永遠のスケッチブック
いずこにも出口の見えぬ海のうえ方位磁石がぐるぐる回る
もう一度どこかで会えるかもしれず現世の君と来世の我が
幸福も不幸も流れゆく海にまだ行き合わぬ舟と鯨よ
散りゆける花を見送る術として葉はやわらかきてのひらとなる
はなびらを分けてください傷口が薄くれないを求めています
天国はムーミン谷のような場所みどりのなかに池などありて
もう一度あなたに会いにゆくことをその白い掌にかけて誓います
虹の絵は未完となりて永遠にひらくことなきスケッチブック
剥製の鹿の肌(はだえ)に射すひかり死後のからだがまたあたたまる
君のいないソファーの上にぽっかりとなみだぶくろのような陽だまり
本川克幸
※作品は本川克幸さんのブログ
朝顔の種 http://ameblo.jp/asagaonotane2012/
より引用させていただきました。
画像は本川克幸さんの公開ツイッターメディアからの引用です。