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Fレギュレーションを振り返る。【第1章:激動のDEFレギュレーション】


どうも、過去の栄光擦りおじさんナカムラ(21)です。

ダークファンタズマ発売後から本格的にポケモンカードをやり込み、CLベスト4、世界大会出場、シティリーグ複数入賞とFレギュレーションに散々お世話になった僕が、Fレギュレーションを卒業式も兼ねて振り返り、涙腺が緩むであろうカードゲームオジたちと昔を懐かしもう、当時を知らない方にはみなさんがよく使っているFレギュレーションのカードの歴史に触れてもらおう、という趣旨の記事です
というわけで今回は第1弾、DEFレギュレーションの1年を振り返っていきます。

※めちゃくちゃに文字数が多くなってしまったので、年末年始休みの暇なお時間にゆっくりお読みいただけますと幸いです。

拡張パックをはじめとしたその時期の新商品と目玉カード、そのシーズンの大型大会などの結果なんかでいろいろ振り返られたらなあと思います。
個人的観測内での話も多いため、あしからず。

それでは前置きはこの辺で、以下本編。




第一章:激動のDEFレギュレーション


というわけでFレギュレーションが始まった2022年1月〜の環境から振り返っていきます。


⓪:「スタートデッキ100」(sl)


"https://www.pokemon-card.com/ex/si/index.html"より引用


Fレギュレーション最初の商品は実はパックではなくこのスタートデッキ100という商品で、これなんぞやというと、今で言うスタートデッキGenerationsみたいなデッキがランダムで100個の中から1個出るよ〜っていうやつです。開幕から頭イカれてますね


この商品実はまあまあやらかしてまして、というのもランダム性のある商品(しかもデッキ)であるにも関わらず、環境一線級のカードを一部デッキに収録したり、全カードホイル版、一部ポケモンUR版、SRサポート版などを低確率で封入するという、まさに「ポケモンカード=転売」を象徴するかのような商品なんですよね。マジで何やってん

主要新規収録カード一覧
キングラーとボスゴドラはWCSでの活躍を鑑みてのチョイス


全てのデッキに収録されているハイパーボール(ミラーはランダム)はともかく、Vポケモンは完全ランダム。
特にエンテイV、ライコウVは当時から活躍していたスイクンVのカラーバリエーションということで需要はもちろんうなぎのぼり。

さて、ここでみなさんにひとつ質問です。

ただでさえあんまり買えないスタートデッキに、ランダム要素として単純計算で1/100以下の確率しか出会えないプレイ需要の高いカードが収録された場合どうなるでしょ〜か!







"カードラッシュポケモンカード(@cardrush_poke)"様より引用


A.当たり前に当然の如く誰でもわかる通りもちろん、こうなります。


というわけで相場はもちろん高騰、当時のポケカの価格基準とも相まって買取価格が3000をゆうに超える事態にまで発展。
本来初心者がポケカを始めるための商品であるはずのスタートデッキ100を中級者以上のプレイヤー、転売ヤーが枯らすなんていう異常事態は、当時他カードゲームをやっていた僕の耳にまでしっかり届くほどの大騒ぎだったと記憶しています。バカがよ


しかしこれ、大丈夫じゃなかったんですけど、もうぜんっぜん大丈夫じゃなかったんですけど、でも大丈夫だったことがひとつあります。


なにかっていうと、この商品で一番環境に絶大な影響を与えたカードが、全デッキに新規収録されていたハイパーボールだったことなんですね。


最後に収録されたAレギュレーションの時代から時を経てカードプールに戻ってきた万能ポケモンサーチカードハイパーボールは広くプレイヤーの手に行き渡り、現代の環境デッキたち軒並み全てを順当に強化していきました。

"ポケカ飯(@pokekameshi)"様より引用
いつもお世話になっております。


もちろん全デッキに万能サーチカードが配られたという認識で良いのですが、特に煽りを受けたのは前環境終盤に登場してからその規格外のパワーで環境を蹂躙していたミュウVMAXデッキでした。
手札を減らしながらポケモンをサーチすることができるグッズであるハイパーボールは、ゲノセクトVの特性フュージョンシステムで山札を掘り進めるミュウデッキと恐ろしいほど噛み合っており、安定性、デッキパワー両方の向上にしっかり貢献。
ただでさえ高かったミュウのパワーをさらにひとつ上の次元へと引き上げます。

イカれドローシステム




①:拡張パック「スターバース」(s9)


"https://www.pokemon-card.com/ex/s9/index.html"より引用



ポケカ新時代到来。人気ポケモンアルセウスが新たな力「VSTARパワー」を引っ提げて堂々登場です。

主要新規収録カード一覧
温情(?)で入っているカードもちらほら



この拡張パックから本格的にFレギュレーションが始動し、同時にCレギュレーションのカードがレギュ落ち。
たたてさえ環境がガラッと変わる中で、当時基準で規格外のスペックを持ったアルセウスVSTARの登場は、ポケカ新時代を告げるには充分すぎる衝撃でした。

当時ポケカミリしらの僕ですら目ん玉飛び出ました



・当時基準で破格(Cレギュで大暴れしたTAG TEAM GXポケモンの最大値)の数値であるHP280

・VMAXと同じ進化条件、たいして変わらないHPにも関わらず、取られるサイドが1枚少なくなり2枚に

・3エネ200(ダブルターボエネルギーで実質2エネ180)というそれだけで高水準なダメージに何故かついている後続アタッカー育成(しかもVポケモンならなんでも)機能

・その上対戦中にいつでも1回使えるなんでも2枚サーチとかいうぶっ壊れ特性

比較参考

Cレギュ最強カードと名高い三神と見比べてみても、その異常さが伝わるかと思います。
倒されたら3枚取られてしまう三神と同じHPでほぼ同じ効果のワザを持っているにも関わらず、取られるサイド数もワザの要求エネも軽量化。しかもオルタージェネシスが剥奪されて弱体化されたと思いきやいつでもなんでも2枚サーチできる特性がくっついてきました。ナンデ?

というわけで創造神の名に相応しいスペックを引っ提げて環境にやってきたアルセウスVSTARは、当然の如く環境に絶大な影響を与えながらめざましい活躍を見せます。

また当時のアルセウスVSTARを語る上で重要なポイントとして、それまで活躍しづらかった各種Vポケモンへのサポート性能が上げられます。
要はエネ要求が重かったり準備に時間がかかったりする代わりに高スペックなワザを有していたVポケモンたちが、アルセウスのおかげでかなり使いやすくなったわけですね。
またそれまでは他のカードと組み合わせてデッキが組まれていたV、VMAXたちも同様に、アルセウスによる序盤の安定化、アタッカー起動の容易化による恩恵をしっかり受け、アルセウス+〇〇といったデッキタイプが一般化していきます。


具体的には

・アルセウスレックウザ
・アルセウスはくば
・アルセウスれんげきウーラオス
・アルセウスジュラルドン
・アルセウスVバレット(タイプ統一不統一どちらも)

などなど、これ以外にもたくさんのVポケモンがアルセウスと組み合わさり、以降多種多様なアルセウスを環境で見かけることとなります。

"ポケカ乱舞ッ(@pokekazamurai)"様より引用


当時開催の自主大会でわかりやすいものがあったので引用させていただきました。
ただでさえ高スペックなのに、出張性能も高い(アルセウス進化ライン+ダブルターボ数枚のみ)というイカれスペックがよく見えるシーンだと思います。

この時の環境は、数々のデッキに出張するアルセウスと、その速度とパワーで変わらず環境を蹂躙し続ける前環境の覇者ミュウVMAXが当時の2TOPシェアにいつつ、前環境から強いデッキも引き続き多数、といったイメージ。
特に非エクでVSTAR、場合によってはVMAXまでワンパンできてしまうれんげきカラマネロや、アルセウスに弱点をつけるれんげきウーラオスVMAX、周辺サポートが豊富かつ高耐久でどんな相手とも打ち合いつつもこだわりベルト込みでVSTARをワンパンできるはくばバドレックスVMAX、高耐久特性ロック+高耐久+全回復を繰り返し中打点環境の隙をつく雪道インテレオンVMAXなどのアーキタイプが、環境中堅を担っていました。

れんげき多くね?


また今ではお馴染みネオラントVの収録もこのパックで、当時のポケカおじいちゃんはカプ・テテフGXの帰還だなんだと大喜びする一方で、ワザの要求エネに水エネルギーを必要とすることにやや不満足な気持ちもあるとあうなんとも複雑なカードでした。
実際当時のカプ・テテフほどは使われておらず、環境デッキにあんまり入らない時期もあったり(負け筋になる点が大きすぎた)と、個人的には良調整のカードという印象ですね。
このカードが環境で採用されづらい環境って普通におかしいけどな…。

ワザが強かったね
活躍当時はワンパンもされづらい


あとはベンチバリアのミュウに引き続き、マナフィが収録されたのも記憶に新しい(?)ですね。
このカードの収録はカードリスト公開とともに明らかになり、ベンチバリアのミュウがレギュ落ちするぞと歓喜していた連ウー使いの儚い希望がひっそりとぶち壊されたという話をよく耳にします。
まあベンチバリアがなくなったらそれこそとんでもない環境になっちゃうので妥当ですね〜。
ていうか連ウーとか明らかにベンチバリア前提で刷られてるし普通に考えたら無くなるわけn

前世


他に当時基準で革命的だったカードは、こだわりベルト、ダブルターボエネルギーあたりでしょうか。
それぞれ過去のレギュレーションで一線級の活躍を見せていたこだわりハチマキ、ダブル無色エネルギーのリメイクカードとして、アルセウスやネオラントと共にそれまでの環境を瞬く間に変えていったのでした。



②:「スペシャルカードセット 草のリーフィアVSTAR・氷のグレイシアVSTAR」

"https://www.pokemon-card.com/info/003235.html"より引用


"https://www.pokemon-card.com/info/003235.html"より引用


そういえば最近見なくなった商品シリーズ。
新規のプロモカードと最新弾が8パックほど入ったセットです。
ここでの新規収録は看板のリーフィアV、VSTARの進化ラインと、グレイシアV、VSTARの進化ライン。
ちょくちょく大会シーンで見かけたりはしたものの、環境で目立った活躍はさほどしませんでした。
一応ご紹介。


③:「スターターセットVSTAR ルカリオVSTAR ダークライVSTAR」

"https://www.pokemon-card.com/products/s/sl.html"より引用


後述するバトルリージョンとの同時発売となったスターターデッキセット。
ルカリオの方はともかく、ダークライの方は今でもたまに見かけるダークライVSTARの新規収録やダークパッチの再録など、悪タイプをしっかり強化してくれる収録内容が話題でした。
まあ、悪タイプとかちょっと強化されましたね。たぶん、しらんけど
あんまガッツリ環境に影響はしないんでざっくり解説に留めます。


④:強化拡張パック「バトルリージョン」(s9a)

"https://www.pokemon-card.com/products/s/s9a.html"より引用


というわけで気を取り直して(?)Fレギュレーション初の強化拡張パック。
LEGENDS アルセウスで登場したヒスイ地方のポケモンやキャラクターが本格参戦、かがやくポケモンも初登場などパッと見のインパクトが強烈なパックです。
俗に言うモンスターボールミラーもこの弾で初出かな?

