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はじめての全身麻酔 その7「あの痛みとの格闘」

最近、甲状腺腫瘍切除とバセドウ病治療のため
甲状腺を全摘出する手術を受けました。

その時のお話です。

これから全身麻酔の手術を受ける方(特に男性)の
参考になればと思い、

また自身の記録用に、書きます。



(前回のあらすじ)
甲状腺摘出の手術は無事成功。

手術後、HCUに入れられるが
あまりの居心地の悪さと
尿瓶を使う際の恥ずかしさに耐えられなくなる。

そうすると天の助けか、予定よりもずいぶん早く
病棟の自室への移動が決まる。


手術が始まったのは13時。
終わったのは16時30分。
実に3時間半にわたる手術でした。

その後HCUにいたのが4時間ぐらいですかね。
とにかく病棟に戻れるというのでホっとしました。

前述しましたが
HCUは居心地が非常に悪かったんですよね。

寒いとかオシッコの時に気を遣うとか以外にも
部屋には蛍光灯の灯りが煌々とついているし
看護師さんたちの話声も聞こえるしで
まったく眠れる気がしなかったのです。
(そもそも寝ないといけないわけでもないのでしょうけど)

寝ているベッドごと3Fから8Fへ。
寝ている状態であちこち向きを変えたり
エレベーターに乗ったり。
ちょっとだけジェットコースターに乗っている気分。

無事に部屋に到着しました。
部屋は暗く、自分専用。他には誰もいない。
ああよかった。
そう思いました。

がしかし。

看護師の次の言葉で凍りつきます。
「部屋に帰ってきたけど
オシッコは尿瓶でするから呼んでくださいね」

ええー!いやだぁ!
けっきょくトイレ行きたくなるたびに
めちゃくちゃ気遣うやん!

「もう1人で動けます!」
「なんとか自分でトイレに行けますから!」
と機器でがんじがらめの体では説得力ないなぁと
自分でもわかりつつ抵抗を試みました。

すると
「わかりました。じゃあ1回歩いてトイレに行ってみましょうか?」
と。

よかった!
言ってみるもんだ!

酸素を測る機械が中指についた左手(この時点ですでに不便)で
点滴スタンドを持ち、
胸に突き刺さっているドレーンチューブ
(手術した部位付近に溜まる余分な廃液を外に出す管)の箱を持ち、
心電図の電極がとれないように気をつけながら
なんとか自力で部屋のトイレまで歩きました。

たった2メートルほどしかない距離。
でもこの2メートルが遠い!

そしてトイレ到着後
それらの機器を抱えながら手術着の上着をめくり、
T字帯をはずし、便器に腰を下ろす。
むしろトイレに着いてからがたいへんでしたね。

そして実際にオシッコをしてみました。
(この間看護師は部屋からすでに退出済み)

ウっ!!イタっ!!!

オシッコが出る瞬間、激痛が!

やはりカテーテルが尿道を傷つけていたのでしょう。
しみるというかなんというか、
とにかく激痛!

オシッコしているうちに痛みは和らいでいくのですが
とにかくこの出しはじめの一撃の衝撃が!

恐れていたことが現実のものになりました。

それにしてもHCUでは痛くなかったのに?
なぜ?
原因はわからずじまい。

とにかく切ったばかりのノドの痛みもあったので
看護師に痛み止めを処方してもらい眠ることに。

しかし、ほとんど眠れなかったです。
自室に戻ったとはいえ
各種機器類が装着されており
寝がえりはまったくうてない状態。

自分いつも寝るときは
左右に寝返りをうちながらのスタイルなんです。
それが全く寝返りがうてないなんて…

そうでなくても看護師が2時間おきぐらいに
点滴を交換しに来るので、そのたびに起きてしまう。

とにかく術後は寝れないんですね。
よくわかりました。

術後2~3日は
オシッコのたびに痛かったです。
ほんとに最初オシッコが出る時だけ。

「早くこの痛みから解放されないかなぁ」
その思いで毎回覚悟を決めてトイレに行っていました。

でもオシッコが出るだけまだマシで
中には全身麻酔後、尿意を催さない人もいるそうです。

僕の知り合いがそうだったらしく、
看護師から「出ないとまたカテーテル入れることになります」
と脅されたとのこと。

いや、脅しというかオシッコが出なければマズいので
あまりに長時間出なければ
本当に再度カテーテルを入れるらしいのですが
その方は部屋中歩き回ったりしてなんとか尿意を催し
立ったまま尿瓶でしたそうです(当然激痛が走ったそうです)。

全身麻酔の手術後にオシッコが出るというのは
痛いけど喜ばしいことなんです。


男性のほうが尿道が長いので
この部分に関しては女性より男性のほうが苦しむかも。
でも一方で個人差があるとのことなので
僕みたいに恐怖に打ち震えるほど痛くないというか
気にならない人もいるのかもしれません。

手術当日とその後数日の話はもう少し続きます。
(つづく)


 


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