見出し画像

「咳喘息」になりました。


心配性で臆病者のわたし

2024年を振り返ると、心配の種がもぐらたたきみたいに代わる代わる顔を出す1年だった。

どのもぐらも突然姿を現したわけではなくて、ずっと頭のてっぺんをちょこっと出した状態でスタンバイしていた。
その頭は見えているものの、目の前のもぐらにかかりきりで、気にかける余裕がない。
やっとのことで目の前のもぐらと和解し、ほっと息をついていると、頭の先だけ穴から覗かせていたもぐらがおもむろにずずず…と顔を出す。

「あれ…。そういえばこれ、あんまり気にしてなかったけど大丈夫かな…?」

その途端、そのもぐらが日常の真ん中に居座り始める。
そのことばかりぐるぐると考えるようになり、ずーんと心も体も重くなる。
だが、なかなか行動には移せない。
現実を突きつけられることが、日常が変わってしまうことが、怖いのだ。
いろいろな可能性が頭によぎり、ひとりネガティブ思考のるつぼにはまっていく。
日常の忙しさで少しごまかしても、落ち着くとまたずずず…と顔を出す。


なんだか少し息苦しい…?

ここ数ヶ月、わたしの頭の大部分を占拠していたもぐら…もとい心配の種は、「呼吸時の違和感」だった。
朝、家から少し歩いた後、電車に乗っていると、身体の中の空気の通り道が狭くなっているような感覚になり、咳をしたくなる。
痰が喉にまとわりついているように感じるときもあった。
でも、症状は一時的で、いつの間にか収まっている。症状がない日もあるので、生活しているうちに忘れてしまう。
まさに、もぐらが穴から頭の先だけ出して待機している状態だ。
それがある日、他のもぐらと入れ替わる形で、ずずず…と顔を出してきた。

「そういえば、この症状、割と長引いてるな…」

ふとそう思い、インターネットで自分の症状を調べてみた。
目に飛び込んできたのは、「咳喘息」「喘息」という文字。
「喘息」には漠然としたイメージがあったが、「咳喘息」については全く知らなかった。
調べていくうちに、具体的にどのような症状があるのかや、大人になってからも発症すること、患っている方が想像以上に多くいることを知った。
あくまで素人がネットで得た理解だが、もしかするとこれから長い間、この症状と付き合っていくことになるかもしれない。

それから、ひとり、ぐるぐると考えた。
ありうる現実を受け止める準備をするのに時間がかかった。
忙しさの中で見ないふりをしようとしても、ふとした瞬間に頭をもたげ、なかなか逃げられない。

年末年始、少し症状の頻度や程度が上がっているように感じて、ネガティブ思考が一気に加速した。
行動を起こすのは怖い。でも、症状が今自分が想像しているよりも深刻だったら。このまま何もせず放っておいて良いのか。
そこでわたしはようやくぐるぐるを抜け出し、呼吸器内科の受診を決断した。


病院へ、そして初めてのお薬

初めての呼吸器内科。
ものすごく忙しいはずの年始、半ば諦めながら問い合わせたのだが、初診にもかかわらず診ていただくことができた。
本当にありがたい。
問診や検査の末、「おそらく咳喘息でしょう」との診断だった。

今、わたしは吸入薬を含むいくつかの薬を服用している。
初めての薬はやっぱり不安で、吸入薬の手順にも戸惑った。
ただ、数週間服用した現時点では副作用は感じられず、吸入にもすっかり慣れた。
そして、症状はほとんど現れなくなった。
最近、再び病院に行ったのだが、薬が効いているので「やはり咳喘息でしょう」ということになり、薬をしばらく続けることになった。

ひとりでぐるぐるしている期間には相当滅入ってしまっていたが、専門のお医者さんに診てもらえてかなり気持ちが楽になった。
症状も収まっていて安心している。
ひとまず、勇気を出して病院に行った自分を褒めたい。
ぐるぐると同じ場所でひとり悩んで、なかなか行動に移せずネガティブの沼に沈んでしまう自分には呆れてしまうけれど、それがわたしなんだよな…とも思う。
今年も忙しさはそのままで、心配の種は尽きないものの、そんな自分ともうまく付き合っていけたら。
なるべく楽しく穏やかに、自分らしく日々を過ごしていきたいと思う。

それでは、また!


いいなと思ったら応援しよう!