主要新規収録カード一覧
実は大量売れ残りパックでした



このパック最大の目玉はなんといってもやはり初登場となるかがやくポケモンの収録で、なかでもかがやくゲッコウガはその汎用性の高さから以降の環境で見かけない日はありません。
同時収録のかがやくルチャブルも当時のVMAX環境では打点補助要員としてちらほら使われたりと、かがやくポケモンはFレギュレーションもうひとつの目玉として輝かしいデビューを飾りました。
ヒードランは天井に張り付いてました。

今でもお馴染みキャンセルコロンやツツジ、シマボシなんかもこの辺ですね。
特にツツジはこの頃から逆転手札干渉札として重宝されていたイメージがあります。

後々活躍するやつらは置いといてこの頃の環境で注目を集めたカードは、ヒスイダイケンキVSTAR、ミルタンクあたりでしょうか。

ヒスイダイケンキをメインに据えたデッキが各地シティリーグでちらほら入賞、ミルタンクはVポケモンに対する強力なメタカードとして以降しばらくコントロールデッキの常連になります。
ハピナスVと組み合わせたハピナスミルタンクとか、耐久+コントロールデッキの王道って感じのいいデッキでしたね、懐かしい。
ちなみにここではあんまり書きませんが、この記事の話に出てくる当時の環境デッキが詳しく知りたい方は適当にYouTubeとかで調べてみると面白いと思います。

パッと見だと強さわからんよな〜


またこの環境ではFレギュレーション1発目の大型大会チャンピオンズリーグ愛知2022が開催。
当時は今のCLよりは規模感が小さく1200人規模の大会で、8-1ラインが決勝トーナメント16人に残れるという今とは違う形でシビアな大会でした。

そんな新レギュ1発目の大型大会入賞デッキの中で、特に目に付くデッキをいくつかピックアップしてみたので紹介していきます。

CL愛知2022優勝:アルセウスVSTAR+インテレオン



はい、いきなり何も紹介していないデッキが出てきました。
今までのアルセウスの説明だとこれなんぞやって方も多いと思うので軽く説明します。

このデッキ、俗にアルセウスうらこうさくと呼ばれるデッキタイプで、アルセウスの高耐久中打点後続育成能力に着目し、アルセウスをメインアタッカーとして活用しながら当時の主要システムポケモンであった特性うらこうさくの進化ライン採用することでスターバースも合わせて安定性を大きく向上、ゲーム中に特定のカードをピックする能力が著しく高いためどんな対面とも五分に打ち合える超万能デッキとなっています。
要はアルセウスVSTARが強すぎて、アルセウスでアルセウスを育て始めちゃったわけです。逆転の発想ですね(?)。

うらこうさくについても少し言及しておくと、今で言うヨルノズクほうせきさがしがこれのマイナーチェンジ版に当たるわけですが、当時は好きな非エクを手札に丸ごと回収できる回収ネットの存在が、このうらこうさくの進化ラインのパワーを一段階上に引き上げていました。
進化して特性を使ったあとのジメレオン、インテレオンを回収ネットで拾い、手札に返ってきたメッソンを置き直しながら別個体をジメレオン、インテレオンに進化させることでまたトレーナーズをピックすることができるこの動きは、アルセウスデッキに留まらず環境のさまざまなデッキに採用され、当時はHP90以下の好きなポケモンをサーチできるレベルボールや、好きな進化ポケモンを1体サーチできるしんかのおこうなどの存在もあり、うらこうさくを入れておけばとりあえず安定したデッキになるなんてこともザラではありませんでした。
もっと言えば進化元のメッソンは自身のワザでれんげきポケモン、つまり自分自身を大量展開できるため、後1でやることがない時は1エネで自身を複数体召喚できたり、2進化のインテレオンは普通にHPとワザが優秀で非エクアタッカーになれたりともうなんでもありなシステムポケモンが、このうらこうさくファミリーだったわけです。
まあ言ったらデドダムみたいなもんですね。

ハッピーセット
大変お世話になりました

というわけでトリニティノヴァの中打点と後続育成能力、大きなおまもりやチェレンの気くばりによる耐久、ノコッチの特性による実質的な無弱点、スターバースやうらこうさくによる安定性、雪道ツツジによる安定した捲りと、全てを兼ね備えたアルセウスうらこうさくが新レギュレーション1発目の大型大会覇者として強烈なインパクトを残します。


CL愛知2022準優勝:ミュウVMAX


前環境の覇者ミュウVMAXも、結局引き続き環境を荒らしています。
このデッキもわからない人向けに簡単に説明すると、先述したゲノセクトVを複数展開しドロー加速を延々繰り返しながら、ミュウVMAXのワザクロスフュージョンで各種フュージョンポケモン(今で言う古代未来カテゴリ的なやつ)のワザを打ち分けて戦っていくデッキタイプです。

ブッ壊れ愛されデッキ


このデッキ、使い方は非常にシンプル。
まずは手札にあるボールを適当に使ってゲノセクトVを並べます。
するとあら不思議、山札が勝手にいっぱい掘れるので次のターンから手札に揃えたパーツでミュウを発進させダブルターボエネルギー1エネで190ダメージ、こだわりベルトかパワータブレット1枚があれば220ダメージで後攻1ターン目に置かれた相手のVポケモンを吹き飛ばします。
あなたの勝ちです。

あるいは後攻を取らされてしまったとしましょう。
先ほどと同じようにゲノセクトを多面展開したあとメロエッタを出しカミツレのきらめきを使います。
デッキからフュージョンエネルギーが2枚盤面にプールされるのであとはメロエッタにもう1枚フュージョンエネをつけてあげればメロディアスエコーで210ダメージ、こだわ以下略でなぜか非エクが後攻1ターン目から240ダメージを出せるので相手が先攻1ターン目に置いたVポケモンを吹き飛ばせます。
つまりあなたの勝ちです。

ほら、シンプルで簡単でしょ



……とまあ実際はここまで順当にいくことは毎回とまではいかないものの、バトルVIPパスがゲノセクトになり、ゲノセクトのドローがバトルVIPパスになるなど、ボール→ドロー→ボール→ドローを繰り返すことで安定して盤面を形成しながら、余ったサポート権でボスを連打して最速2-2-2を達成するもよし、小型ポケモン相手にはミュウVのサイコジャンプで受け回すもよし、後攻を取ったらカミツレのきらめき+メロディアスエコーでアグロしていくもよしと、やや攻撃面に尖りながらも大体なんでもできるバケモノと思っていただけたら問題ないです。


パワータブレットやこだわりベルトのバフ複数重ねがけによりテクノバスター280ダメージに達しVSTARをワンパンできるなんてこともザラで、その破壊力と再現性の高さからアルセウスにも有利を取れるかつアルセウスに強い闘タイプにも有利を取れるというまさに最強の名に相応しいデッキタイプでした。

ただ一つ弱点として、ルール持ちポケモンの特性でデッキを回転させていく都合上頂への雪道に対してはやや脆いという点があり、このCLの決勝戦でもアルセウス側の選手の雪道ツツジを起点に綺麗に捲られてしまう結果となってしまったわけです。

また小話的なアレとして、ゲノセクトの特性と噛み合いの良いカードの代表例、ウッウロボの存在にも触れておきます。


こちら一見手札を減らしてコイントスでギャンブルをするというまさしくプロモっぽいカードだな〜と思った方も多いと思います。
実際その通りではあるんですが、ミュウVMAXデッキに置いてはその評価は一変します。
先述したゲノセクトVの特性フュージョンシステムは手札が場のフュージョンの数になるようにドローする特性です。
つまり逆に言えば手札の枚数は常に最大6枚に固定されてしまうわけで、そのため能動的に手札を減らせるグッズの価値が非常に高いです。
という部分でこのウッウロボも同様に、そのターン使わなくて良いグッズや2ターン目以降のバトルVIPパスをコストとして処理しながらコイントスでオモテが出ればなんでも1枚サーチウラが出てもフュージョンシステムが残っていれば減った分の手札が増えてノーリスクと、ミュウVMAXデッキにおいては強力なグッズとしてほとんど4枚必須級のパワーカードと化すわけです。

さて、問題なのはここからです。

みなさんなんとなくお察しの通りこのカードはプロモ、しかもジムバトルで期間限定で配られて"いた"ジムプロモなわけですが、そんなカードが環境トップデッキに4枚採用されるということはどうなるか。

もうお気づきですね。






"カードラッシュポケモンカード様(@cardrush_poke)"より引用


A.こうなります。


キチキギス2000円、オーガポン1000円なんてもう比じゃありません。
この頃も実はうらこうさくジメレオンが1枚1000円したり、アルセウスVSTARが1枚1500円したりはしていたんですがそれでもこのウッウロボの価格は流石に正直常軌を逸しすぎていて、ミュウVMAXのシェアが活躍の割に伸び切らなかったのは大体コイツのせいです。僕も当時のミュウは諦めました。
あの、普通の人間はコインを1回投げるためだけに10000円も払わないし、デッキひとつを組むのに40000円以上も払いません。
全デッキに必須級のカードじゃなかっただけマシですね。

ちなみにここまで酷くはないものの、この手の高騰エピソードは以降も何回か出てきます。お楽しみに(?)


