストレーターが

 見つかっていない」なんていう案件で。

…—————この9年間

どんな無茶な納期の飛び込みも受け続け、

人が足りなければ必ず探して紹介し続け、

原稿料の希望一つ言ったことのない俺が

やるんだから、「高待遇」はなくていい、

だって世話になった義理があるからな。だから、

「維持」があると思いこんじまったんだ。

甘かった。


原稿料は4000円だった。税込みでだ。

だから厳密に言えば、3000円ちょっとぐらいだ。

驚いたぜ、まさか、これまでの仕事よりも

デケェサイズで、これまでの仕事と違って

フルカラーの仕事で、

おお、半額で使われるなんてよ?!


でも、俺は諦めた。

「原稿料の希望を言わなかったんだし」ってな。

以心伝心で済むほど甘くはねぇから、

言わなかった俺に不足があったんだ。

「これまで通りの額ですか?」と

聞かなかった俺に不足があったんだ。

不服の申し立てをする筋がない。

黙って受け取ろう。


そうして迎えた原稿料の支払日。







—————————入金がなかった。


俺が入金日を勘違いしているのかと思って

2か月待ったが、

やはり、入金は、ずっと、なかった。


古巣でもこういうことが起きるからな、

いいか、仕事ってのは組織じゃねぇ。

人で選ぶのも大事だぜ。

人だけで選んじまうと、

組織に使い潰されることもあるけどな。

まあ、サジ加減だ。

どこまで殉じられるかってな。

そこはテメェで決めるんだ。

ここまでは許せる。

ここまでは許せない。


…新人のうちは難しいけどな。

それでも、許し続けたら

テメェが潰れちまう。

「前回よりほんの少しだけ」でもいい。

胸を張って強気に出る練習もしてみな。

その勇気は将来のあんたを

使い捨てようとするクライアントから

救ってくれるぜ。




ちなみにどうなったかっていうとな、

2ヶ月経って、さすがに聞いたんだ。

支払われてない、と。

そしたらよ、編集長、

バックレた件を自分で応対するのが

嫌だったんだろうな、新人の女の人を

俺との窓口にしやがった。

彼女の言い分では

「今号だけ例外で明日の支払いとなっております。」

だとよ。

さすがに笑っちまったぜ。


何年目の編集者だか知らねぇけどよ、

おたくで9年やった俺をバカにしてんのか編集長。

新人だってテメェの尻拭くためにいるんじゃねぇだろ

かわいそうに。嫌な仕事を押し付けるんじゃねぇよ。


どうしてるかと思って1年ぶりに

雑誌のホームページを見たら

潰れてやがった。まあそうだろうな。

雑誌の屋台骨はアンタらクライアントかも知れねぇが

屋台の食い物作るのは俺たちだ。

あんまり使い潰してると誰もアンタの所で

頑張らなくなるぜ。


まあ、納品まで行っても

難儀することはあるからよ、

若いのは念には念を入れるんだな。

こういうのは、あっちが悪いんだ。

そりゃ間違いねぇ。だがな、悪い方は

当たり前だけどよ、こっちを守っちゃ

くれねぇんだ。理不尽だけどよ、我慢して、

注意するんだぞ。

振り込まれるまでが仕事だぜ。








…ん?



何を意味深な顔で丘の上を見ているかって?

何でもねぇさ…。

丘の上のガイコツは何かって?

…ふっ、

よくあることだ。



…納品の寸前に、地雷に吹っ飛ばされて

死んじまったフリーランスだろうな…。

ハハ…。


情けねぇこった…。


……………………………………。



……………………。

(あれは…。)

…。

(あれは、俺だ…。)


……………。

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