映画館で観るために造られた映画、劇場版レヴュースタァライトの紹介
タイトルの通り。今回は公開3周年のリバイバル上映を行っているレヴュースタァライトの紹介と、映画館で実際に観てきた感想です。
ネタバレは記事の後半からになります。
前半
レヴュースタァライトとは
まず、少女☆歌劇 レヴュースタァライトについての紹介。端的に言えば、舞台女優を目指す芸術系の高校で、学生たちが己の実力と夢に戸惑いながらも向き合い、共にぶつかりながら前に進んでいく物語です。正直、アニメ放送当初は当時流行りで会ったスクールアイドルアニメの一つだと思って軽視していました。
私はプレイしていないのですが私の認識ではソシャゲが原作(?)で、CVを務める声優がアニメだけでなく実際の舞台でもそのキャラを演じるというメディアミックス作品です。
劇場版に至るまで
物語を追っていくには比較的簡単で、アニメ1クールと劇場版総集編ロンド・ロンド・ロンド(ロロロ)を観るだけです。この総集編はアニメを別キャラからの視点がわかるだけでなく、最後の方のセリフはロロロオリジナルで劇場版へと繋がっていきます。また神曲・再生讃美曲が流れるので基本的に観た方がいいです。
私がレヴュースタァライトを観たきっかけは旧twitterで相互フォロワーが『スタァライトはいいぞ』と言っていたからです。
映画館の選択
今回の3周年再上映は全国のイオンシネマが対象。その中でワイドスクリーンの特大会場を選びました。土曜とはいえ、数日前に予約してもこの埋まり具合。音響もかなり楽しみにしていたので結構前の方の席にしました。3年経ったにも関わらず6/7までの1週間全国で公開(しかも1,100円くらい)という大盤振る舞い。まだ間に合います🦒チケット予約はイオンシネマのサイトで通常の映画と同じです。
わざわざ劇場で観る意味とは
まず、今回の上映期間の目前までなんとYouTubeでこの劇場版が配信されていました。そしてコメントには『初見をyoutubeで済ませるのはもったいない』と。そう。明らかにただの長いアニメとは異なるテイストで描かれた本作品は絶大なスクリーンと音響で更に楽しむことができ、公式もそれを推奨しているのです。
さらに今回のTHX環境でのトマトぶしゃーから質が違う。そして家でサブスクで観るときはいかに集中していないかがわかる。映画館で観ると日常シーンでも受ける印象がかなり異なり、新たな発見もあったりする。
後半(ここからネタバレです。)
導入
進路選択のシーンは各々の目指す方向が分かり、真矢だけでなくまひると双葉、ばななが演劇の最難関の新国立を志望することに。特に間の2人はトップ成績というわけではない分本気度が伝わってくる。華恋の進路希望は空欄になっていて、じゅんじゅんとの演技指導のシーンからも将来の夢を見失っていることが伝わってくる。
華恋とひかりの出会いのシーン。正直劇場で観てこのシーンの本当の意味を理解した。始めは引っ込み思案だった華恋。小型のアイドル活動的ゲームをポチポチやっているだけの日常だったが、ひかりの輝きに触れる。そしてここからBGMの雰囲気が変わり、例のカスタネットシーンで打ち解ける。ひかりの小さな輝きに触れた華恋はゲームに夢中になることもなく退屈そうで、ひかりはひかりで華恋を舞台に誘おうとしていながらも、ゲームよりも楽しんでくれるのか不安そうだった。そしてお誘いのお手紙を渡す。
みんなが喋りすぎて薫子が『しょーもな』を連発するシーンはキリンのオーディションから1年経った日。それはアニメスタァライト第一話の始まりで神楽ひかりが転校してきた日であり、幼稚園時代に2人が観た舞台STAR LIGHTの公演開始日であり、なんと私の誕生日でもある。喋りすぎた。
電車のシーン辺りから他の乗客が消え自由すぎる座席配置と共に不穏な空気が。じゅんじゅんのセリフもここで観察されていた。そしてwi(l)d-screen baroqueが始まる。
wi(l)d-screen baroque
皆〇しのレヴューはなかなかの衝撃だし、音響も相まって大迫力…!暴君ばななの足の音も、刀の金属音も家で観ているものとは大違いだった。
『なんだか、強いお酒を飲んだみたい』
シーンはちょっと変わって聖翔祭準備の場面。舞台少女心得instrumentalもいいし、未知への戸惑いの『こわいなーーーー』もいいし、まさに夢へ向かう途中の子たちの青春。仲がいいのにここではそれぞれバラバラで過ごしてるのもいいですね。電動ドリルばななは監督のお気に入りらしい。そして突如BGMが激しくなり野菜キリンの登場。ここと、(舞台少女として)死んだ自分たちと向き合うシーンもめちゃくちゃ不気味…!