大会シーンに話を戻すと、CL愛知2022は大きく一つのくくりとしてアルセウス〇〇とミュウの完全2強を中心にメタゲームが生成され、そのメタデッキとしてさまざまなデッキの台頭もありました。

"キミナニヤットルネン(@naniyattornen)"様より引用


いちいち挙げ始めるとキリがないのでざっくりいくと、序盤にはコスパ◎のフーパ、中終盤には高火力を出せるガラルファイヤーの2体の非エクを中心に据え悪タイプアタッカーでミュウへのメタ性能も高いフーパファイヤーや、小物やアルセウスに強いれんげきウーラオスなんかは、メタデッキの中でも強かったと記憶しています。
詳しくは調べてみてね定期

他には(この頃はまだギリギリやってないけど)俗にWTB(ウォーターツールボックス)と呼ばれていた水タイプデッキが僕のお気に入りだったので軽く紹介します(自己満足)

写真フォルダにあったやつ、出自不明ですごめんなさい


1進化な代わりにベンチにしかエネをつけられないセグレイブみたいなモスノウの特性を主軸に、コストを切らない水タイプ限定大地の器であるたっぷりバケツや水タイプ版リップであるルリナなどを使用、うらこうさくのピック能力の高さと合わせて各種水タイプアタッカーを相手によって打ち分けるバレットタイプのデッキです。

エンテイVライコウVのカラバリであるコスパ重視アタッカースイクンVや、アルセウスメタのスターミーV、うらこうさくじゃない方のインテレオンの特性クイックシューターを駆使して打点を伸ばす破壊力特化のケケンカニV、そして高スペック非エクアタッカーのうらこうさくインテレオンやかがやくゲッコウガのげっこうしゅりけんなど、本当に多種多様なサイドの取り方ができる面白いデッキでした。

なぜかカニとヒトデがSRしか出てこんかった……


なおこのデッキ、非常に残念なことに次弾での"あの"水タイプ最強ポケモンの収録により、台頭して早々立場を奪われることとなります。



⑤:拡張パック「タイムゲイザー」(s10D)「スペースジャグラー」(s10P)


"https://www.pokemon-card.com/ex/s10/"より引用


Fレギュレーション拡張パック第2弾。
みなさんお馴染みオリジンディアルガVSTAR、オリジンパルキアVSTARの登場です。

タイムゲイザー主要収録カードリスト
雪道は初出ここじゃないけど入れたかった…ゆるして…


スペースジャグラー主要収録カードリスト
ヒスイのヘビーボール、リージョンかファンタズマじゃないんかいってね



今になって日の目を浴びてるカードも多いですね〜。最近話題のペラップやヤレユータンVなんかもここでした。

とまあそれはそれとして、この頃の環境で特に活躍したカードをいくつか見ていきましょう。

まずはなんといってもレジ軍団(?)の存在は大きいですね。

なんかやんや大型大会2回優勝してるバケモンども


盤面にレジを6体揃えたが最後、レジギガスの特性によって各種アタッカーを対面によって打ち分けることで異常な速度でサイドを獲得していくというコンセプトからしてメタデッキ寄りであるレジデッキは、当時Dレギュレーションに存在していた強力な各種特殊エネルギー(どうせあとで紹介するので今はスルー)の存在もあり、環境を破壊するには充分なスペックを有していました。

……と言いたいところですが、当時の評価としては(もちろん強いデッキではあるものの)回ったら強いがとにかく安定しない、よくてtier2止まりのデッキだったと認識しています。
特に当時の環境の速度感的に、レジが盤面に6体揃う頃にはギリギリサイド差が追いつかないところまで進んでしまっている、といったゲームが多発。
当時の環境トップデッキたちが軒並み安定感バツグンだったこともあり、デッキパワーに反して使用者がそこまで多くないデッキタイプでした。
まあバケモンなんですけどね。


しかしこんなバケモン以上のバケモンの存在に、世間の注目は集まっていました。
安定性、破壊力、スピード、盤面形成能力、全てにおいて他の追随を許さず超圧倒的な差を見せつけ、発売とともに環境トップの名を欲しいがままにした存在。


その名もオリジンパルキアVSTAR

みなさんご存知、大パルキア時代到来です。

登場から2年以上経った現在のFGHレギュレーションでも環境デッキの一角として活躍を続けるパルキアVSTARですが、当時の暴れっぷりはそれはもう尋常ではなく、一時代を作ったと言っていいほどに最強デッキの名を欲しいがままにしていました。

またまた説明用に適当に拝借
開拓がある程度進んだあとの構築っぽいのはご容赦


当時のリストは大体こんな感じ。
まあ構成要素の半分行かないくらいはアルセウスうらこうさくと一緒ですが、パルキアによる実質VSTARワンパンかがやくゲッコウガによるドロー加速+小物処理各種水タイプサポートカードによる恩恵などの相違点が、そのままデッキパワーの差となっている感じ。
カスタマイズ性もかなり高く、例えば上記のリストで言えばクロススイッチャー(2枚揃えたらプライムキャッチャーになれるグッズ)を抜いて空いた枠で安定性を上げたり、カイを増やしたりうらこうさくインテレオンを増やしたりなんだりと、プレイヤーのプレイスタイルや環境の微細な変化に合わせて構築が変わる柔軟性の高いデッキでもありました。

うらこうさくのサーチ先、スターポータルの切り方、あくうのうねりの打点をケアするベンチ絞りなどプレイングが難しい部分も多く存在することによる使用難易度の高さから上級者にこそよく好まれ、パルキアミラーを制した者がポケカを制すと言っても過言ではない時代が出来上がっていくわけです。

"おすぎ🔍環境自動分析システムつくるひと(@osgggg)"様より引用


だいたい4月末頃の分布データらしいですが、わかりやすくパルキアと、やはり対VSTAR性能が高いミュウの2デッキが環境を席巻していますね。
当時のパルキアvsミュウの相性関係についてはやや諸説ありますが、ミュウ側はベンチを並べて回していくデッキな都合上あくうのうねりと相性が悪く、加えてゲノセクトというウィークポイントを常に盤面に抱えながらゲームが進むため、個人的にはパルキア側にやや寄っている印象。
ミュウ側がメロエッタでサイドをズラそうとしても、げっこうしゅりけんがメロエッタとミュウVMAXに当たって、メロエッタ1→削ったミュウにあくうのうねりで3→ゲノセクト2と今度はミュウ側がサイドをズラされながら最速ルートを取られ兼ねません。
そんな感じでパルキアとミュウだったらパルキア使うか〜みたいな人もおそらく多く、ウッウロボの価格高騰とも合わせてミュウの使用者は横ばいをキープしています(たぶん)。

とまあいろいろごちゃごちゃ書きましたがとりあえずパルキアが最強なことだけ覚えていただければ問題ございません。
ここからの環境はしばらくパルキアを中心にメタゲームが形成されていきます。



⑥:強化拡張パック「ダークファンタズマ」(s10a)

"https://www.pokemon-card.com/products/s/s10a.html"より引用


そんな大パルキア時代に新風、Fレギュレーション2つ目の強化拡張パック「ダークファンタズマ」の登場です。

主要新規カードリスト


リストを見るとなんだか強いカード多くね〜?って思いがちですが、なんというか環境一線級の活躍をしたカードはほとんどなく、いぶし銀みたいなやつらが多いパックなんですよね。まあ強化拡張パックの在り方としては正しいの、か…?


目玉カードのヒスイゾロアークVSTARはぼちぼち活躍していた覚えがあります。
上限火力がかなり高くブン回ってしまえば先攻2ターン目から2-2-2を最速で取りに行けるということで、アルセウスには明確に有利パルキアに大しても先攻で2を取れればワンチャン勝てるな〜くらいの立ち位置で、シティリーグでも上位入賞はちらほらありました。
tier2くらいにはいたんじゃないんすかね。しらんけど

とまあこのパックの登場でも大きく環境が動くことはなく、結局パルキア一強の環境は変わらないまま、Fレギュレーション2発目の大型大会であり、シーズンの締めくくりでもあるポケモンジャパンチャンピオンシップス(PJCS)2022が開催されます。

"キミナニヤットルネン(@naniyattornen)"様より引用


下馬評ではパルキア、追ってミュウの2デッキが抜けて強く、tier2以下にはそのメタデッキを筆頭にさまざまなデッキが蔓延る環境となっていましたが、果たして結果はどうなったでしょうか。
入賞デッキを順に見ていきましょう。




PJCS2022優勝:レジギガス


はい、というわけでなんと下馬評ではtier3止まりだったレジギガスデッキが、並み居る環境デッキを抑え見事優勝を果たしました。
各種レジポケモンの打ち分けによるメタ性能の高さ頂への雪道による対VSTAR、ミュウへの蓋性能ブン回った時の出力の高さなどが要因し事前予想を大きく覆すこととなります。
ちなみにこのデッキの使用者はみなさんお馴染みバツローグさんことヤマノタケル選手
さすがのデッキ選択とプレイングでその名を改めてポケモンカード界隈に広く轟かせたのでした。


PJCS2022準優勝:オリジンパルキアVSTAR+インテレオン


続いて惜しくも準優勝のデッキは、やはりというべきかうらこうさくパルキア
クロススイッチャーの2枚採用やルリナの採用が特徴的で、最低限の破壊力は担保しつつも安定感や継戦能力に優れた構築となっています。
こちらの使用者もみなさんお馴染みキリカさんことササキヒロム選手であり、ヤマノタケル選手と共に後のポケカ四天王としてのご活躍はみなさんもご存知かと思います。

またこのPJCSでは続くベスト4の2名の選手の使用デッキもパルキアという異例の事態が発生しており、優勝こそ逃しましたがパルキアはやはりと言うべきかその圧倒的"力"を世に知らしめる形となりました。
またこのベスト4のうちの1人はみなさんお馴染みとーしんさんことイトウシンタロウ選手だったり、シニアリーグでは初代ポケカ竜王のハセガワアサキ選手、ジュニアではみなさんお馴染みウメハラハルク選手がいずれもパルキアを使用しそれぞれ準優勝、優勝を飾っており、まさに「強い人のパルキアってやっぱ強いんやなあ」というイメージが、世の中に改めて広く浸透していきます。

