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ダメおやじの北海道自転車旅(釧路>稚内) その10<9日目>

これは、定年退職直前のダメおやじが体験した自転車旅の顛末です。

 9日目に入る前にタネ明かし。こういう記録を残せるワケは、旅の最中に手書きのメモを残しているから。その日の就寝前もしくは翌日の起床後、忘れないうちにA6サイズのCampusノートに覚えていることを雑に書き込んでいて、そのメモとその日に撮影した写真や動画を参照しつつ、この自転車旅の記録を書き込んでいます。

旅の記録 悪筆でもなんとか読めます

 なので、会話の細かいところは正確ではないにしろ、ニュアンスはさほど間違いがないんじゃないかな、と思っています。

道の駅の展望台はなかなか怖かった

 9日目。ホテルで目覚め、朝食がないことに気がつきました、なのでホテルの真正面にあるセブンイレブンで朝食を調達し、部屋でゆっくりと食べます、で、その日の行程を再度確認。ふむふむ。紋別から枝幸(えさし)まで、ほぼ見どころがない感じです。とりあえずスタートしましょう。
 天気は曇り。なかなかいい天気に恵まれません。スタートから2時間くらい走ったところで神社を発見。「澤木神社」です。疲れてきたこともあり、ちょっとお参りしてから進むことにします。

坂を上ったところにあった「澤木神社」 お参りしました

 お参りを済ませ、近くの国道238号線沿いで朝買ったパンを食べようと腰を下ろそうとしたのだけど、あたり一面蟻がいる! これでは座って休むことはできません。立ったままでパンを食べてから進むことにします。
 進むと特徴的な建物の道の駅「おうむ」に到着しました。ここでちょっと休みましょう。

道の駅「おうむ」 上に見えるのは展望台ですな

 建物の上部は展望台ですね。無料のようなので登ってみます。エレベーターの階数表記は1、2、3、となっています。この3階が展望台のよう。ただ、3階なんだけど高さは通常の建物の7階に相当するとのこと。
 3階に到着すると、あら怖い。展望台の形を下から見ているので「この下には何もないんだあ」と考えてしまうと、高所恐怖症気味の自分にはかなり辛い場所ですね。早々に地上に戻りましょう。

展望台からの眺め 曇っていて見晴らしはよくわからない

昼食はこの旅一番の安さだった

 トイレをお借りしてまた走り出します。
 この先も道の駅に立ち寄り体を休めながら、この日の宿泊地の枝幸を目指します。天気は相変わらずの曇天。ときどき止まって写真を撮ったりしながら進みます。

橋の上で写真をパチリ 曇天です

 昼食を取らずに走り続けて、13時30分頃に枝幸の市街地に着きました。よかったよかった。
 でも、この日の宿の「ホテルニュー幸林」のチェックイン時刻を調べてみると16時からだって。まだまだ時間がありますね。ということで、まずは昼食を食べられるところを探します。平日の昼間、もう14時になろうという時間であまり開いている店が見つかりません。結局見つけたのが、子育てサポート拠点(?)の「にじの森」という施設。この施設内にカフェコーナーがあって、食事ができるらしい。
 館内に入るとまず受付があって、記名を求められました。でさらに「カフェの利用ですか?」と聞かれたので「はい」と答え、奥のカフェスペースに進みました。
 テーブルの上には可愛いメニューが乗っています。

「にじ森」のカフェコーナーのメニュー

 いろいろなメニューがあるなかで、バターチキンカレー(¥450)とアイスコーヒー(¥300)をオーダー。安いです。この旅の昼食で一番安いんじゃないかな。美味しくいただきました。

バターチキンカレーとアイスコーヒー 小洒落てます

 お腹も膨れたので、チェックインの時間までまだまだありますが、今日のお宿「ホテルニュー幸林」に向かいます。山の上のホテルなので、坂道を上って到着です。フロントに行って「荷物は預けられますか?」「はい」「トイレ使ってもいいですか?」「はい」ということだったので、トイレに行って汗でびっしょりのウェアをすべて脱いで夜の外出時の服装に着替えた上で荷物をフロントに預けます。
 この時点でチェックインまでまだ1時間以上あります。そこで、かなり気になっていた髪を切りに枝幸の床屋に行こうと決断。床屋で地元の情報を収集しようという目論見もあります。

床屋で情報収集します!