『『『私たちはもう舞台の上』』』
ひかりの引っ越しと約束運命のシーン。舞台を観て逆に自信を失くしていたひかりを前に進ませてくれた華恋はやっぱり主人公だと感じる。
華恋の中学校時代のシーンはアニメと映画を通して最も好きなシーンの一つで、舞台少女ではない普通の同級生との比較がとても対照的に映ります。しばらく後の『感謝感謝、感謝ですよー』のシーンも好き。
そしていよいよレヴューのシーンに…
各レヴュー
始めは腐れ縁の幼馴染。
新国立を目指すことを言ってくれなかったと責める薫子、これまで尽くしてきながらも自分も成長するために自分で進路を決めたい双葉との闘い。レヴュー曲の中では最も歌唱楽曲感があり2人の声がとても合います。しかしながらやはり音がいいのと、大迫力の画面でのセクシー本堂はとても映えますね…デコトラの装飾もとても凝っていて、双葉のデコトラには我儘高速道路と書いてあります。
次は華恋に向かうひかりと、新国立を目指すまでに成長したまひるの戦い。アニメでもそうだけどまひるの曲とステージが相変わらず独特ですね。華恋に夢中になり演技をしないひかりに対し本気のまひるはほんとに怖かった。ひかりを庇ったミスターホワイトは破壊され、エレベーターに逃げ込めたと思ったら飛び出しまひるに追いつめられる。最上階へ行き、純粋な頃の華恋から逃げて落ち、本音で謝るひかり。このひかりが弱音を吐くところも、強くいられるのは決意したから、同じ舞台で演じてみたかったからというまひるもめちゃくちゃ良い…スズダルとミスターホワイトがゴールテープ持ってるのもいい…最後までいいレヴューだった。さて…
あまりにも残酷な大場映画株式会社。『今は今はと言い訳重ね、生き恥晒した醜い果実 星の遠きに望みを絶たれ君 今死にたもうことなかれ。』という物騒な口上と共に初手で自殺を勧めてきます。舞台装置を操り、偉人の言葉を借りて反撃するも実力虚しく、言葉でも負けて泣いちゃいます。ばななは二刀流のうち1本を手放しても、言葉の刃も強烈だった。『あーあ、泣いちゃった』
しかし、ななの武器を手に『他人の言葉じゃダメ』『殺して見せろよ』と反撃。ここの曲がめちゃくちゃ好きで、2人の歌詞が交わるところがとても綺麗なのでみんな聞いてほしいです。そのあと少しずつ攻めながらじゅんじゅんがバミリを踏むところもとても良い。違う将来に向かうことをイメージさせるステージで、最後は眩しい純那を見てばななが泣いちゃう。
そして今回のTHX上映で音響に一番驚いた真矢クロのレヴュー。歌唱も曲もセリフも圧が強くて、映像も激しく超大迫力。鳥バードの作りもこんなに細かく見たのは初めてだった。見どころはかなり衣装(というか舞台)が切り替わるところ。さすが成績トップの2人。ポジゼロキャンセルからの復活と鳥バード破壊。そこからの素での熱い戦い。『私はいつだってかわいい!!』このレヴューは始終音の良さに感動しっぱなしでした。
最後、約束のタワーに着いた華恋はスタァライトが終わった後に自分が何をしたいのか、何を持っているのかわからなくなり、『私には何も無い』と舞台少女として死んでしまう。それを自分のせいだと感じたひかりは、華恋を再び舞台女優として燃え上がらせるためお手紙を送る。歌声の綺麗さが半端ない。
ここから先は歌詞にもあるように、過去をエネルギーにし未来への、舞台少女になるための力に変えていきます。ここの映像表現が芸術的すぎて衝撃ですね。そしてほんとに何度観てもいい。大迫力画面で観れて満足でした。
そしてジャーーーンと再生産する華恋。登場も曲もほんとに最高。『愛城華恋は次の舞台へ!!』光の演出が超綺麗で、ほんとにアリーナで見たいくらい。アリーナ上映会ないですかね…?
ひかりの輝きに武器が折れてしまっても、胸を刺されても言わないといけない最後のセリフ『私も、ひかりに負けたくない』それと同時にタワー上部が飛んでいきポジションゼロへ。それでも生まれ変わった華恋は『次の役へ』と前向き。他のメンバーも上掛けを脱ぎ捨てキリンのレヴューから卒業…!
エンディング曲では卒業後にひかりがいろんなメンバーを訪れる映像と、最後は実際のスタァライトオーディションで華恋がオーディションを受けるシーンで終わります。ほんとに超大作でした。そして上映後の拍手は初経験でした。
この曲が5:14になっているのはまさか…
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