就労支援事業所が本気で作るバレンタインクッキー缶の物語
プロローグ
全国の有名店が集まるお菓子のイベントに出店が決まった時、僕たちの心は期待と不安で揺れていたが、すぐにこう
「支援だから」という言い訳は一切しない。
純粋な商品価値で勝負する。
第1章:商品への想い
『さぼうくんのPETIT BONHEUR -Valentine Stories-』
フランス語で「小さな幸せ」を意味するPETIT BONHEUR(プチ・ボヌール)。
そこには、日常のささやかな喜びを大切にしたいという僕たちの想いが込められています。
15種類の手作りサブレは、それぞれが物語を持っています。
蓋のさぼうくんは、チョコレートサンドサブレとして姿を変え、パッケージの中で優しく微笑みかけます。
ハートモチーフやチョコレート味のサブレで季節感を表現しながら、一つひとつに想いを込めて丁寧に作り上げました。
一つひとつのサブレには、それを作る人の物語が、食べる人への想いが、そして未来への希望が詰まっています。
このバレンタイン限定のクッキー缶は、単なるお菓子の詰め合わせではありません。
それは、僕たちの可能性の結晶であり、誰かの心に寄り添うための15の物語なのです。
クッキー缶のデザインにも、私たちの想いが込められています。
真っ白なベースに、黒いシルエットで描かれたさぼうくん。胸元には小さなTSUNAGUのロゴ入りカップを持ち、まるで「これから誰かのために何かを作るんです」と語りかけてくるような愛らしい佇まい。缶の側面には、ピンク、ネイビー、ブラウンのジオメトリック模様が配され、モダンな印象を添えています。
「PETIT BONHEUR」の文字と、さぼうくんのイラストが織りなすシンプルで洗練されたデザインは、商品の質の高さを物語ると同時に、私たちの「支援だから」に甘えない姿勢を表現しています。
缶を開けると、まるでジュエリーボックスのように美しく並べられた15種類のサブレ。中央には、パッケージのさぼうくんが黒いココアサブレとなって姿を変え、白いハートを胸に、優しく微笑みかけています。
バレンタインシーズンならではの、ピンクやチョコレートカラーのサブレが織りなすグラデーション。一つひとつの配置にも、伝えたい想いと物語があります。これは単なる詰め合わせではなく、15の小さな宝石を集めた特別なコレクション。
缶の下部には、「WE HOPE YOUR DAYS ARE FILLED WITH JOY AND HAPPINESS」という言葉が添えられています。これは、このお菓子を通じて、誰かの日常に小さな幸せを届けたいという、僕たちの願いそのものです。
第2章:私たちが目指すもの
「可能性が価値に変わる世界をつくる」
これは、僕たちのビジョンです。
一人ひとりが持つ可能性が正当に評価され、その価値が輝く世界。障がいの有無に関係なく、誰もが自分らしく生きていける。そんな当たり前の未来を創りたい。
「支援だから」という言葉を、私たちは使いません。
むしろ、その言葉から最も遠い場所を目指しています。
選ばれる理由は、純粋な商品価値であるべきだから。
だからこそ、私たちは
「創造する価値で選ばれる福祉をつくる」
というミッションを掲げました。
一人ひとりの可能性を信じ、
誠実なものづくりと支援の質を追求する。
これにより、新しい福祉の形を社会に示していく。
「できない」を「できる」に変える挑戦を続け、
手間暇をかけた丁寧な仕事に誇りを持つ。
そして、一人ひとりのペースを大切にしながら、
持続可能な経営基盤を築いていく。
僕たちは、常に「なぜ」を問い続けます。
表面的な解決に満足せず、
本当に必要な価値を見極めながら。
誰にでも無限の可能性がある。
その芽を摘まないように、
すべての選択を慎重に行う。
新しいことへの挑戦を恐れず、
失敗も成長の機会として捉え、
変化を楽しみ、進化を続ける。
