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その14. それは、まぎれもなく青春 4
守谷悟と2人、楽器を担いで自転車を走らせた。
閖上大橋を渡り、荒浜海岸方面へ向かう。
仙台新港からの大型トラックがビュンビュン通る道を走るのは容易なことじゃない。
しかも当時の閖上大橋の歩道は狭く
海風を真面に受けながら楽器を背負い、ぐらつくハンドルを操るのは至難の技だった。
渡った後、今度は歩道のない道を数分ほど真っ直ぐ走る。
すると閖上を背にして左側にセブンイレブンが見えてくる。
相澤大樹とそこで待ち合わせることになっていた。
そのセブンイレブンから目と鼻の先に相澤大樹の実家はあった。
いったいどんな家なのか。
家でドラムが叩けるなんて想像もつかなかったが、
案内されてすぐに納得がいった。
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