東京都北区赤羽で飲むということ
東京都の北に位置し、荒川を越えれば埼玉県という県境にある。
JR線も、5路線通っており、交通のアクセスも良く、東京の北の玄関口といっていいでしょう。
駅周りには、SEIYU、ダイエー、イトーヨーカドーがあり、駅の東口には、アーケード商店街、そして、飲み屋街がひしめき合っている。
最近では、アクセスの良さや、個性的な飲み屋が多々あるためか「住みたい街ランキング」の上位にも名を連ねている。
私のこの街に通い始めて5年になるが、居心地がよく、安くておいしい店が多くある。
「センベロ」という言葉を一度は聞いたことがある人もいるでしょう。
「1000円でベロベロになれる店」という意味です。
数ある居酒屋の中には「立ち飲み屋」もありそこでは
チューハイ190円、つまみ各150円といった店もある。
赤羽は、「飲兵衛の街」そのものである。
私も赤羽ではよく飲むのだが、先日友人と赤羽でセンベロを楽しんでいたのだが、後日その友人と話していたところ
「なんで赤羽の飲み屋の、店員はあんなに偉そうなの?」
という返答が返ってきた。
確かに赤羽の飲み屋は友人が言うように「偉そう」と感じる事はある。
私たちも食事に行ったら・・・
店員「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
私「1人です」
店員「カウンター席へどうぞ、こちら本日のおすすめと、ドリンクメニューでございます」
私「ビールと焼きナスを下さい」
店員「かしこまりました、ビールと焼き・・・」
客A「すいません、ハイボールください」
店員「少々お待ちください、ビールと焼きナスですね、すぐお持ちいたします」
特に気になるとことがあるやり取りでは無かったですよね?
普段、意識はしてないですが、無意識で「このくらいの対応はしてもらえる」と私たちは思っていると思います。
しかし、赤羽ではこういった光景がよくあります。
店員「いらっしゃい、何人?」
私「一人です」
店員「じゃあ、カウンターで、飲み物は?」
私「チューハイと、エンガワの刺身・・・」
店員「エンガワ無い」
私「そうですか、じゃあ、モツ・・・」
客A「ビールちょうだい」
店員「後にして!!でチューハイと何だっけ?」
私「もつ煮をください」
店員「注文ーーー!チューハイ、もつ煮~」
ってな感じの光景がよくあります。
私は、その状況に慣れてしまったので気にもしませんでしたが、初めてきた友人からしたら、かなり高圧的に見えたと思います。
場合によっては、「失礼じゃないか!それが店員の態度か」という意見もすくならず聞こえて来そうですか、赤羽ではその光景は普通なのです。
理由としていくつか思うところは・・・
①とにかく「安くてうまい」から
当然お店によって、差はありますが、飲み物の最安値でチューハイが190円で飲めたり、つまみにしても「安かろう悪かろう」と思いきや、そういうわでも無い。
旬の刺身や、やきとんなども150円ほどで食べることができる。
チューハイ 190円×2
マグロ刺し(3切れ) 150円
やきとん(かしら)2本 250円
ポテトサラダ 130円
モツ煮(1人前) 150円
これだけ飲み食いしても、会計1060円。
気持ちとしては、「接客は、そんなに良くないが、安いしうまいからいいか」という感じです。
②横柄に思える店員が逆に魅力的
私が、赤羽で飲もうと思ったきっかけは漫画家の清野とおる著書の
「東京都北区赤羽」というエッセイ漫画です。
清野さんは、地元が赤羽に近くで漫画家として伸び悩んでるときに、実家を出て赤羽で一人暮らしを始めます。
その際に、昔から赤羽は知っていたものの良い思い出もなく、飲み屋が多くディープで怖い街という印象だったそうです。しかし、いざ、自分が住んでみていろんなお店に行ったり、いろんな人と出会っていくうちに「赤羽って街はネタの宝庫だ、これを漫画にしよう」となったようです。
今では、漫画の連載の多数持っていて、「東京都北区赤羽」はドラマ化され、俳優の山田孝之さんが主演で放送され、一躍赤羽は全国の人が知る街となったのです。
その中のエピソードでは、「全身を真っ赤でコーディネイトしたおじいさん」「アーティストのホームレスのおばさん」「自分の店を客に回させている、居酒屋の店長」など「この人取り上げていいの?」と思うような人や店が多く出てきています。
漫画には載ってないですが、私も客が焼き鳥を焼いている店で「店長は、今買い出しに行っている」っといった店に出くわしたことがあります。
先日も赤羽で飲み歩いてる夫婦とディープな居酒屋で同席した際に
「ここのマスターは、注文したもの良く忘れるから、根気よく言っていったほうがいいですよ」
「17:00に店開けて、17:10に「これ店の外に張っておいて」と言われてその紙を見てみると【本日の営業は終わりです】って書いてあったり」
「22:00過ぎると、だいたいお客さんいなくなって、マスターの愚痴をみんなで聞くんですよ」
エピソードがたくさん、「こんなことありえないですよねw」って笑いながら話しているんですが、「でも、そこがいいんですよね」とチューハイを傾けてました。
そうです、その店主ですらつまみになっているのです。
漫画の中では、清野さんが体当たりでその人たちに話を聞いたりしていて、何より、そこの登場人物が「飾らず、自分の思うまま、奔放に生きている」という描写が魅力的に描かれています。
ちょっとした芸能人といいますか、漫画で描かれた人たちに「会いたい・一緒に飲みたい・その人がのびのびやれるようにしたい」という気持ちが赤羽の飲み屋を作っているように思います。
結論としては、赤羽で日々飲んでる人は「どM」です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?