【綿町ダイアリー】#345 西陽とクロスバイクとオダギリジョー
午後6時。
いつもより少し遅い閉店時間。
『今から帰るね』
奥さんにメールをいれクロスバイクにまたがる。
走り始めてすぐに西陽が顔をつく。
サングラスが必要なほど眩しい西陽だ。
あぁ、今の季節の6時はこうなるんだ...
顔を下向きにし、ゆっくり走る。
人通りを避けいつもとは違う路地へ。
イヤホンからはオダギリジョーさん。
FM802のライフタイムブルースの時間だ。
リスナーが投稿した短編エッセイを
オダギリジョーさんが朗読するという番組。
これがなかなか秀逸で。
ハートカクテルの世界に似てるんだ。
蒸し暑い夏の夕暮れどき。
少しハァハァ言いながらペダルをこぐ。
2話目の娘のエッセイに、ほろり。
自分の人生がだぶる。
西陽がキラキラとぼやけて見えた。