余談ですが僕もこの辺からポケカを始めて、始めて大型大会に応募したのがこのJCSでした。落ちました。

ちなみにあんだけぶっ壊れだなんだと騒がれていたアルセウスはものの3ヶ月ほどで環境トップの座から引きづり下ろされてしまったわけですが、このパルキアでさえも次の拡張パックのぶっ壊れたちにより環境トップから退くこととなります。

ポケカ大インフレ時代到来、このレギュレーションは変身をまだあと2回残しています。

おかしいですね。


⑦:強化拡張パック「ポケモンGO」(s10b)


"https://www.pokemon-card.com/ex/s10b/"より引用


JCSも終わり、ほとんどのポケカプレイヤーがオフシーズンにホッと一息胸を撫で下ろす中、異例の連続強化拡張パック発売です。

主要収録カードリスト
温情厚めでコレ…


一応主要カードをピックアップしてみましたが、見てもらったらわかる通りこいつ激シャバパックです。頑張って捻り出してこれ。アカン。

ただまあ〇〇シンボルのサンダーファイヤーフリーザーはそこそこ環境デッキに入るシーンを見かける汎用タイプ強化カードだし、ソルロックルナトーンは組み合わせたデッキがちょいちょい見かけられたし、かがやくリザードンたそがれのひらめきヤドランポケストップなんかは環境級と呼んで差し支えない活躍があったし、何かと話題に事欠かないとおせんぼカビゴンちゃんもしれっとここに収録です。
当時はカビゴンがメインのコントロールは主流じゃなかったので、大きく話題になることはありませんでしたが(なんならデッキ自体生まれてないまである?)

ただ当時から活躍していたカードとなると本当に少なく、それこそかがやくリザードン以外はこの頃は特別注目を浴びてはいなかった記憶があります。
その代わりといってはなんですが、こいつは情報発表時からちゃんと騒がれて、ちゃんと使われた良いカードだったと思います。
おかげで需要がここに集中してしまい、一時買取相場がぶっ壊れる異常事態が発生しやがりましたが、まあ1枚持ってればいいのでウッウロボよりは数億倍マシの精神ですね。ガハハ。

"カードラッシュポケモンカード(@cardrush_poke)"様より引用

(一応弁明(?)をさせていただくと、初動だと他のかがやく枠であるフシギバナ、カメックス、イーブイも1000円買取くらいはしました。かがやくポケモンにはとりあえずで4ケタが付けられる時代だったわけですね〜にしてもかがリザはだいぶやってますけれども)

当時は炎デッキのサブアタッカーというよりかはマグマの滝壺やキバナ、ツインエネルギーなどと合わせて早いターンの起動を狙うかがやくリザードンをメインにしたバレットタイプのデッキが主流で、うらこうさくを主軸に非エクのみでデッキを構成、ツインエネを共有できるミルタンクや、色エネが噛み合っているコオリッポクリムガンなどといった各種アタッカーを使い分けながら戦う、俗にうらこうさくリザードンと呼ばれるデッキタイプが存在していました。
僕もよく愛用していました。

主要カード
マジで好きなデッキ


とはいえ現在と同じように出張性能も高く、同じくバレットタイプのデッキとして各種環境デッキの弱点をつくメタデッキとしてタイムゲイザースペースジャグラー頃から活躍していたゼラオラフーパファイヤー(名前イカつ)なんかにはちょいちょい出張していた記憶がありますね。

三銃士
こいつらをうらこうさくとかキバナとかで動かします。またかよ


しかしかがやくリザードンは8月に開催されたWCS2022ロンドン大会ではそこまで目立った活躍もなく、必然的にこのポケモンGOというパックもしばらく日の目を見ることはなかったのでした。
まあじゃあ今日の目見てるかと言われるとそn(


とまあ、ポケモンGOの悪口紹介はこれくらいにして、このカードプール(一部使用不可カードあり)で開催された世界大会についても見ていきたいと思います。

ポケモンワールドチャンピオンシップス2022、開催地はロンドン。
コロナ禍で開かれなかった2年の時を経てWCSがついにポケカにも帰ってきます。

圧倒的王者パルキアを筆頭に、国内国外問わずさまざまなデッキが研究、開拓されていく中、栄光を勝ち取ったのは一体どんなデッキだったのか。
その歴史を今一度振り返ってみましょう。


WCS2022マスターリーグ優勝:アルセウスVSTAR


WCS2022マスターリーグ準優勝:アルセウスVSTAR


WCS2022マスターリーグTOP4:アルセウスVSTAR


WCS2022マスターリーグTOP4:オリジンパルキアVSTAR+インテレオン


というわけでなんと今大会ではTOP4のうち3名がいわゆるアルセウス〇〇と呼ばれる形の一番最初からある形のアルセウスの派生系を使用し上位入賞を果たす結果となりました。
いずれの構築にもそらをとぶピカチュウVMAXヒスイジュナイパーVSTARの進化ラインが採用されており、幅広い対面にメタを取れつつアルセウスが起動できなかったとしても最悪有色エネ+ダブルターボエネルギーで動けるサブアタッカーの起用により安定性とメタ性能を両立した形となっています。

また準優勝、TOP4にそれぞれ輝いたサーニーゴさんことシマダダイチ選手みやししさんことイシヤマリョウタ選手のデッキにはミュウVMAXに弱点をつけるガラルファイヤーVや水タイプの特性を止めることができる特性じんらいのめざめを持つサンダースまで採用されており、より環境2TOPを意識したメタ性能の高さも特徴的です。


一方下馬評圧倒的環境TOPだったパルキアは、上位入賞こそ多いもののJCSに続き優勝を逃してしまいます。
要因としてはまあTOP4デッキから見て取れるように、強すぎてメタられすぎちゃったって感じですね。なんやねんじんらいのめざめて

パルキア側もメタカードに対し弱点分散、耐久、対VSTAR性能で優秀なはくばバドレックスVMAXをサブアタッカーに据えた構築や、各種サブVアタッカーと併用したターボパルキア(気になった人は調べてみてね)なども開発されシェア数自体は最大母数、最強の地位は以前保っていたものの、デッキの自由枠をよりメタ性能に特化させたアルセウスなどのデッキに粉砕される結果となりました。
この辺は主にアルセウスを使用したプレイヤーのメタ読みとプレイングが上手くハマった感じですかね。

ミュウVMAXも同様に、トップカットでは数を減らしています。
パルキアと同様メタの対象になりやすい点や、パルキアと潰しあっていたことなどは想像に難くないです。

ちなみにこの頃くらいまでの僕は、ウェルカムキットすげーいいなー俺もいつか欲しいなーなんて鼻ほじりながらポケカYouTuberの動画を見漁ってたりしてるくらいのエアプで環境にあまり詳しくないため、間違ってるとこがあったらご指摘いただけますとありがたいです。。



⑧:拡張パック「ロストアビス」(s11)

"https://www.pokemon-card.com/ex/s11/"より引用


(時系列的にはかなり前後しますが)世界大会も終わりポケカも新シーズンに突入。
2023シーズン初の拡張パックであるロストアビスの登場は、環境に大きな影響を与えることとなります(n回目)。


優良カード多すぎ問題


例年この時期に発売されるパックでは環境を動かすカードが多数収録されますがこのロストアビスもその例に漏れず、発売当時から環境級に活躍するカードが多く見受けられますね。

特にドラピオンVなんかはミュウ相手に実質0エネでワザが使え、ミュウデッキの全てのポケモンをワンパンできるというあまりにも露骨すぎるミュウメタカードとして界隈をざわつかせた経歴があったりします。

190があまりにもゲノセクト意識すぎる
ガラサンでもここまで酷くなかったのに……


そしてなんと言ってもロストゾーンギミックの実装は新しい環境一線級のアーキタイプとして当時から一際強い存在感を放っていました。
足回り最強キュワワー、お手軽軽量アタッカーウッウ、意味不明に強すぎるブッ壊れ非エクアタッカーヤミラミ、強力フィニッシャー兼大体なんでもできるギラティナの進化ライン、強力ドローソースアクロマの実験、ハイパーエネ加速ミラージュゲート。
ロストという代償を背負った代わりにあまりにも高すぎるパワーを持ったカード群の登場は、当然環境を激震させます。
ちなみにFレギュレーションのカードの中で一番強いカードは僕はロストマインのヤミラミだと思っています。当時ポケカしてた方は共感してくれる方も多いのではないでしょうか。
1エネで120を好きなところに撒けるのは普通にやりすぎだってばよ……。

平均3ターン目、早いと2ターン目には飛んでくるバケモノ
ロスト10枚の条件なんてあってないようなもんです



というわけで各種ロストデッキが水面下で開発、研究されていき、新シーズン1発目の大型大会、CL横浜2023では多種多様なロストデッキがその猛威を振るうこととなります。詳しくは後述。



⑨:「VSTAR &VMAX ハイクラスデッキ ゼラオラ デオキシス」

"https://www.pokemon-card.com/products/s/sp.html"より引用


ロストアビスと同日発売のハイクラスデッキ。
特別環境に影響を与えることはありませんでしたが一応ご紹介。
収録カードが表紙のゼラオラ、デオキシスを除き全てミラー仕様の再録カードなので、ポケカオタクのレアリティ上げには貢献したとかしないとか……。

一応新規収録

ゼラオラの進化ラインはたま〜に大会で見かけないこともなかったような……。
デオキシスの方は、VMAXがやや話題だったものの結局そこまで使われず、VSTARの方はなんでか忘れたけど一時期サーナイトexに入ってた記憶がありますね。なんでやったっけな……またその辺の話書くときに調べておきます……。



⑩:強化拡張パック「白熱のアルカナ」(s11a)


"https://www.pokemon-card.com/products/s/s11a.html"より引用


シーズン初大型大会を間近に控える中、新たな強化拡張パックの発売です。


主要収録カードリスト
すくね〜

実はこのパック、ルカリオHR争奪戦というシールド戦が開催されたパックであり、基本的なカードパワーは当時基準でやや低めに設定されていました。
今でこそ活躍の多いかがやくフーディンやリファインのキルリア、少し遡るとメモリースキップのラルトスなんかもよく使われていましたが、この当時は「ああ〜〜〜、ね」くらいの感覚の評価でしかなく、発表当時から使われたカードとしては、ワイルドフリーズのフリーザー(パルキアのサブアタッカー起用)、かたきうちザマゼンタ(ロストのアタッカー)、セレナ、Vガードエネルギーくらいでしょうか。

