一般質問デビュー戦(令和元年6月24日)
先日6月24日、一般質問での初登壇を終えました。当選後初の議会で、左も右も分からない明らかな経験不足でしたが、これまでの自分の経験を信じ、寧ろ何も知らないことを強みに、主張しました。
中村長崎県知事や県の各部局長との協議結果について、以下に纏めておりますので、お目通しいただければ幸いです。内容にボリュームがあります。
尚、長崎県議会にて当日の動画が配信されておりますので、お時間がある方はご覧ください。
1.一般質問録画
2.質疑・答弁
(1)九州新幹線西九州ルート
(中村)
武雄温泉での対面乗換が続く場合、費用対効果:B/C=0.5となり、長崎県が投資した660億円のうち330億円しか回収できない計算。フリーゲージトレインが事実上導入不可となり、政治判断が誤ったとしか言えない。新鳥栖-長崎間での佐賀県負担にばかりフォーカスされているが、既に費用負担した長崎県は先に厳しい状況を迎える。この状況をどう考えるか。
(県答弁)
対面乗換方式では整備効果が十分に発揮されず、新鳥栖-武雄温泉間を整備することで、武雄温泉-長崎間にも大きなメリットがあると考える。
(中村)
武雄温泉-長崎間の工事費用はなぜ鹿児島ルートより費用(キロ単価)が高いのか。今後の費用アップがないよう、しっかりとコスト管理をして欲しい。
(県答弁)
鹿児島ルート建設時は資材単価が低く、また長崎ルートはトンネルが長いなど双方の構成が異なるため、同じ条件で評価するのが困難である。今後はコスト高にならないよう、確実に管理していく。
(中村)
新鳥栖-長崎間の現在想定される事業費用は1兆2,400億円がであるが、そのうち目途が立たないのが、佐賀県負担分の660億円であり、全体から見れば5%である。
全線フル規格での費用対効果が明確になっているにも関わらず、工事着手に至らず、寧ろ人口減少の影響を受け、得られるメリットは縮小している。
民間感覚からすれば、有り得ないと考える。国が政治判断の責任を取り、早急に全線フル規格で工事着手に踏み切るため、佐賀県負担分について具体的決断をとるよう、長崎県としても強く交渉にあたって欲しい。
(知事答弁)
対面乗換の状態が長期化すれば、武雄温泉-長崎間の整備効果は十分に発揮されず、地域のまちづくりに重大な影響を及ぼすことになる。新鳥栖-武雄温泉間のB/Cは3.1と試算され、同区間の早急な整備実現に全力を注ぐ。
(2)洋上風力発電事業による長崎県内の経済効果
(中村)
海岸線総延長日本一(北方領土除いた北海道抑え)の海洋県長崎は、洋上風力発電のポテンシャルが高い。4月施工の再生エネ海域利用法による本県に与える効果はどのように考えているか。
(知事答弁)
発電事業者にとって最大30年の一般海域の占用が可能となり、大規模な洋上風力発電の商用事業の実施が見込まれる。本県が促進区域指定を受けられるよう、国への要望を行っている。「長崎海洋産業クラスター形成推進協議会」と連携し、県内企業の参集を促進する。
(中村)
洋上風力発電による本県での経済効果について具体的に算出したが、県も同様に算出したならば、その経済効果を問う。
(県答弁)
単年度の売上高として、5年目に91億円、10年目に289億円を目指す。
(中村)
実施した試算では、メンテナンス分野での売上が最も高いと想定される。同分野への参入支援について。
(県答弁)
五島市沖の洋上風力発電では、既に県内企業が参入しており、当該企業を中核とした企業グループでの共同受注体制の構築に対し、今後支援をしていく。
(中村)
日本は洋上風力の経験が浅く、県内企業に対し欧州企業レベルの高度な人材育成支援を必要ではないか。
(県答弁)
クラスター協議会及び県内大学と連携を図り、国内初となる専門人材の育成センター開所に向け準備を進めている。欧州の人材育成プログラムと県内海域での現場実証を組み合わせ、実証的な専門人材の育成に取り組む。
(3)長崎港の2バース化及び客船母港化
(中村)
松が枝岸壁の2バース化と、客船母港化(長崎港を囲む造船会社での客船メンテナンスを行うことでドック入り前後に宿泊を伴う発着クルーズの増加が期待できる)に関する県の見解について。
(知事答弁)
2バース化は国において事業化検証費が計上され、新規事業化に向けて前進した。客船母港化は地域経済活性化や新たな雇用創出のため、三菱重工業とも連携しながら実現に向けて力を注ぐ。
(中村)
2バース化・客船母港化のためには、まちづくりとの連携が重要となる。造船関連企業・ホテル関係などの実際に仕事が生まれる企業間の連携、長崎市とのまちづくり協議、税関・入国管理・検疫手続きなどの課題、これらを同時に協議すべく、「長崎港活用クラスター協議会の発足」を提案する。またこの協議体は、海外のお客様が見学に来られた時の対応や、海外での営業活動という機能も含む。
(県回答)
現在、クルーズ研究会が存在し、官民が情報を共有し実効的な組織ではあるが、メンバー拡大・機能拡大のため、会の名称・組織改編が必要な場合は柔軟に検討する。
(4)平成29年度部局庁別委託費用の県内・県外発注状況
(中村)
全部局横断で県内企業の発注割合を定量的に把握すれば、県内企業の強みと弱みを相対的に掴むことができ、どの分野に投資すれば良いのか、より効果的な税金の有効活用が可能となるが、県はこれまで県内・県外発注の割合の全体把握に努めなかった。なぜこのような部局横断的な横串の評価を積極的に実施しないのか。
(県回答1)
特殊性がある場合を除き、原則として県内発注としているが、発注内容が部局毎に異なるため、部局間の比較は実施していない。また、県のホームページに発注情報を載せている。
(県回答2)
情報はアナログであり、ユーザにとって不親切である。県民の皆様にもっと積極的に情報を提供して欲しい。そして、部局間での比較を行い、横串を通す検討も実施して欲しい。
(中村)
県内発注割合を高めるための方策について。土木部が発注金額が最大であるため、対策の効果が出やすいと考えるので、積極的に県内企業が育つ施策を実行して欲しい。
(県見解)
県外企業に発注している高度な業務のうち、県内企業が取組みやすく技術移転が容易なものについてはJV方式を採用し、県内企業が育つ機会を提供している。
(中村)
地域の課題は地域で解決すべきであり、長崎のシステムが解決すべき課題は長崎のIT企業が中心になって解決できるよう取り組んで欲しい。
(県見解)
システム開発において、県内企業が対応できるものについては、仕様書を分割して発注し、人材育成を推進している。