 探してみると、枝幸には床屋がけっこうあります。で、まず1軒目の床屋に行ってみたのだけど、「今日これから先は予約でいっぱいなんです」と断られてしまいました。気を取り直して2軒目の「ヘアーサロンいとう」に行って入店します。
 「お願いできますか?」「後で予約があるのでカットだけでいいならできます」「はい、カットだけでいいです」ということで、髪を切ってもらえることに。
 髪型はいつも行く床屋と同じように注文した上で、自転車旅行のことなどいろいろとお話ししました。で、「ホテルは素泊まりなんで、夜食事ができるいいお店はないですか?」と聞いたところ、「味丸さんがいいかな?」と紹介してもらいました。
 ということで散髪が終わった後、自転車で「味丸」の店の場所を確認します。うん、入口がかなりわかりにくいというか小さいというか。夜暗い中で来たら見落とすかもしれないですね。事前のチェックは重要です。
 途中でコンビニに寄って翌日の朝食を購入してからホテルに戻り、チェックインです。そしていつものルーティーン(大浴場でのお風呂からコインランドリーで洗濯・乾燥)を済ませます。これになかなか時間がかかってしまい、夜の街に繰り出したのは19時過ぎになっていました。

紹介してもらったお店でまた•••

 山の上にある「ホテルニュー幸林」から「味丸」のある市街地まではかなり歩く距離。まだ薄暗くなりかけている時間帯なので、心配なく店に向かいます。さっき場所を確認していたので、すんなりと店を発見。そのまま入店します。
 「一人なんですけどいいですか?」と聞くと「うちは定食とかやってないんですけどいいですか?」と聞き返されました。もちろん、居酒屋さんと聞いていたので無問題です。
 まず、生ビールとジャーマンポテトとつくねをオーダー。お通しに出てきたベーコンたまごアスパラ炒め(?)が絶品。とっても美味しく、これだけで生ビール1杯空いてしまいました。

「味丸」さんはお通しが美味しい地元の居酒屋さんでした

 ジャーマンポテトもつくねも良い。地元民が集まる居酒屋さんって感じでGoodです。

普通の居酒屋飲みになっていましたね

 ここで店員さんが気さくに話しかけてきてくれました。で、いつものように自転車旅の話をしつつ、会話が弾みます。「で、なんでうちに来てくれたの?」「床屋のイトウさんに行って、いい店ないか聞いたらここを紹介してくれたので来ました。正解でした」と伝えると、満更でもない様子です。
 生ビール2杯の後ハイボールを2杯、さらにおつまみを数品追加して充分お酒を楽しんだ後で、いつものように「この後でスナックに行きたいんだけど、いい店ありませんか?」と尋ねると、「若い子がいる店とそうでもない子のいる店、どっちがいい?」とまた逆質問です。「若い子がいいなら「N(Nox)」、そうでもない子がいいなら「純」ですね」と紹介してくれました。
 会計を済ませて「いざスナック」というところで「これ持っていって」と枝幸名物のホタテの干物をお土産にいただきました。ありがとうございます。さらに、店の外まで出てきていただいて、「スナックはあっち」と進む方向を教えてくれました。なにからなにまでありがとうございました。

ヒグマの心配はない?

 スナックを探して歩くこと数分。最初に目に入ってきたのは「N(Nox)」の看板。でも「純」を探しますよ。で、見つけましたよ「純」です。早速入ります。お客さんがそこそこ入っています。カウンターに陣取り、ウイスキーのソーダ割りをお願いします。
 いつもの話でママさんたちと会話して少し和んだところで、「今、味丸さんで食事をしてきたんで、あんまりお腹はすいていないんです」と告白。さらに、「味丸さんで紹介してもらったスナックがここともう1軒あったのだけど、こっちに来ました」と正直にお話しすると、ママさん「うち 1軒でいいじゃないの。もう1軒ってどこかしら」だって。よほど自信があるのでしょうね。
 で、「泊まっているのはどこ?」と聞かれたので「山の上のホテルニュー幸林ですよ」と答えると「よく取れたね」だって。ここでも当日に予約を入れるのが当たり前なんだなあ。「いや、事前に泊まるところは全部決めてあって予約していたんですよ」と説明します。
 「じゃあ、帰りはタクシー?」ホテルまで若干の距離があることは確かだけどタクシーを使うほど遠くないと思っていました。でも、その道沿いには民家やお店はない。林が両側に広がっているところもあり、「もしかしてヒグマとか出ます?」と聞くと「その心配はないけど」ということなので、予定通り歩いて戻ることにします。
 常連さんとも仲良しになって11時過ぎまでわあわあ楽しんでしました。「もうそろそろお暇します」と精算するとチーママが店の外まで見送りに出てくれました。「ホテルはあっち」と道を教えてくれ他ので、ちょっとスキンシップでハグをして「おやすみなさい」をしました。
 ホテルに戻ってまだ大浴場に入れるみたいだったので、ちょっとお湯に浸かってから就寝です。この日も楽しく終えることができました。

🔳🔳 教訓 🔳🔳

地元の情報を得る方法は様々。たまには床屋に寄るのも良し。


次回「その11:最終話<10日目11日目>」に続く。


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