言うてもセレナは実質ドロー付きボスだし、Vガードエネは主に無色VSTAR強化としていい感じに注目されていた記憶はあります。
かたきうちザマゼンタとかも、今見ても強いしなあ。

先述したルカリオHR争奪戦についても軽く触れておくと、こちら全国各地で開催される32人規模のシールド戦大会で、予選を抜けるとルカリオVのSRが、優勝者にはルカリオVSTARのHRが配布されました。
景品のルカリオV、VSTARは当然本イベント限定配布品のプロモカードとなっており、取引相場で最高価格50万円買取をたたき出したこともあって、プレイヤーたちはこぞってこのシールド戦の練習、環境考察に励んでいた記憶があります。

"カードラッシュポケモンカード(@cardrush_poke)"様より引用


ちなみにシールド戦のtier1カードはレシラムVだったんですが、僕はレシラムにタイプで不利なジャローダVSTARしかルール持ちを引けず、しかもレシラムを2回踏み、なんなら種切れで破壊されるという役満コンボで涙ながらに会場を後にした記憶があります。
結構練習したんやけどなあ………まあシールド戦なんてそんなもんやけど



とまあその辺の話は置いといてみなさんお待ちかね、ロストアビス+白熱のアルカナの発売を経て、新シーズン1発目の大型大会CL横浜2023開幕の時期がやってまいりました。
新たなロストゾーンギミックの登場で激変した環境を追っていきます。


"キミナニヤットルネン(@naniyattornen)様"より引用


大まかな下馬評はこんな感じ。
なんとなくの記憶ですが、プレイヤーによって評価が分かれるデッキがやや多かった印象がありますが、結果の方はどうなったのでしょうか。
早速見ていきましょう。










CL横浜2023優勝:ギラティナVSTAR


ポケカの人工増加に伴いCLの人数規模が拡大し、参加者3000人にもなったCL横浜2023。
その狭き門をくぐり抜け見事優勝に輝いたのはロストゾーン軸のギラティナVSTARデッキ、通称ロストギラティナでした。
ロストギミックの足回りの強さはもちろん、対非エクには非エクを、対VSTARにはギラティナ、VMAXなどには非エク+ギラティナなどをぶつけることで幅広いデッキタイプに対応できる上、素のデッキパワーが当時基準ではべらぼうに高く、さらにはパルキアの主要システムポケモンであったれんげきメッソンのHPが60であることからロストマインを駆使することでパルキアにも強く出やすいなど、環境デッキのギミックとしてはやはり突出していた点が多く、見事優勝に輝きます。


CL横浜2023準優勝:ロストゾーン軸


お次は準優勝。
こちらは今で言う赤ロスト、当時はロストヤミラミなんて呼ばれてもいましたが、その原型となるデッキタイプです。
とにかく早いターンでウッウ、ヤミラミを駆使し小さいポケモンを倒す性能に特化しており、対VSTAR、VMAXなどはウッウやヤミラミで削ったところにかがやくリザードンが対応。
などなど、まあこれも採用カードが当時のものになっているだけで今の赤ロストとほぼ同じですね。


というロスト2種が無事発売直後のCLで入賞を掻っ攫って行ったわけですが、今にはない当時のロストの要素として挙げられるカードがいくつかあるのでここでついでにご紹介します(以下しばらくロストオタクによるロスト語りが始まりますのでどうでもいいよという方はさーっと流しててください……)。


まずは優勝のギラティナに採用されているヤレユータン。

こちら特性がメインのポケモンで、今で言う夜のアカデミーに使用前ドローがついたポケモンなんですが、刷られた当時は山札の上を1ターン早く見られる代わりにドロー固定、サーチと併用して上手く使えば戻したやつシャッフルして実質1ドローのアド稼げるよ〜くらいのカードだったんですが、このカードの採用理由にはマリィというサポートが関係しています。

なんか検索して出てきたのがSRだった

ナンジャモの枚数固定版であるこのマリィというカード、主要ドローサポートとして様々なデッキに採用されており、当然ロストはギミックの性質上コイツの手札干渉の影響をモロに喰らうわけですが、そこでヤレユータンの特性さるぢえが活きてきます。
要は手にダブったアクロマを山上に戻しちゃえば実質ワンドローしながら次のターンアクロマが確定し、相手のマリィをケアしてるよねと、そういうわけです。
これによりロストは各種ボールから対手札干渉性能を獲得、中盤のゲーム展開をより強固で堅実なものにします。


次にガラルジグザグマ。
こいつは見ての通り出すと好きなところにダメカンを1個置けるということで、主にヤミラミやたまにウッウの打点補助として主に使われていました。
回収ネットで回収して出し直すと特性が2回はたらき、ヤミラミと合わせてHP70のポケモンを2体一気に取ることができ、これは相手の回収ネットでダメカンが乗ったポケモンを回収されて無駄にさせない戦術として、主に当時のロストミラーで勝負を分ける肝となっています。
今でもフライングエントリーのルチャブルで同じようなことはできるっちゃできますが、回収ネットないからベンチ圧迫するしなあ……。



ロストマインの話で言えば、やまびこホーンの存在も忘れてはいけません。
相手のトラッシュに眠るHPの低いポケモンを引きずり出し、ロストマインで無理やりサイドを取り切る凶悪コンボによって、特にパルキアなどはロストマインを完全ケアするためにはトラッシュのメッソンを山札か手札に返さないといけませんでした。
やまびこマインを喰らって死ぬか、ポケモンをトラッシュから回収して山札にゴミが増えてツツジでfinという強制2択は、数多のうらこうさく使いが通ってきた道でしょう。
少し前まではパルキアが打点補助兼裏呼びの的としても使っていたやまびこホーンですが、まさかこんな牙の向き方をされるとは夢にも思っていなかったのではないでしょうか。
ちなみにこのカードは次第にロストからは採用が消えていきますが、代わりの就職先をいくつか見つけて自身のレギュ落ちまで凶悪カードとして一定のシェアを保つこととなります。
まあ僕も普通に嫌いですね。グッズで勝手にベンチ埋めないでもろて。


いれかえ札に目を向けると、あなぬけのヒモというカードはいれかえ兼サイド取得効率に貢献する良カードだったと思います。
相手のデカいアタッカーや壁ポケモンを避けながらウッウにスイッチして簡単にサイドを取れる他、倒したくないポケモンや倒さなくてもいいポケモンが出てきても、こちらはキュワワーに入れ替えてはなえらびでパスする択も取れるため、高頻度で相手に揺さぶりをかけられ、ゲームのペースをロスト側に持っていくことができたりします。

が、反面ちゃんとデメリットもあって、普通に倒したいバトル場のポケモンがベンチに下がってしまったり、逆にベンチにいてほしい相手のベンチポケモン(それこそキュワワーなど)が前に出てきてしまったりと使い所はやや難しく、その辺は上手いとこ調整されてるなあといった感じ。
まあ調整されてるというか昔からある良いカードなんですけどね。そろそろ再録されても良いんじゃないかな?


クリリン


リソース回収札としてはこのクララも便利なカードとして主にロストバレットでの採用が多く見られました。
トラッシュからポケモンとエネを最大2-2で回収できるため、リソース回収をしながら倒されたウッウと逃げエネを拾ってもう一度おとぼけスピットを宣言したり、これ1枚でヤミラミを再セットできたりと、サポート権利と引き換えとはいえ次の攻撃が1枚で概ね確約するのが今振り返ってみると強かったなあと思います。
元々非エク全般と相性の良かったクララですが軽量アタッカーの多いロストへの採用でその活躍は一層際立っていました。



最後に回収ネット。
こいつもうむちゃくちゃロストと相性が良すぎて、前述したジグザグマの使い回しはもちろん、はなえらびしたバトル場キュワワーAを回収→ベンチのキュワワーBをバトル場に出してはなえらびすることでキュワワーを多面展開せずとも複数回はなえらびが使えたり、かくしふだの使い回し、ロストマインで撒かれたダメカンの回収、そもそも単純ないれかえ札としての活用などその用途は多岐に渡り、ロストの根幹といえば回収ネットだと言えるほどにはデッキの出力に貢献していました。

まあロスト云々つーかそもそも回収ネットが強すぎるという話もありますけどね、普通に。


とまあそんなこんなで当時のロストは今にはない強力な周辺パーツに支えられこともあり、発売後初大型大会で輝かしい結果を残したんですよ、というお話でした。

発売からの2ヶ月という期間でここまでのレベルに構築、プレイングを持って行った優勝のジュさんことナカジョウショウタ選手準優勝のkumeさんことクメガワカズキ選手始めCL横浜2023でロストを使い上位入賞を果たした選手の皆さん、改めておめでとうございました。



というわけでだいぶ話が逸れましたが、他の入賞デッキについてもサクッと見ていきましょう。


CL横浜2023TOP4:オリジンパルキアVSTAR


CL横浜2023TOP4:オリジンパルキアVSTAR


CL横浜2023TOP8:ミュウVMAX


CL横浜2023TOP8:ロトムVSTAR


CL横浜2023TOP8:ロストカイオーガ


CL横浜2023TOP16:ロストバレット


個人的に抑えておきたいデッキをざっくり抜粋してみました。

まずTOP4には前環境から引き続きのデッキパワーでパルキアがランクイン、続いてTOP8にもミュウがランクインと下馬評通り環境トップデッキがしっかりと入賞を果たしつつも、大型大会ならではのダークホース的なデッキタイプも同時に散見される面白い結果となりました。

特にTOP8のロトムVSTAR
俗にいちげきロトムと当時は呼ばれていたデッキで、各カードの詳しい解説は省きますが、環境トップのパルキアに対して弱点をつき低い要求でワンパンしやすい上、瞬間火力ではVMAXすらも一撃で倒せるためミュウとも戦えるということで、かなり環境に刺さっていたんじゃないかなと思います。
ぱっと見はややロストがキツそうなので、この順位に落ち着いたのでしょうか…?
ともあれあっぱれですね。


