英語 今年の共通試験を見て
どうも、毎度です。今年の高校生は共通試験の最初の受験者であり、かつコロナウイルスの影響をもろに受けているので大変だなと思いました。さて、そんな気持ちで今年の試験を軽くのぞいてみたのですが、英語がかなり変わっていたので思ったことを書いておこうと思います。
まず、どんな感じで変わっていたかというと、一言でいうと英検を受けてたつもりがTOEICの試験後半を受けてたという感じです。日本の伝統的な文法問題がほぼ見られず、日常生活で見られる英語に特化しているものでした。
この変化について私はどちらかというと否定的な立場です。もちろん、昨今の英語教育が実践向きにシフトしており、子供たちの将来のことを考えれば、実践的な英会話を試験に導入していくのは一理あると思っています。しかし共通試験が何のためのテストかを思い出して欲しいです。大学に入るためのテストであるということです。つまり求められているのは大学で使える英語です。大学で使う英語というのは大雑把に言えば、論文や学術書の英語です。アカデミックな場で使われる英語はいわゆる英会話とは異なるものであり、非英語話者である日本人が感覚的に読みこなすのはかなりの難易度です。したがって、文法的な理解や硬い文章を読む訓練を高校生にはやっていて欲しいと思っています。
今回のテストを国語のテストで例えるならば、第一問の説明文でヤフーニュースが取り扱われているようなものです。日本人でさえ、「何言ってんだこいつ」となるような文章を読みこなすことが大学では求められるのに、ヤフーニュースの読解問題はほとんど役に立ちません。
もし、実践的な英語を試験に入れたいのであればTOEICで十分だと私は思います。どうしても共通試験でやりたいのであれば、理科が物化生地と分かれているように、英語も分けるべきではないかと思います。
今年の試験に関しては試験としての完成度がセンター時代よりも劣っていることが多々指摘されていましたが、それは今後修正されていくと思うので私はあまり気にしていません(今年の受験者は気の毒だと思いますが)。というよりも、センター試験の完成度が高かったことをほめるべきでしょう。必ず、答えが一つに絞られるように作られている点においては、そこら辺の模擬試験集とは比較にならないくらい完成度は高かったです。
今年の共通試験を受けて、大学の2次試験はより学術的な文章を読ませる方向にいって難しくなりすぎてしまわないかとちょっと心配しつつ、今回はお開きとします。