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ファンタジー世界の日常生活を描く作品について

ファンタジー=戦いではない

ファンタジーと聞いてまず最初に浮かぶのは、剣と魔法の世界だろう。
ドラゴンが飛び、おおよそ中世のヨーロッパを軸とした街並みが展開されており、魔王や勇者が現れ、日々戦いに明け暮れ、やがて平和な世界が訪れる。

そういう作品は私も大好きだ。単純に冒険譚は心が躍るし、困難な戦いが繰り広げられていれば手に汗を握る。
ただ、私はそれよりも好きな作品がある。それが、『幻想世界における日常を主題とする作品』である。
私はそれを『幻想的日常(ファンタジックライフ)作品』と呼称しているので今後はそう語らせてほしい。

そもそも『幻想的日常作品』とはどんなものか?

私の思う幻想的日常作品とは、幻想世界(科学的ではない非日常的な何かが一般に普及している世界)で戦い以外のものを主軸に話が進んでいくものを指す。

『葬送のフリーレン』という作品をご存じだろうか?いろいろなネタバレをしないように概要だけ述べると「魔王を倒した後の勇者パーティーの話」である。
『ダンジョン飯』という作品もご存じだろうか?これもいろいろなネタバレをしないように概要だけ述べると「魔物を倒してそれを食材として料理を作る話」である。
これらの作品は、ファンタジーの世界にかなり生々しさを取り込んでいる。『葬送のフリーレン』はRPGでよくある、勇者が魔王を倒した後のその後を描き、『ダンジョン飯』は倒した魔物の後処理とダンジョン内での食事について描かれている。

これらは、世にあふれる作品ではそもそも一つの物語の終わりとなる部分や、魔物は死んだら換金アイテムを残して消えてしまうなどの描写がされている中、非常に幻想世界に現実性(リアリティー)を増して説得感を高めている。私はこれをそのまま『幻想的現実性(ファンタジックリアリティー)』と呼んでいる。

ただ、先に上げた作品はどちらも戦いが混じる作品である。もちろん戦いがないような回もあるのだが、どうしてもファンタジーの世界に寄せると魔法などの存在から戦いに移行してしまうことがままある。
これらの作品は幻想的現実性が高い作品であるが、主人公たちが我々からすると戦いが日常となっている分、現実味が薄く感じてしまう。
私の思う幻想的日常作品は、例えば魔法を単なる家事の手段として使うだけであったり、クラスメイトに異種族が混じっていたりするような話である。
現実とは明らかに違う世界の日常や、そこで起こる戦い以外の問題に目を向けた作品が大好きなのだ。

今回の記事ではそんな作品をいくつも紹介したいと思っている。
もし、今回紹介されていない作品で「お前、これも好きじゃないか?」という作品があったら是非教えてほしい。本当に教えてほしい。
なお、主人公の周りだけが特異な環境であるという作品(主人公の周りにだけ神様や不思議生物がいる等)は日常を基礎としたファンタジーであり、今回の話の主軸とは異なるためそこはご理解いただきたい。
具体的には『ドラえもん』や最近の作品だと『ぷにるはかわいいスライム』がこれに当たる。主人公の周りは非現実的だが、その非現実性は普及されていないため、今回の幻想的日常作品にはあたらない。
ただ、今回紹介している作品にも見方に寄れば主人公の周りだけ非現実性が高いものがあるかもしれない。このあたりは、私の独断と偏見で選んでいるためご容赦いただきたい

幻想的日常作品

そもそも、幻想的日常作品とは複数種類に分類される。
ただ、今回はとても単純な分類だけで済ませてしまいたい。『基礎となっている世界は現実世界か幻想世界か』『幻想の生物(異種族含む)が存在するかしないか』これらを掛け合わせた4種類だ。
ただ、このうち『幻想世界であるが幻想生物が出てこない日常を過ごす作品』は私個人が見たことがないため今回は割愛させていただく。
これに付け加えて、先に述べた『戦いのない日々を過ごす(戦いが主題ではない)』という部分を満たす作品を、今回は紹介していきたい。

……ほんとうは一つ一つ紹介したかったのだが、あまりにも量が多かったので今回はタイトルの羅列だけとさせてほしい。
とりあえず知ってもらうことが先決と捉えたわけだ。いずれ記事として書いていければとは考えている。
なお、画像の大きさがまちまちだが、拾った時のサイズそのままの故、ご容赦いただきたい。

①現実世界を基に現実的ではない戦いのない日々を過ごす作品

アイリス・ゼロ

②現実世界を基に幻想世界の住人と戦いのない日々を過ごす作品

亜人ちゃんは語りたい

スピーシーズドメイン

尾守つみきと奇日常。

トカゲ爆発しろ

蛇神様と長耳の巫女

月出づる街の人々

江戸前エルフ

③幻想世界を基に幻想世界の住人と戦いのない日々を過ごす作品

異種族レビュアーズ

ソアラと魔物の家

ヘテロゲニア・リンギスティコ

魔法株式会社

魔法医レクスの変態カルテ

ダンジョンの幼なじみ

スティアの魔女

エルフ夫とドワーフ嫁

勇者のティータイム

限界ダンジョンの繁殖事情

魔法使いリィンの幸せな結婚

ミムムとシララ~ドラゴンのちんちんを見に行こう~

ダンジョンの中の人

盤外、戦いはあるが妙なリアルさがある幻想作品

ここでは、明らかに戦いが多いのだが、妙なリアルさがある作品を纏めている(ダンジョン飯とかフリーレンはこのあたりに分類されるか?)。
こちらもとてもおススメであるのでぜひ探して読んで欲しい。

魔法少女プリティ☆ベル

不徳のギルド

夜桜カルテット

29歳独身中堅冒険者の日常

冒険には武器が必要だ!~こだわりルディの鍛冶屋ぐらし~

さいごに

全部読め!
と、言いたいところだが、おそらく絵柄や内容が合わない作品は多々あると思う。スケベ表現が多いものや、下品な笑いが多いものなども関係なく上げているため、このあたりも含めて何を読むかは考えどころかもしれない。

個人的で進めるならば、「ダンジョンの中の人」「尾守つみきと奇日常。」、あと「ソアラと魔物の家」は現在も連載中で追いかけやすい。また、「月出づる街の人々」や「冒険には武器が必要だ!」も読みやすいと思う。
下品やスケベ表現が平気であるなら「魔法医レクスの変態カルテ」「不徳のギルド」の妙にリアリティーのあるファンタジーは面白いと思う。あと、「魔法少女プリティ☆ベル」を描いているKAKERU先生の本はファンタジーに理屈を載せるのがとんでもなくうまいのでぜひ読んで欲しい。ただし、エログロ表現はかなり多いため注意が必要である。
その他、学術的に異種族のことを考えている作品を読んでみたいならば「亜人ちゃんは語りたい」「ヘテロゲニアリンギスティコ」がおススメである。前者は生物学的に亜人を思考し、後者は亜人の言語学をテーマにしており、言葉が通じない相手とのコミュニケーションや文化の違いを見ることが出来る。

さて、こんな記事を書くくらいにはファンタジーを根幹にした日常作品が大好きなため関連する作品を見かけたら教えてほしい。いや、本当に沢山教えてほしい……。
または、教えなくてもいいので上記で挙げた作品をたくさん買って読んで欲しい……。
長く読み続けたいのじゃ……頼む……。

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