ロストカイオーガについても以降幾度となく大会入賞報告を見かけるデッキタイプとなりますが、他ロストデッキと同様に今大会初お披露目でDAY1通過者多数、TOP16に2名進出とその強力さをCL横浜という大舞台で世間に知らしめることとなりました。

こちら知らないよ〜って方のために軽く説明すると、

ロストで爆速山堀りして山札0枚
→エネルギーリサイクルやつりざおで山札をエネルギーのみにする
→カイオーガでサイド複数取りフィニッシュ

というコンセプトからして超シンプルなバカデッキです。

が、山札を掘り進めながらカイオーガでフィニッシュする準備の難易度がべらぼうに高く、ただでさえ難しいロストのリソース管理のさらなる難化、ゲーム中のはなえらび等の分岐によるゲームプラン変更、ロストマインによる適宜ダメカン調整、マリィやツツジに備えた山札作りなど、扱うのにプレイレベルの高さを要求されることから、デッキパワーの割に大きく流行することはない玄人専用デッキとして名を馳せたデッキでした。

なんかプレイ上手い人がめっちゃ上手いプレイでロマン砲ボカンを狙いに行くバカになるのが好きなんですよね。
僕はロストはギラティナが大好きだったのと大会でこれ使うの怖いのがあってほとんど触りませんでしたが、カイオーガがレギュ落ちするまでずっと強いデッキ良いデッキだったと思います。


TOP16のロストバレットは、俗に言う弱点バレットやらVバレットやらみたいなもので、各種環境デッキに対するメタアタッカーで戦っていくタイプの"バレット"味がより強いロストバレットになります。
パルキアにはライコウ、アルセウスにはガラルサンダー、ミュウにはドラピオン、レジギガスなどのたね主体にはコオリッポ、そしてロストミラー意識兼汎用アタッカーとしてのカビゴンといった感じで幅広い対面にメタアタッカーで優位に戦いやすい反面、特定対面で特定アタッカーに依存してしまう場面がどうしてもあったり、1枚採用のカードやエネルギーの色の多さなどによるプレイ難化、ロストに送るカードの噛み合いの悪さなどといった脆い部分もしっかり存在していて、特に大型大会では赤ロストやロストギラティナの安定感(楽さ?)に軍配が上がる結果になったのかなあと。
これは勝手な妄想ですが。


てな感じでCL横浜2023の結果ご紹介でした。
ほとんどロストの話ばっかしていた気がしますが、そのくらいパワーの高い新ギミックだったことは結果からも窺えるかと思います。白熱のアルカナ?なにそれ

華々しくデビューを飾ったロスト。
ですが誰もがロストこそ最強だと、彼らの天下を疑わない環境となったのも束の間、ポケモンカードは次の拡張パックによりまたもや新時代へと突入していきます。

大インフレ時代Fレギュレーション、みなさんお待ちかね最後の環境大変身です。



⑪:拡張パック「パラダイムトリガー」(s12)


"https://www.pokemon-card.com/ex/s12/"より引用


Fレギュレーション最後の拡張パック「パラダイムトリガー」の発売は、環境にそれはもうクソデカい激震を与えました。
なーにが"目覚めてしまった!"だよ。ふざけんなマジで。


主要新規収録カードリスト


通常弾としてのソード&シールドシリーズ最終弾であるだけに強力なカードが多数収録されていますが一旦置いといて、このパックで生じたハイパーインフレの話をしましょう。

アルセウス、パルキア、ロストの登場を経て磨かれて行ったプレイヤーたちの練度。
インフレにインフレを重ねながらも結局はプレイヤースキルがモノを言ってきたポケモンカードFレギュレーション編ですが、最終章にしてその常識はついに跡形もなくブチ壊れることとなります。

最後にして最悪なハイパーインフレの大元凶、ポケモンカードをメンコゲーに変貌させた諸悪の大権現こそが、みなさんご存じこのポケモン。


そう、ルギアVSTARです。

登場して丸2年が経ちもうすぐレギュ落ちしそうという現在ですら環境上位のデッキとして猛威を奮っているルギアですが、発売当時の暴れっぷりはそれはもう言葉で言い表すことすら恐れ多いほどバケモノじみたものでした。
ご紹介します。


フルパワールギアのココがすごい!


・アッセンブルスターが簡単

今でこそキャプチャーアロマやスーパーボール、テーブルシティなんかで運ゲーしたり、イキリンコ博士ゼイユなんかで無理矢理落としたりと試行錯誤が止まないアーケオスどうやって落とすの問題ですが、フルパワールギアにそんな悩みはございません。
しんかのおこうによる進化先への容易なアクセス、クイックボールやハイパーボール、オーロラエネルギー、セレナなどデッキを回す過程で無理なくアーケオスをトラッシュに送る手段の多彩さ、果てはバーネット博士から直接トラッシュにアーケオスを叩き込むという無茶苦茶なショートカットまで存在し、先3アッセンブルですら強力なのにも関わらず先2アッセンブル後2アッセンブルはもはや当たり前の世界がそこにはありました。

・各種カチ壊れ特殊エネルギーによるイカれアタッカーの乱立

今よりもアッセンブルスターが簡単なルギアですが、アッセンブルスターした後ももちろん今のルギアとは比べ物にならないほど圧倒的出力で対戦相手を粉々に破壊します。


主にルギアで使われていたアタッカー、特殊エネルギーを抜粋してみました。
基本的には非エクなのに相手を強制気絶させる(?)アメイジングイベルタル、かがやく枠兼実質いつ投げても強い非エク高火力アタッカーのかがやくリザードンの2体が主に採用され、ルギア以外のアタッカーは基本的に非エクで固めることで、サイド2-1-1-1-1を相手に押し付けていくわけですが、実質倒すのに5回殴らなきゃいけない相手から強制気絶の攻撃や1エネ250の攻撃が飛んできたらどうでしょうか。

そんなん負けるに決まってるんですよね。普通に。

人によっては好きなところに120×2を飛ばす(しかも雷タイプなのでルギアに強い)アメイジングライコウや、実質ごっつあんプリファイであるムーランドVなども採用され、どんな相手からもサイドを一気にもぎ取ることが可能でした。

またそれらアタッカーの起動には主にオーロラエネルギーという手札コストと引き換えに全ての色として扱えるエネルギーを必要としていたですが、この手札コスト、手札からポケモンにつけた時のみ発生するものであり、デッキからプライマルターボの効果でつけた時には発生しません。

これがどういうことかというと、無条件で全色として扱えるエネルギーがノーデメリットでデッキに4枚入れられて好きな時にその効果を発動できるって書いてあるってことなんですよ。しかも手札からつけた時はアーケオスを捨てられるオマケ付きという心優しい配慮までついてきます。バカです

バカ


と、ここまで散々ブッ壊れ非エクアタッカーたちの話をしてきたわけですが、じゃあ肝心のルギアは?置物ですか?そう思った方もいらっしゃるかと思います。
ご安心ください。先ほどご紹介した一覧の中にある1枚の特殊エネルギーの存在が、ルギアVSTARすらも最強アタッカーへと変貌させます。

その名もパワフル無色エネルギー。


効果は非常にシンプル。付いている無色ポケモンの攻撃を20バフするだけなんですが、その"だけ"が本当に強すぎました。

たたでさえVポケモンならワンパンができる高水準火力のストームダイブが、パワフル無色を3枚付けるとVSTARすらワンパン、4枚つければ300、ここにこだわりベルトをつけるとその火力は驚異の330にまで達し、ほとんどのVWAXすらワンパンしてしまうというイかれたワザに早変わりします。

これによりルギアデッキはHP280で最大330ダメージ出せるバケモノが妨害、展開スタジアムを破壊しながら、倒されても強制気絶を飛ばしてくる非エク低コストで250ダメージを飛ばしてくる非エクを後続に控えつつ殴ってくるという最強最大に頭のイかれたカチ壊れデッキとして、Dレギュレーションである主要特殊エネルギーがレギュ落ちするまでの約3ヶ月を暴れに暴れ尽くしたわけです。
ね?最強でしょ?


これにより当然環境はルギア完全一強時代に突入。
ルギアミラーによる先攻ゲーが全国各地至る所で発生し、プレイヤーたちの阿鼻叫喚が響き渡ることとなります。
先2アッセンブルには誰も抗えません。ポケモンカードはサイドを6枚取ったら勝つゲームではなく、じゃんけんに勝ってアーケオスを2枚トラッシュに落としたら勝つゲームへと無事変貌を遂げたわけです。







……と、ここでハイ終了となるほど、熟練のポケカプレイヤーは黙っておりません。
ルギアに苦しめられる中研究に研究を重ね、ついに!先2アッセンブルに抗えるデッキをとあるプレイヤーが開発することに成功しました。
そのデッキとは何なのか。果たしてどう先攻ルギアに抗うのか。
世間の注目が集まる中、シティリーグ入賞により世に放たれたデッキリストを見ていきましょう。









はい、そのデッキとはなんとルギアVSTARのことでした。パチパチパチ
この頃からすでに目には目を、歯には歯を、ルギアにはルギアを、といったように、ルギアのメタデッキとしてルギアを使う時代が到来していました。
みなさん、これが現実です。

詳しく見てみるとこちらのリスト、ゼクロムのワイルドショックをルギアVSTARに当てることで130×2=260のダメージを与えながらマヒ状態で1ターンを獲得し、次のターンチャーレムVのヨガループで残りの20を補填することによりさらにサイドを2枚取りながらEXターンを獲得することで、先攻後攻をひっくり返してしまおうというコンセプトのルギアで、これによりルギアは従来のルギアの先2アッセンブルで押し切るゲームに対する耐性を手に入れます。

やれるのか…お前ら……


というわけでルギアミラーに苦悩した約1ヶ月、プレイヤーたちの弛まぬ努力によりポケモンカードはようやくじゃんけんぽんで勝敗を決めるゲームから脱却……

したかに思えましたが、実はこのルギア、すぐに廃れていってしまいます。

理由はすごくシンプル。
対策されたら脆い割に対策が容易であることと、単純に要求が高くて決まらない。
これに尽きます。

ひとつめの対策が容易かつ対策に脆い点についてはわかりやすくて、このプラン実はいれかえ札1枚で瓦解してしまう上に、そもそもルギアが前に居なければ成立せず、また当時はいれかえ札兼ドローソースであるサポートとりつかいの存在もあったことで、知られてしまったあとのパワーがものすごく低くなってしまいます。
要は初見殺しの域を出なかったんですね。

