とびらぼ第2弾 「タクティカルアーバニズム」
小さなアクションから始まるまちづくり
~本屋から広がるコミュニティと持続可能な街の未来~
「本と茶 TOBIRA」 ~本と出会える場所から始まる物語~
長野県の無書店地域に誕生した「本と茶 TOBIRA」。なぜ、この本屋は生まれたのか。それは、ぜひお茶を飲みに来たりとびらぼに来た時のお楽しみです。
若者と地域の人々が自然に交わり、日常的に新しい発見ができる場所を作りたいという思いなどがあったそうです。新旧の交流を生み出すこの空間は、単なる本屋を超えた地域の新しいコミュニティハブとして機能し始めています。
“とびらぼ”は、テーマ本を中心にみんなで町について考える会になっていました。今回はタクティカルアーバニズム。小さなアクションから都市を大きく変える。国内外の小さなアクションの事例紹介をいただきました。
歩きたくなる街づくりへの挑戦「上田市の事例から」
上田市の課題として、駐車場は多いものの人々が街を歩かないという現状がありました。この課題に対して、地域の人々が自らできることを考え始めました。一枚のラフスケッチから始まったアイデアが、実際の街の風景を変えていった例は、小さなアクションの持つ力を証明しています。
自転車がつなぐコミュニティ「デンマークの事例から」
デンマークの事例では、自転車が単なる移動手段ではなく、地域交流を促進するツールとして機能していることが分かりました。「靴を履くように自転車に乗る」という文化でした。小さな賑わいは町にあり、それを自転車が促進していたように感じたと言っていました。都市の規模に関係なく賑わいを生み出す可能性を示唆しています。
特筆すべき例として、カーゴバイクやビアバイク(6人が荷台に乗って楽しめる人力車型の乗り物)といった創造的な取り組みは、人々の交流を自然に促進しています。
市民主導の緑化プロジェクト
気候変動への危機感から始まった市民主導の緑化プロジェクトは、特に印象的です。お母さんたちが子どもたちの未来を考え、空き地にプランターを設置し、食べられる緑を増やしていく取り組みは、持続可能な街づくりの好例といえます。
規制があって難しい。そう思うと思いますが1つ面白い事例として下の写真をご覧ください。
警察署の空きスペースにも設置。もちろん設置中に警察官が出てきて何をしているのかと問われますが、お母さん方が熱くその思いを語ったところ設置の許可が得られたそうです。
先にやってしまうことで前例を作るという手法があることを学びました。
自由にハーブを採取できる代わりに新しい植物を植えたり、作業を手伝ったりする相互貢献の仕組みは、コミュニティの絆を強めることにも貢献しています。
地域の力を集めて「塩尻」
県内の事例として、塩尻市のローカルナイトピクニックは、地域プレイヤーが各自のできることを持ち寄って成功を収めた好例です。このように、一人ひとりの小さな得意分野を組み合わせることで、大きな成果を生み出すことができます。
まとめ
まちづくりは、大規模な計画だけでなく、市民一人ひとりの小さなアクションから始まります。空き地を見つけてはプランターと家庭菜園を活用して緑の緑地公園化を提案したり、古い建物をカフェとして再生させたりするアイデアは、実は私たち一人ひとりが持っている力なのです。
人が集まれば、アイデアも自然と集まってきます。持続可能な街づくりは、地域住民の小さな一歩から始まるのかもしれませんね。