週刊NBA
明日からNBAファイナルが開幕。今年のファイナルの組み合わせは、ウォリアーズ対ラプターズに決定しました。ウォリアーズは5シーズン連続でのファイナル出場、ラプターズはカナダ勢初のファイナル進出と、手に汗握る攻防戦が予想されます。
ウォリアーズが優位と見ていますが、ラプターズにも十分チャンスはあると思います。個人的にはラプターズに優勝してもらって、ウォリアーズの王朝時代が終わって欲しいと考えていますが(笑)。どうなることやら。
今週のMVP
1.今週、最も活躍した選手にフレッドバンブリード選手を挙げる。大事な場面でスリーポイントショットを連続で決め、チームの勝利に大きく貢献。ドラフト外の選手ではあるものの、ベンチメンバーとしてチームを支え、プレーオフでの活躍が目覚ましい。器用にそつなくプレーをこなし、チームに欠かせない存在。今後の伸びしろに期待が持てる選手です。
ファイナルの見どころ
ラプターズの注目ポイント
1.レナードに誰がマッチアップするか
八面六臂の活躍でチームを勝利へと導くレナードのプレーが、ファイナルの行方を左右するのは明々白々であると言える。そのレナードへどんな対策で攻めに来るのか、ウォリアーズの戦術に注目が集まる。おそらくマンツーマンではイグダーラがレナードに対応し、ダブルチームではイグダーラとトンプソンの2人で抑えにかかると予測する。トンプソンがレナードのマークマンとなる可能性もないではないが、サイズが少し足りない。だから、ダニーグリーンにマッチアップする方が確率が高いと思われる。また、イグダーラの復帰が見込まれるので、トンプソンがレナードをマークする可能性は低いと考えている。
2.カイルラウリーは活躍できるか
毎年、シーズンでは安定した結果を残すラウリーですが、プレーオフに入ると調子が上がらず、不調の波から抜け出せない。ラプターズが優勝するには、ラウリ―の活躍が必要不可欠です。レナードの獅子奮迅だけでは、とてもファイナルという大舞台で勝ち上がることは難しい。レナードを支えることができなければ、限りなく敗退するでしょう。そこで、ラウリーのサポートが欠かせませんし、時にはアグレッシブにリングに向かって、得点を取ることも必要でしょう。ラウリーがどこまで意地を見せられるかが勝敗のカギを握っていると言えそうです。
3.ベンチメンバーのサポート
バックス戦では、ベンチメンバーの大活躍があったからこそ、シリーズを突破に弾みがついた。特にバンブリードのスリーは効果覿面。点が欲しい場面で、安泰してスリーを沈めてくれるので、メンバーも安心してバンブリードにパスが出せます。バンブリードのほかに、ゴール下で体を張ってリバウンドを取るイバカのインサイド力や攻守両面で安定したプレーを見せるパウエルなどスタメンを支える布陣が勢ぞろい。ファイナルでは、怪我で離脱中のアヌノビーも復帰するとのことなので、より一層ベンチに厚みが増します。ベンチの厚さはスタメンの疲労回復を促進し、効率性の高いバスケットを生みます。
ウォリアーズの注目ポイント
1.ケビンデュラントが復帰できるかどうか
太ももの肉離れでデュラントがいないのはチームにとって大きな痛手。ブレイザーズ戦では、デュラントに支えられていた部分が大きい。そのデュラントが不在するとなるとオフェンスの面で攻撃力が劣るのは言うまでもない。ファイナルのどの場面で彼が戻ってくるかによって勝負の行方が大きく変わると見ている。特に第四クォーター終盤で、デュラント不在による影響がじわじわとスコアに表れるはず。デュラントがいない方がチームは良いバスケットをすると言われていますが、やはりデュラントのオフェンスでの貢献度は非常に大きなもの。デュラントがいるかいないかで得点の桁がグンと違う。
2.カリーの調子が維持できるか
クリッパーズ、ロケッツ戦では、不調続きでスランプに陥っていたかと思われたが、ブレイザーズとのラウンドから調子を取り戻し、毎試合平均30得点オーバーを記録したカリーの調子にやはり注目が集まる。今の状態がキープできれば、ラプターズに負けることはないと思うのですが、何が起こるか分からないのがファイナル。カリーに対するマークも厳しくなると思うので、相手チームによる厳しいマークの中、いかに外のシュートを沈められるかによって結果が大きく変わってきそうです。クレイと二人揃って外が当たり出せば、ゲームの流れはウォリアーズに傾くのではないか。
3.トンプソン、グリーン、イグダーラの守備力
ウォリアーズが試合展開を握るには、相手のオフェンスをいかに封じるかにかかっています。個のペリメーターディフェンスの高い選手がウォリアーズには沢山集まっています。トンプソンを筆頭にグリーン、イグダーラなど。ダブルチームでレナードの攻撃を潰し、マンツーマンでラウリーに対応すれば、ラプターズの攻撃をある程度は抑えられます。どこまで粘り強いディフェンスができるかによって、ウォリアーズのオフェンスの勢いも変わったものとなります。ディフェンスがハマれば、オフェンスに弾みが付き、効率性の高いオフェンスを形成して高得点を叩き上げるでしょう。
まとめ
スタメンはウォリアーズに分があるが、ベンチの層はラプターズが少し上回っていると思います。ホームの試合を取りこぼすことがなければ、場合によってはワンサイドゲームの展開になることもないではないですが、その可能性は限りなく低いでしょう。ホームコートアドバンテージを持っているラプターズがウォリアーズのホームで1勝できれば、ラプターズがこのシリーズを制する可能性は十分あると考えています。両チームもホームゲームで勝てるかどうかにかかっている。ホームゲームを取りこぼさなければ、7戦まで縺れるゲーム展開になるのではないかと予想します。