ふたつめは言葉通りで、後手側でそもそもルギアVを1体多く置かなければいけない上に、ゼクロムとチャーレムのコンボを決めるためにさらにボール2枚プラスアルファの要求を求められ、構築を寄せないと再現性が低く、寄せすぎるとルギア以外のデッキにうっかり負けかねないということで、レギュ落ちまで一定数シェアは保っていたもののルギアの主流となることはありませんでした。


あと普通に、ここまでやっても先2アッセンブルに抗えるだけで別に勝てないっていう……。


てな感じでここからしばらくの間は強豪プレイヤーたちの手によってルギアをいかにルギアで倒すかに注力された結果、多種多様なルギアデッキが生まれては消え、生まれては消えを繰り返していくこととなります。




⑫:ハイクラスパック「VSTARユニバース」(s12a)

"https://www.pokemon-card.com/ex/s12a/"より引用


激サムルギア一強時代の最中、毎年恒例ハイクラスパックが発売されます。

主要新規収録カード


基本は再録パックなのでアレですが、11種類の新規カードの中で環境に影響を与えたカードも存在するので一応ご紹介。

かがやくムゲンダイナは手札から出すと山札から好きなVMAXを2体直接場に出せる踏み倒し能力を持ったポケモン
発表当時こそなんやコレ……って感じの評価でしたが、特性自体は強力なためデッキを選べば活躍の場は充分にあり、最終的には状況に応じてジュラルドンVMAXかそらをとぶピカチュウVMAXを踏み倒しメタ性能で戦っていくロストデッキに採用され一定の活躍を見せてくれました。

メタ範囲:大体のデッキ


空の封印石もまたVSTARパワーが余りがちなロストデッキにこの頃はよく採用されていて、ルギアVSTARを空の封印石+ライコウVで倒してサイドを無理やり有利交換したり、ミュウVMAXを空ドラピオンVで倒して4枚→ゲノセクトVを倒して2枚取って2回の攻撃でゲームエンドに持っていくプランなどなど、Vポケモン主体のロストバレットの理不尽ムーブのひとつとして活躍していた記憶があります。


あとややどうでもいいけど、このパックからハイクラスパック恒例となっていたCHR(キャラクターレア)といポケモントレーナーとポケモンが描かれたレアリティが廃止され代わりにAR(アートレア)が実装、またそれまではSRのうちの希少個体(?)として扱われていたSA(スペシャルアート)と呼ばれるSRが、SAR(スペシャルアートレア)として明確に区分されるようになりました。

左:CHR    右:AR
SRとSAだけど当時はどっちもSR表記



とまあそんなこともありつつ環境にVSTARユニバースのカードも加わり、ついにDレギュレーション最後の大型大会CL京都2023が開催されます。


"キミナニヤットルネン(@naniyattornen)"様より引用



今回は環境が少し特殊なこともあり、趣向を少し変えて事前メタゲーム予想的なところからお話ししていきます。

というのもこの環境、ルギアVSTARのデカすぎる陰に隠れたイカれクソデッキたちが跳梁跋扈していた歴代でも類を見ないほどの超絶修羅環境で、ルギアミラーに辟易したデッキビルダーたちによる決戦兵器VSルギアVSTARという構図が、全国各地で発生していました。

具体的には

・なんやかんやで一生強いミュウVMAX
・空の封印石やかがやくムゲンダイナ、カイオーガなど多種多様なコンセプトで環境に立ち向かうロスト
・結局ブン回ったらパワー最強(ルギアと同レベル?)なレジギガス
・中火力中打点中耐久速攻グッズロック、クワガノンレジエレキ
・ルギア&ミュウへのメタ筆頭ジュラルドンVMAX
・メタ範囲:環境に存在する全てのデッキというブッ壊れ非エクバレット、ゾロアークバレット

などなど、当時事前メタゲーム予想で名を挙げていたこれらのデッキは、今環境にいたら確実にtier1.5以上は硬いだろうなというバケモノばかりで、そんなバケモノがひしめき合う大魔境がこのVSTARユニバース環境というわけです。




その中でも頭が抜けていたのがやはり前環境からその存在感を一際強く放っていたロストバレットとミュウで、シェアで言えばルギアと合わせてこの3デッキでおおよそ60%ほどを占めており、CL京都でもこの3デッキを中心にメタゲーム、優勝予想が形成されていきました。


というわけでここまでが当時の事前メタゲーム予想となります。
これを踏まえてみなさんお待ちかねCL京都2023入賞デッキを見ていきましょう。






CL京都2023優勝:レジギガス


はい、というわけで優勝はまさかのレジギガス。マスターリーグ大型大会ではJCS2022に引き続き2回目の優勝となります。

こちら前環境から特に変わった部分などはなく、頂への雪道によるロック下でのパワーの高さがそのまま環境にブッ刺さり、見事優勝を果たしたといった感じでした。
強いて言えばテラスパークのレジエレキが若干厚めに採用されておりルギアやロストに対しメタを張っていたのと、白熱のアルカナで登場したセレナが手札のエネルギーをトラッシュに送りながらドロー加速する役割とボスの指令の役割を同時に担えることで安定感が少し向上していたのは、変化として挙げられますが、ギミックのパワー自体が大きく向上したというわけではなかったため、やはり回ったら最強の名は伊達ではなかったということでしょう。


CL京都2023準優勝:ルギアVSTAR


惜しくも準優勝だったデッキはルギアVSTAR
下馬評通り決勝トーナメント出場者数最大でかつしっかり上位入賞といった形になりました。

こちらも特筆する部分があまりないオーソドックスな形のルギアで、なんやかんや一番シンプルに組んだルギアが一番強いんだなあと世間の評価が定まった瞬間でもありました。
本当に言うことないですね、このデッキは最強です。


CL京都ベスト4:ロストカイオーガ


ベスト4にはロストカイオーガが見事ランクイン。
こちらはCL横浜の項でデッキの大枠は解説したのでここでは省略しますが、カイオーガ以外に目を向けると先述した空の封印石を活かすためのライコウVの採用や、無色タイプ(主にルギアのムーランドV)に対するメタアタッカーとしてジガルデが採用されているのが特徴的ですね。

ミュウや雑多な大型デッキに対してカイオーガのアクアストームがやはり広く強力な点、トップシェアのルギアにはサブアタッカーでメタを張れる点、シンプルなロストギミックのパワーの高さなどの要素で、これまた下馬評通りしっかりと上位入賞を果たす結果となりました。

ちなみにこのベスト4プレイヤーはやる気元気でみなさんお馴染みのHaruさんことミワハルキ選手で、ミワハルch【CL優勝ベスト4】のベスト4の部分はこのベスト4のことだったりします。すごくためになる最強プレイヤーの超絶わかりやすい超絶有益なポケカ対戦、環境解説動画が観られますので下記リンクから皆様是非覚えて帰っていっていただければと思います。

https://youtube.com/@harum_pokepoke?si=xlZqv6eJOkpy1x7c

またこのロストカイオーガデッキの詳細が知りたい方は、彼が当時書いたスーパーわかりやすい全文無料解説記事がございますので、合わせてチェックの方よろしくお願いいたします。(ついでに当時の環境全体についてもざっくりわかります。便利すぎ〜)
ちなみに僕は彼の回し者ではございません。


https://note.com/haruer4/n/n9de47e30d4cb




CL京都2023ベスト4:ムゲンダイナVMAX+ガラルマタドガス


そしてもうひとつのベスト4の紹介……と思いきやいきなり知らないデッキが出てきました。ご紹介します。

こちらムゲンダイナVMAX+ガラルマタドガスデッキ、通称ドガスダイナと呼ばれるデッキタイプで、ガラルマタドガスの特性かがくへんかガス+マリィなどの妨害により相手を足止めしながらムゲンダイナVMAXを育成、マタドガスで崩れた相手の弱い状態の盤面をムゲンダイナの高スタッツで荒らして勝ち切るといったものになっています。
今で言うスボミードラパルトにやや近い感じの使用感と思ってもらえれば大体OKです。
違いと言えば、誇張抜きにガラルマタドガスが強すぎてコイツでワザ宣言しているだけでゲームが終わることがめちゃくちゃ多いくらいでしょうか。

こちらのデッキ、事前メタゲーム予想で一切名前が上がらず、本当にこのデッキが入賞することを予想していたプレイヤーはほとんど居なかったため、完全に環境外のダークホースデッキが突如として現れCL入賞を掻っ攫って行った形となります。

どうしてそんなことが起きたのか。

その答えは超シンプルで、このデッキのギミックが環境にブッ刺さりまくっていたからなんですね。


・メインアタッカーであるムゲンダイナVMAXがパワフル無色エネルギー×4+こだわりベルトをつけたルギアVSTARのストームダイブ330ダメージで倒されない340という高いHPを持ちながら、最大270ダメージを出せ、ガラルジグザグマの特性や毒のダメージと合わせるとルギアを容易にワンパンすることができるワザドレッドエンドを持っており、ルギア初め対VSTAR性能が著しく高かったこと。

・ポケモンの特性を中心にデッキを回すことがほとんどだった環境なためガラルマタドガスの特性ロックがあまりにも効果的であったにも関わらず、後攻なら進化前のドガースのかくせい、先攻ならクロバットVのドロー特性や森の封印石で容易にタッチできるぐんぐんシェイクにより、1ターン目からかなりの再現率で特性ロックをかけていけたこと。

環境上位のミュウVMAXにタイプ上有利を取れ、イージーウィンが多発すること。

・複数のクロバットVによりデッキを回転、サポート権を余らせやすいためマリィによる妨害が容易なこと。

・上記に加えビッグパラソルによるイベルタルの即死拒否やシンオウ神殿多投によりさらにルギアへの対策を厚めに取れること。

・その他雑多なデッキに対してもムゲンダイナのスペックの高さ+ガラルマタドガスの妨害範囲の広さにより優位に立ち回りやすかったこと。


などなど挙げ出したらキリがないほど勝ちデッキ要素満載なこのデッキでしたが、周囲の話を聞く限りでは昔のドガスダイナと相性の良かったガラル鉱山でマタドガスに寄せた構築のみ調整段階で試していた人や、シンプルにマタドガスの特性ロックの硬さを信じきれていなかった人が、使用に踏み切れなかったといった感じでした。

