ビギナーズエキサイトメント~バルバロス1年生が刻む《サンバの「サ」》#2
2023年秋。「そうだ、サンバやろう」と決めたわたしは、教えてもらった通りにバルバロスのホームページから問い合わせをしました。
何度も何度も眺めた、青と白のページ。見学の申し込みフォームや練習スケジュールなど、実によくできていて、ウェルカム!という間口の広さを感じます。(その割になかなか踏み出せなかったのだけど)
担当メンバーから日時と場所をご案内いただき、数日ののち、ついに楽器の練習に参加することに……!
事前に、体験する楽器を決めることになりました。入会するつもりで体験申し込みをしたので、今後長く演奏するパートとして選びました。
タンボリン一択でした。
なぜなら、
持ち運びやすそうだから!
実に浅はかな理由なんですが、打楽器=運搬地獄という呪縛にとらわれている人間にとっては、かなり大きな要素です。
どこにでも持ち運べるということは、どこでも練習できるということ。
車の運転ができないわたしにとって、カバンに納まるサイズは大変魅力的でした。
もちろんそれだけではありません。
どういうわけだか、その時のわたしにはタンボリンが一番「サンバっぽい」楽器に見えたんですよね。
見たことのない形の楽器を、見たことのないバチで、見たことのない動きで叩いてて、なんだか激しくておもしろそう!
そう思いませんか???
(万が一「そうでもない」という方がいましたらこちらをご覧ください)https://www.youtube.com/shorts/1pVWgjq_WZU
スタジオに行くと、パートリーダーが楽器を用意してくれていて、楽器の持ち方から丁寧に教えてもらいました。
う~ん、難しい。
打楽器の経験があるとはいっても、楽器を持つ手の形や回転する動きに慣れないし、バチのしなりを利かせて叩く感覚もなかなかつかめない。そして痛い!
初心者なんだから当然ですが、見るのとやるのは大違い。脳の指令と手の動きがちぐはぐになって、やればやるほど混乱してきます。
でも、楽しいぃぃぃ……!!!
すべての動きが初めてすぎて新鮮で、一度でもできるとステップアップしたような気持ち。ビギナーならではの興奮です。
他の楽器との重なり方もおもしろくて、スルドの低音に乗っかって高音で刻むリズムパターンが、めちゃくちゃかっこいい。「キメ」と呼ばれるフレージングも独特のグルーヴで、かけあいやソロがあって、「なんかわからないけど今サンバしてる!」って感じがします。
ただ、あの速くひらひら動かすやつ(カヘテイロということを後に知る)をできないと、どうやら話にならないということだけは理解しました。
そんな感じで初回、2回目と参加させてもらい、いよいよ入会という流れです。
入会にあたって決めることがもう一つありました。
それは「バルネーム」です。
要はチーム内のニックネームです。在籍中はずっとその名で呼ばれるので、じっくり考えた方がよいとのこと。本名が珍しくもなければ普段呼ばれている愛称もなくて、結構悩みました。
せっかくだから本名と無関係な、普段呼ばれてない名前にしよう……「さん」とか「ちゃん」とかつけずに呼びやすい名前にしよう……カタカナがいいかな?ひらがなかな?変な意味ないかな?誰かとかぶらないかな?
3日間くらい悩みました。
かくして、「アイリス」爆誕。
最初の数カ月は名乗るたびになんとなく恥ずかしかったけど、今ではすっかり慣れました。
由来はお話するとちょっとだけ長いので、もしご興味あれば、お会いできたときにでも。
こんな風にみんなバルネームを決めて、あたりまえのように呼び合っています。本名を知らない人もたくさんいます。もちろん、年齢や仕事も。
サンバをやっているときは、他のことを何も考えないってことなのでしょうか。
文/アイリス(2023年11月入会)