はじめての全身麻酔 その8「手術後も苦労が絶えない」
最近、甲状腺腫瘍切除とバセドウ病治療のため
甲状腺を全摘出する手術を受けました。
その時のお話です。
これから全身麻酔の手術を受ける方(特に男性)の
参考になればと思い、
また自身の記録用に、書きます。
(前回のあらすじ)
甲状腺摘出の手術は無事成功。
その後地獄のHCU(高度治療室)で経過観察が始まるも
なぜか早々と自分の病室への移動が決定。
安心したのもつかの間
尿道痛との格闘が始まった。
尿道痛もさることながら
やはり手術直後はたいへんなことが
たくさんありました。
今回はそのお話。
術後1日目
着替え
そもそも術後から尿意がけっこうある。
その理由はわからないけど
下半身にT字帯は装着しているものの
ズボンを履いていないから冷えるんだと直感。
看護師も「ズボン履いてみますか?」と
言ってくれたので履き替えることにしました。
それが手術後の夜中3時くらい。
そして、これがそう簡単には履き替えられないのです。
前回も述べましたが、
・左手中指に酸素を測る機械
・左手手の甲に点滴
・右胸あたりにドレーンチューブ
・胸全体に心電図の電極
がついており、
ドレーンチューブの先には廃液を入れる箱が
つながっている状態。
そして点滴はスタンドに吊るされている状態。
この状態で着替えをすることは不可能に近いのです。
しかも現在僕が履いているのは
T字帯というわけのわからない履物。
パっと見ればどういうものでどこから剥がして脱ぐとか
わかるんでしょうけど
首の手術をしたばかりで下を向けず、
おまけに多種多様な機械がついている体では
自分の下半身を見ることすらできません。
ワンピースみたいな長さの
手術着のままでしたから
左手が不自由な状態で
めくるのも一苦労。
「T字帯はマジックテープなので
ぐいっとひっぱれば剥がせます!」
と看護師に言われるも
なかなか剥がせない。
見かねた看護師が手を差し伸べてくれましたが
傍から見たら「何やってんの?」という恰好。
なんせ看護師がフルてぃんに近い
僕の下半身に手を伸ばしてごにょごにょやってるんですから!
(もちろん何もありませんよ!)
けっきょく看護師のおかげでなんとかT字帯を脱ぐことに成功。
その後パンツ、ズボンと履くのですが
これも片手ではなかなか難しく、
看護師に手伝ってもらいました。
あの時の看護師さん、フルてぃんの僕を救ってくれて
ほんまありがとう!
食事
これも各種機械がつながっているおかげで
最初のほうの食事は大変でしたね。
左手でドレーンチューブの箱を持ち
点滴スタンドを押さえながら
右手のみで食事。
座っているとはいえ
体制を崩すとコケそうになるので
バランスを取りながら。
あと当然、首というかノドが痛いので
ノドの痛みに耐えながら。
この時ストロー付きのペットボトルキャップが
非常に役立ちました!
なんせ上向けないので、飲み物は
ちゅーちゅー吸うしかありませんでしたから!
事前に持ってきておいて正解でした。
ちなみに手術後初の食事は
ごはん、味噌汁、ボイルサラダ、炒り卵、ふりかけ。
いやいやおかずがないがな(TOP画像参照)!
でも1日ぶりの食事。
非常に美味しくいただきました。
尿道痛と点滴スタンドと機器類と格闘しながらも
一人でトイレに行けるようになり
少し心に余裕が出てくると
今度はもっと自由に動きたくなってしまう。
次に邪魔だと感じたのは点滴でした。
これがあるから点滴スタンドがあり
この点滴スタンドが各種動きを抑制します。
とにかく術後1日目はベッドでおとなしくしてるしか
ありませんでした。
この日は看護師が体を拭いてくれ
手術着からようやく普通のパジャマに着替えました。
それだけでだいぶリフレッシュしますね。
そして午後イチに診察がありました。
心電図と中指の酸素計測器は外れたけど
点滴とドレーンチューブはまだそのまま。
つまり左手で点滴スタンドを支えながら
ドレーンチューブの箱を抱えたまま
エレベーターで3Fへ。
看護師はついてきてくれませんでした。
この格好で一般の患者とかとすれ違うの、イヤやなぁ…。
なんせドレーンチューブの箱(プラスチックで透明)って
身体からの廃液を溜めているのですが
当然血なのか何なのかも吸い上げますから
見た目血を溜めているように見えるのです。
(つまり真っ赤な箱を抱えている状態)
案の定、すれちがった家族連れの10代前半女子に
「マジか!?」と言われてしまいました…。
診察の結果、術後の経過は良好。
心配していた声帯も無事に動いているので
声がかれることはないとのこと。
ホっとしましたー。
診察後には点滴が外れ、
左手が自由に使えるように!
ただぼーっとしていて
何もする気になれず
ひたすらベッドで横に。
たまにそのまま眠っていたりしていたので
けっきょく夜眠れるはずがなく
さらにナースセンターに近い病室でしたから
看護師のバタバタする音や
心電図?のピコーンとかピピピピみたいな音が
ひっきりなしに鳴っていたので
すぐには寝つけず。
睡眠剤をもらって飲んで寝ました。
聞けばだいたいみんな飲んでいるとのこと。
やはり皆さん眠れないんですね。
術後2日目
この日午前中に先生が来て
ドレーンチューブを抜いてくれました。
ようやく体についていた機器が
ぜんぶとれました!
この頃には尿道痛も少し和らいでいたこともあり
なんか自由を得たかんじ。
こうなれば意欲が湧いてくるもので
1日中ネトフリで映画を見たり読書をしたり。
誰にも邪魔されずに自分の好きなものを見るという
非常に贅沢な時を過ごさせてもらいました!
術後初めてのシャワーも気持ちよかったですね。
妻は毎日来てくれていたのですが(感謝!)、
この日は母親と弟が見舞いに来てくれました。
自分は元気ぶりをアピールしたつもりでしたが
ノドに見えている傷と貼られているテープを見て
ひいてましたね。
入院は計7日。
最後のほうはもう普通の生活が送れるまでに回復していました。
最後の日に初めてくしゃみをしました。
やはりノドには響くけど、問題はなさそう。
この入院期間中でいちばんしんどかったのは、
やはり手術直後のHCUとその後の自室に戻った数時間くらいで
後は優雅に過ごさせてもらいました。
でも全身麻酔でノドをパックリ開いた手術だったのに
2日程度で機器類が外せてある程度自由になるなんて
やはり医療の進歩を感じます(患部や尿道は痛いけどね)!
まとめ
今回全身麻酔手術を受けた感想も含めまとめです。
・尿道カテーテルの痛みがいやなら
術後麻酔が効いているうちに抜いて!と伝える
・尿瓶でのオシッコはやっぱり恥ずかしい
・HCUで経過観察のための待機時間はしんどい
・ちょっと高くても個室に入院すべき
・ストローつきのペットボトルのフタは便利
初めて全身麻酔手術を受ける方(特に男性)の参考になれば!
(おわり)