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実用中検一級に合格したよ

実用中国語技能検定試験、って知ってます?
中検じゃないよ。実用中検だよ

はじめに

受けたきっかけ

いつだったかのX。
中国語コーチみたいな某インフルエンサー(?)方の「中国語学習におすすめの目標設定○選」って題した投稿で、日本で受けられる中国語の各資格試験を紹介してて。その中に「実用中国語技能検定試験(実用中検)」が入ってたのね。

実用中検って存在は知ってたんです。でもイチ学習者として、「おすすめの目標設定○選に入れるほどのもんか?」と疑問に思いました。

たぶんそのインフルエンサー(?)さんも受けたことないんですよね。まとめサイトからそのまま適当に拾って来て載せました〜に見えて。

受けて言ってんなら、あるいはせめて過去問見て言ってんならまだいいわ。受けたこともない(未確認)試験を勧めるってなんだか腑に落ちないところがあって。
とは言え私も受けたことないし、ウダウダ言う前にとにかく受けてみることとしました。

勧められるもんかどうか、試してきたろやないか。

※2024/10/31付のインフルエンサー(?)さんの会社の記事で、試験申込方法や、第一の選択肢として中検やHSKをおすすめする旨書かれております。(情報として公式サイトを超える内容はありません。所謂「いかがでしたか?」レベルです。)

これこれぇ

情報がない

受けるからには全力出そうと、ネットで情報を探したり、過去問を探したりしたんですけど、いかんせん公式以外の情報がない。ないよ。本当にない。公式も、日程や連絡先はあるけど詳細はなんだかよくわかんない。

公式からのリンクで一応過去問(2004年発売!?)に辿り着けるんだけど、出版社さんの販売サイトからは買えない。【記事公開時点で買えるようになってました!】もとい。支払い画面までは行けたのでたぶん買える、まで。

夏くらいまでは、Amazonの中古市場で注文しても「入荷できまへんでした」が繰り返されました。

結局東方書店でお願いしたら買えました。
ありがとう東方書店

で、受けて来た

受けて来ました。8000円払って。
とりあえず日和って2級…とも思ったけど、何回も受ける元気はないので一発勝負のつもりで1級。

会場は都内某貸会議室。中国語ネイティブと見られる学生さん?が試験官。1級に用意されてた席は3つ。

普通に試験が始まって、普通に終わりました。
所要2時間くらいかな。問題形式も難易度も、基本的には過去問通り。

一次試験、筆記

読解

45問のうち35問の選択問題(20問の文法と15問の長文)は中検2級くらいかな。いって準一級。

最後10問は漢字とかピンインとか書かされる。うち5問、特に漢字の方は激ムズです。
文章の中でボコッと1文字黒塗りされててそこを埋めるとか、四字成語の1文字を埋めるとか。

四字成語は選択問題じゃないぶん、中検1級より難しいかも。ちななかむら5問全滅。
後半のピンイン5問もまたいいとこ突いてくるんだ。知ってりゃ書けるんだろうけど。
この辺は中検の準一級味あるかもね。

じゃあ過去問から例題ね。ほい。
【恬然】【吐蕊】【簇拥】
書けんわい!

听力

(選択問題20問)は、内容的には中検だとやっぱ2級くらい。

だけど、HSKと同じで流れるのが1回なのと、聞こえた音声から論理的に判断して選択をする必要がある分、若干難しい。

例えば、これは全然実際に出た問題じゃないんだけど、イメージとして、

男:またネットで新しい服見てんの?
女:婚活中だし。ほっといてよね。

男女の関係は?
A 親子 B夫婦 C店員と客 D上司と部下

みたいな感じ。ロジックとしてAを選ばざるを得ない。

トータルで、感覚的にはHSK6級くらいか、やや簡単、くらいかな。

二次試験

面接

2週間ほどで二次試験の案内が郵送されてきました。そこには一次試験の合否についての記載はなく、「二次試験いついつこうやって面接やるからね」のみ。
ここは一旦合否欲しいのよ。「受かったから二次試験」でいいんだよね?

面接はオンライン(ZOOM)でした。
司会者と先生と私の3人で実施しました。所要10分くらい。

与えられた3つのテーマについて3分考えて、2分喋る。
私は「休みの計画」を選びました。あと何だったかな、仕事のやりがい〜とかだった気がする。

過去問見ても、
・価値観に関わるような真面目なテーマ
・時事問題(その時その時の内容)について
・軽く、とっつきやすいテーマ

の3つで出されてる感じ。
なかむらはとっつきやすいところにとっつきました。どれを選んだからどう、ってのはないと思う。知らんけど。

終わったら喋った内容に関して、いくつか質問されるので、答える。
先生から軽く講評(発音もいいし〜、流利だし〜、お休みの計画もバッチリ〜)頂いて、終わり。

口译がない分、中検準1級より轻松でした。

結果

とにかく早い。土曜日に二次試験受けて、翌月曜には結果発送のお知らせメールが来て、火曜には接到了。

合格ですよね。まぁ合格すると思ってました。
書けなかった読解の漢字以外はよっぽどできたもん。

ほーら漢字穴埋め全滅

1級のトータルの難易度では、中検2級と準1級の間くらいだと思います。でもたぶん「2級受かりました」くらいだと落ちる。準一級ギリ受からない人が勝負できるかな、くらいの感じ。

おわりに

人に勧めるか

どーかな。
運営は思ってたよりしっかりしてた。問い合わせメールのレスポンスも早かったし。
1次も2次も、当日対応してくれた試験官の方、すごく真面目で一生懸命で。

とにかく最後まで一切のトラブルなく試験を終えられました。本当にありがとうございました。楽しかったです。

この試験、たぶん公式HPで損してる。まだまだ伸び代あると思うんだけど。

でも他と比較するとどうしてもな。
日本人中国語学習者の観点から中国語を捉えた中検
大陸/台湾に留学するために使えるHSK/TOCFL
通訳翻訳の人材としての能力測るCATTI
同一試験のスコアで自分の成長を比較できるTECC

...って考えると、実用中検って微妙な立ち位置なんよな。

ガチモンの中国語関連検定マニアというか、なかむらみたいなコレクターが趣味として取る、くらいかも。

自分のレベルチェックで受けるのは構わんけど、それならばTECCのスコア制みたいな特長がほしいし、あまりにも使い道がないんよな。
なかむらがドヤァするためにしか使えない。

少なくとも、中国語学習におすすめの目標設定○選に入れる試験ではない気がする。
お金かかるし、優先順位としてはこれじゃない。

どんだけ試験好きな(悪く言えば試験偏重の)学習者さんも、HSKと中検の各級を往復しながら、随時TECC、でいいもん。それだけでもやりすぎだし、さらに実用中検各級挟むかというと…ねぇ。

インフルエンサー(?)さんの前述の記事の通り、「第一の選択肢としては、中検やHSKをおすすめする」かな。まぁ、ごもっともだわさ。

心身と懐と時間に余裕のある方は、戯れに受けてもいいかもね。カタログスペックはどれだけあってもいいからね。

(いやまて、なかむら、予備自衛官補(技能)の受験要件を満たしたやんけ)

※この試験について質問ある方、なかむらの経験と答えられる範囲でなんでもお答えしますので、どうぞ遠慮なく聞いてください!

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