無題(2021-02-28)
2021年もあっという間にふた月が過ぎた。
ちょうど去年もこのぐらいの時期にマスクを着けたりしてたっけ。非日常はもう一周して日常になっていて、あのときの政策がああだこうだ言ったりとか毎日の数字を追いかけたりとかそういうことをするのもなんだかもう飽きているのが正直なところだった。ちゃんとそれなりに生活はできていているけど捻くれている僕は「こういうときだけ無駄に適応力があって……」なんて考えて自分を上手に褒められないでいた。
今日はひとりで品川駅に行った。5年ぶりにTOEICの試験を受けるという超激レアなイベントが発生したからなのだけれど、その出来事自体はどうでもいい。普段乗らない路線に乗って、品川駅というメジャーなわりにあまり行かない場所に辿り着いた。懐かしいと思いつつも、少し衝撃だった。
品川駅というのは僕にとっては大して思い入れのない駅だ。上京してからの生活で言えば下北沢や渋谷や本郷なんかの方がそりゃもうよっぽど青臭い思い出が詰まっている。でも、だからこそ逆に、数年の出来事を走馬灯のように一気に感じた。
前に行ったときは誰と何をしてたんだっけ?その前に行ったときは?いつの間に、どうして、こんなに時間が経って、こんなに自分は変わってしまったのか?
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帰りの電車、これから先のことを考えていた。何かとスロースターターなので、いつもこのぐらいの時期になってようやく今年の目標は何にしようかみたいなことをようやく考え始める。そのうえ明日になればまた仕事に夢中になってこんなことは忘れてしまう可能性はかなり高い。そんなレベル感の話だけれど。自分は何者でもないし、多くの人を動かすようなことはきっとこの先もない。それでも、自分が細々と培ってきた経験や持っているエネルギーを、なるべく自分以外の人に費やしていきたいと思う。自己満足でも良い。なけなしの意味とか意義を取り繕いながら、この先「誰かのため」を頭に置いて独りよがりなお節介を続けて行くのだ。またいつか、どうでもいい理由で品川駅に来たときに、今日を思い出して悪くなかったと思えるように。