当時から一貫してガラルマタドガスの環境への刺さりを評価していた人は多かったものの、相方探しに難航したと言うのも大きいかと思います。

ドガスクロバット(VMAX)やらドガスうらこうさくやらドガス(ヒスイ)ダイケンキやらドガスミュウやらドガスプテラやらなんやらといろんなデッキがありましたが、結局オーソドックスにムゲンダイナと組ませるのが一番強かったわけですね。

ちなみにですが実はトップ16のなかに進出者が2人いて、デッキ全体の母数から見たトナメ進出割合で言えばルギアより高い数字を誇っていました。
CL後のシティリーグでシェア率も急増し、環境的に完全な勝ち山だったことがわかります。

あとこれは余談ですが、マタドガスで1ターン目から特性ロックしながらマリィで一生相手を妨害しムゲンダイナを育成、あわよくばそのままロックで勝ち切るというアルティメット激寒陰キャ戦法をメインプランとしていた割には、このデッキがひとたび配信に映ればコメント並びにTwitterは大盛り上がりを見せていました。

これはもちろん対ルギア決戦兵器筆頭であった、ダークホース的立ち位置だったというのも理由としてありますが、何よりコロナウイルスの影響により圧倒的tier1だった全盛期に大型大会での活躍の機会を奪われ、その後目立った活躍も大きくはなく、その割には数多のメタカードを刷られた挙句シンプルにFレギュのインフレに置いてかれてしまっていた悲しき元王者ムゲンダイナの根強いプレイヤー人気と、その元王者がレギュ落ち直前の最後の大型大会で突如ダークホースとして復権という奇跡的なドラマがかけ合わさったことで、苦しい顔をしているのは常に相手プレイヤーであったのにも関わらず、ムゲンダイナは大多数のプレイヤーを味方につけることに成功したわけです。

ガラルマタドガスの特性ロックが意味不明に強すぎて、相方がムゲンダイナじゃなかったら確実に暴動が起きていたと思います。あぶねーマジで


というわけで、レギュ落ち直前最後の最後に大型大会での入賞を成し遂げたムゲンダイナ大躍進撃をご紹介いたしました。

より詳しい話が知りたい方は、このドガスダイナを全文無料で解説したnoteがございますのでよろしければそちらご覧ください。

ちなみにすぐバレると思うのであえて言いますがそのnote執筆者は僕で、つまりこのトップ4のドガスダイナのプレイヤーは僕ということになります。
当時叩かずに応援、賛辞をくださったみなさん、CL後に話しかけてくださったみなさん、本っ当にありがとうございました。
長々とした実質自語りみたいになってしまい恐縮ですが、勝ったのが僕じゃなかったとしても同じ熱量でお話をしていたと思うのでそこは許してください……(さっきもフルパワールギアとかほら、気合い入れてdisってたし…)

今見るといろいろと恥ずかしい文章ですね。精進します。。



続けてベスト8以下の構築もピックアップしてざっくり見ていきます。



CL京都2023ベスト8:雪道ミュウ


ベスト8には下馬評でtier1.5(ルギアのみがtier1なので実質tier1ですが)に存在していたミュウVMAXの姿が……と思いきやこれまた今までのミュウとは違った見たことないミュウがランクインしました。

こちらただのミュウVMAXデッキではなく通称雪道ミュウと呼ばれるミュウの亜種であり、その最大の特徴は本来ミュウVMAXのメタカードであるはずの頂への雪道が多投されているということです。

これどういうことかというと、自分のターンにフュージョンシステムでデッキを回す→雪道を貼ってワザを撃ってパス→次の自分のターンに前のターン引き込んでいたロストスイーパーを使い雪道を剥がしまたフュージョンシステムでデッキを回す→雪道を貼ってワザを撃ってパス、という一連の動作を繰り返すことによって、実質相手のターンのみ雪道による妨害を可能にしていたというわけです。
意味わかんないでしょ。でもこれができちゃうのがミュウの恐ろしさなんですね。
まさかCL愛知2022で散々苦しめられたはずの雪道すら味方につけてしまうとは、ミュウ自身も夢にも思っていなかったのではないでしょうか。
強豪プレイヤーの開拓力には脱帽と言わざるを得ません。

そんなトンデモコンセプトのミュウですが、ドガスダイナと同じくこのCL京都で特に日の目を見るようになり、以降フュージョン型の元々のミュウと異なるもうひとつのミュウとして定着、活躍していくこととなります。
ちなみに本大会においては、トップ16のミュウの中でフュージョン型は0でした。
それだけ雪道(というか特性ロック)が強力な環境だったことの裏付けになっていて面白いですね。


CL京都ベスト8:ルギアVSTAR


ややおもしろ枠としてアメイジングカイオーガが採用されていたルギアがいたのでピックアップ。

ムーランドVの代わりにアメイジングカイオーガの採用でロストバレットを見ていたり、同型での先アッセンブルの牽制や自分がアッセンブルしたあとの蓋の役割としての雪道が採用されていたりと特徴的な部分が多く、デッキ全体としてややメタに振ったところが上手く刺さった形でしょうか。
その上で最低限のバランスを保った見事な構築だと思います。

こちらの方も当時のデッキの解説記事があるとのことでしたので、デッキのご紹介がてらリンクを貼っつけておきます。

https://note.com/kattunpokeka/n/na203f371c73a


ちなみにこの方僕がトナメ2回戦で対戦した方で、その後JCSでたまたま再戦したりなどしているのですが、すごく上手な方でよくnoteも出されているということで、今後のnoteも参考になると思います。要チェック。

(ちなみになんで急にnoteの宣伝をやたらめったらし始めたかと言うと、上位入賞者が全文無料で解説記事を書いている大型大会が今回のCL京都くらいしかなかったからですね。みんな今更昔の有料記事なんて買わんでしょという)


CL京都2023ベスト16:ドガスルギア


こちらは先ほど一瞬名前の挙がったドガスルギア。
先述通りガラルマタドガスの特性ロックが単体で強力だったということで、ルギアの準備ターンをマタドガスに一任しようというコンセプトのルギアとなっています。
マタドガスによっている分ルギアの枚数が少なかったり雪道やハイド悪エネルギーが厚めに振ってあったりしてますが、それ以外の大枠は普通のルギアですね。
雪道+マタドガスの二重特性ロックによってスタジアム破壊+裏呼びという高い要求を実質強要させることで、安全にルギアが着地できるのが強みとなっています。


CL京都2023ベスト16:ハピナスV+ミルタンク+イベルタル


ミルタンクの発表当時から耐久&メタデッキの筆頭だったハピナスミルタンクが、特殊エネルギー破壊のイベルタルを多投することで対ルギア、ミュウ性能を獲得したことによりトップ16に入賞を果たした、元祖お前いつまでおんねんデッキです。
マジでお前いつまでおんねん。

ミルタンクとイベルタルは割とメタポケモンオブザイヤーな気もしなくもない



CL京都2023ベスト16:雪道ミュウ+かがやくジラーチ


最後にもうひとつのおもしろ枠として、かがやくジラーチルミナスメイズの森が採用された雪道ミュウのご紹介です。

もういっかいあそべるドン!


こちらのデッキ、制作者は面白デッキビルダーとしてTwitterでよくお見かけする(よね?しらんけど)うしこさんで、かがやくジラーチの他にも英雄のメダルの採用によりCLで急増したムゲンダイナともギリギリ殴り合える1を挟んだサイドプラン(ジラーチ含め1-2-2-2など)を展開できるところで、序中盤の安定性の確保と環境に対する優れた立ち回り、ジラーチのワザによる1を引く性能などを兼ね備えた良いデッキでした。


ちなみにこのうしこさんとはトナメ1回戦で対戦したのですが、僕の手札が下振れに下振れた挙句やっとの思いで立てた1体しか居ないムゲンダイナVMAXを唐突に出てきたジラーチに狙われ、コイントスによるワンチャンで危うく負けかけるというあまりにも心臓に悪い珍事件が発生しました。
本来ならムゲンダイナ側がデッキ単位で相当有利な都合上ムゲンダイナ1体でも戦えるマッチアップなのでなんとか1体で頑張ろうとしていたところを見えないところから出てきたジラーチ+ルミナスメイズに拾われかけた形になります。
結果的に運に味方され事なきを得ましたが、油断や慢心が禁物であるとよくわかるワンシーンでした。

(というか今更気づいたけど当時の僕なんか面白デッキ処理班みたいになってますね……。予選でとおせんぼカビゴンとふりそでが入ったルギアに2回当たったミュウツーV-UNIONコントロールにも当たったし……)
まあみんないろんなやり方で各々ルギアに抗おうとしてたんですかね……。



とまあ少し長々と語りすぎた気もしますが、そんなこんなでDEFレギュレーション最後の大型大会CL京都2023も終わり、レギュ変更までの残りの1.5ヶ月ほどでCLの結果を受けた環境はまたもや激変、ドガスダイナや雪道ミュウ、レジギガスのシェアが伸びたり、そんな中でも結局ルギアが不動のtierGODを守り切ったりといろいろありつつも、無事1/20の新弾の発売と共にレギュレーション変更を迎えることとなるのでした。



終わりに


というわけでFレギュレーション振り返り企画第一弾DEF編、いかがでしたでしょうか。
約30000文字とかなりの大ボリュームとなってしまいましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
拙い文章や朧げな記憶を必死に誤魔化し誤魔化しな部分もございますので、どうか暖かい目で見守っていただき、当時を知っている方は一緒に環境を懐かしみ、当時を知らない方はこれを機に自分が普段使っているFレギュレーションのカードの歴史に触れていただく機会になれば幸いです。

まだまだ書き切れない部分も多々ありますが今回はこの辺で、次回EFGレギュレーション編でお会いしましょう。
ちなみに更新予定日は未定です。果たしてFのレギュ落ちまでに全部書き切れるのでしょうか……。



ところでこの調子で行くとFGH編を書き切るまでに約10万文字も書く計算になるんですがいろいろと大丈夫でしょうか……。

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