個々の違いを認め合い、補い合える関係をつくり、
成功も失敗も共有し、共に学び合う。
目の前の効率だけでなく、
持続可能性を重視し、
次世代に誇れる仕組みをつくる。
これが、僕たちの決意です。
第3章:お菓子に込めた想い
このクッキー缶には、「誰かの心に寄り添う時間」を届けたいという想いを込めています。
慌ただしい日常の中で、
ふと手を止めてお茶を淹れる。
クッキー缶の蓋を開ける。
優しい香りが漂い始める。
そこには15の小さな物語が待っています。
さぼうくんのチョコサブレを手に取れば、
白いハートが微笑みかけてくる。
ジャムサンドの甘酸っぱさは、
誰かと分かち合った思い出の味。
紅茶の香り漂うディアマンは、
静かな午後のティータイムに寄り添い、
塩キャラメル味は、
甘さと塩気のハーモニーが心を解きほぐす。
しほりだしクッキーの繊細な口どけは、
まるで波が砂浜を優しく撫でるよう。
ココアフロランタンの香ばしさは、
忙しい心を少しだけゆっくりにしてくれる。
日々の暮らしの中で、
ほっとする瞬間、
誰かと分かち合う喜び、
そんな小さな幸せの架け橋になれたら。
お菓子は、人と人をつなぐ特別な存在です。
優しい甘みと共に広がる笑顔、
分かち合う時間の温かさ、
作り手の想いを運ぶメッセンジャー。
このバレンタインシーズン、
僕たちの想いを乗せて、
あなたの大切な人への架け橋となれますように。
そんな願いを込めて、
一つひとつ、丁寧に作り上げました。
第4章:チームの挑戦
ツナグ茶房、ツナグ工房、bakeLab。
それぞれが手を取り合い、
この挑戦は始まりました。
「支援だから」という言葉に頼らない。
全国の有名店と肩を並べて勝負する。
その決意は、メンバー一人ひとりの中で、
静かな炎となって燃えています。
生地を練る手に込められた想い。
型を抜く瞬間の緊張感。
オーブンから広がる香り。
できあがりを確認する真剣なまなざし。
一つのサブレを完成させるまでに、
どれだけの練習を重ねただろう。
失敗も、成功も、すべてが今の私たちをつくっている。
誰かが上手くいかない時は、
チーム全体でサポートし、
誰かが成功した時は、
みんなで喜びを分かち合う。
個々の得意分野を活かしながら、
それぞれのペースを大切にしながら、
一つの目標に向かって進んでいく。
このクッキー缶には、
そんな僕たちの日々の物語が、
15種類のサブレとなって詰まっています。
「できない」を「できる」に変える挑戦。
それは決して簡単な道のりではありませんでした。
でも、諦めなかった。
なぜなら、これは単なるお菓子作りではなく、
僕たちの可能性を証明する機会だから。
西荻窪でのポップアップショップは、
僕たちにとって大きな挑戦です。
でも、恐れてはいません。
なぜなら、一つひとつのサブレに、
僕たちの誇りと自信が詰まっているから。
エピローグ
西荻窪の街に、小さな希望の風が吹きます。
1月24日から26日。
3日間限りのポップアップショップで、
私たちは新しい物語を紡ぎ始めます。
「さぼうくんのPETIT BONHEUR -Valentine Stories-」
この名前には、たくさんの想いが込められています。
小さな幸せ。
それは、誰かの日常に寄り添うこと。
それは、一人ひとりの可能性を信じること。
それは、支援という言葉を超えていくこと。
15種類のサブレは、
15の小さな物語。
15の優しい時間。
15の確かな可能性。
このバレンタインに、
僕たちが作り上げた物語が、
誰かの心に届きますように。
「支援だから」という言葉に頼らず、
純粋な商品価値で勝負する。
その覚悟と共に、私たちは立ち上がります。
可能性が価値に変わる世界は、
きっと、こんな小さな一歩から
始まるのだと思います。
【イベント情報】
日時:1月24日(金)~26日(日)
時間:11:00~18:00
場所:お菓子のミカタ(西荻窪)